ロシアで人気のSNS「VKontakte、Odnoklassniki、Moi Mil、Telegram Messenger」
世界で最も国土が広く、人口も1億4587万人(参照:世界国勢図会)と世界で9番目に多い、ロシア連邦。
日本ではあまり馴染みのないロシアですが、実は、成田からウラジオストクまでたった2時間半のフライトで行くことができます。2017年にビザ緩和が実施され、新型コロナウィルス感染拡大前には、年々訪日客は増加しており、2019年は統計史上最高の12万人(前年比+26.6%)の観光客が日本へ訪れていました。
今回は、日本ではあまり知られていない「ロシアの人気SNS」をご紹介します!
ロシアで人気のSNSとは?
1. VKontakte / フコンタクテ(VK)
まずご紹介するのは「VK」と呼ばれるロシア最大のSNSです。
月間ユーザー数は9000万人以上と言われています。Facebookと非常に似ており、チャットや写真、メッセージの投稿やシェアをすることができます。ダッシュボードのデザインもFacebookと非常に似ています。
こちらはFacebook、Twitterや後に「紹介するOK」とリンクさせることも可能で、多くの友達を簡単に見つけることができます。また、年齢、居住地、職業などのステータスだけでなく「喫煙の有無」といったプライベートに関する項目も絞り込んで、友人を検索することができます。
Facebookと比べ、動画の投稿が非常に多い傾向があり、YouTubeのような動画視聴を目的として使用することもできることが大きな特徴です。使用可能な言語は全部で85言語。日本語にも対応しています。
<参照:VKontakte>
2. Odnoklassniki / アドナクラースニキ(OK)
OKは先ほどご紹介したVKより7か月前に開設されたロシアで長年利用されているSNSが「Odnoklassniki」です。
Odnoklassnikは「Classmates(クラスメイト)」という意味で、古い友人や同級生とつながることを目的として開発されました。そのため35歳以上のユーザーが多く、VKと比べると年齢層が比較的高い傾向があります。また年齢以外に男性よりも女性が多いのもこのSNSの特徴です。そのためファッションや化粧品ブランドのチャンネルがとても充実しています。
VKと比較すると友達を探す際のセグメントが少なく、同級生や同僚以外とのつながりを目的にするのには、あまり適していないようです。
では、なぜOKはロシアで人気なのでしょうか?
ズバリ、OKは「音楽プレーヤーや動画視聴としての機能が優れている」といわれており、動画や音楽の視聴目的で利用するユーザーが多いのです。実際に私も検索してみたところロシアのアーティストだけでなく、「Taylor Swift」などの海外アーティストも視聴することができました。
現在Odnoklassnikiで使用できる言語は以下の通りです。
<参照:Odnoklassniki>
KVと比較すると使用可能言語は少ないですが、旧ソ連の国でも盛んに利用されており、ロシアでは人気のSNSの一つとなっています。
3. Moi Mir / (My World)
「Moi Mir」はロシアで3番目に人気のあるSNSで、月間540万人のユーザーに利用されています。
元々は2007年にマイクロブログプラットフォームとして、TwitterとFacebookを掛け合わせたようなツールとして誕生しました。今ではMoi Mirを使って、写真やビデオのシェアだけでなく、音楽やゲームを楽しむユーザーが多いのがこのSNSの特徴です。
Moi Milのプラットフォームを見てみると、他のSNSと比較してゲーム関連の広告が多い傾向です。また、試しに音楽のラインナップを調べてみたところ、ロシアのアーティストだけでなく、日本のアイドルも検索することができました!
どうやら視聴できる音楽ジャンルはかなり広そうですね。
4. Telegram Messenger
Telegram Messengerは先ほどのVKの創設者ニコライ・デゥーロフとパーヴェル兄弟が2013年に立ち上げた会社が開発したメッセージアプリです。
このアプリはLINEのようにメッセージや電話の送受信を目的として多くの人に利用されています。LINEと同様にステッカーと呼ばれるスタンプの送受信も可能で、ダウンロードはなんと全て「無料」です。更にこちらのステッカーはサイトからダウンロードするだけでなく、自分で作成することも可能です。審査もないため誰でも簡単にステッカーを作成することができます。
そして、このアプリの最大の強みは強力なセキュリティ。パスコード入力や2段階認証設定はもちろん、メッセージの暗号化などもできるのが特徴的です。セキュリティ面だけでなく、他にも全ての形式のファイルの送受信できたり、最大200,000人までのグループを作成することも可能なため、ビジネス目的としての利用されることも多いようです。尚、日本語対応していないためロシア語や英語を使用する必要があります。
番外編 ― ロシア人気の検索エンジン Yandex / ヤンデックス
日本の検索エンジンのシェアはGoogleが約70%ですが、ロシアではGoogleのシェアは約60%です。Googleに続いて多くの人が利用している検索エンジンは「Yandex」で、現在シェアは約40%ほど。
Yandexは英語圏で多く利用されているGoogleより、ロシア語の精度が良く、ロシアでは欠かせない検索エンジンの1つとなっています。特にAliceと呼ばれるAIアシスタントは、「Siriよりロシア語が堪能」と評判のようです。
YandexもGoogleと同様に検索エンジンとしての機能以外に無料メールや地図、ストレージなどの多機能なサービスを利用可能です。特にYandex Taxiというタクシー配車サービスはUberよりも人気があります。
さいごに
「ラテン文字」を使用する他の欧米諸国と異なり、ロシア語は「キリル文字」を使用するため、ロシア語に特化したサービスの需要が高い印象を受けました。
どのサービスも英語には対応しているため、ロシア語が分からなくても利用することは可能です。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。