海外の秀逸なBtoBランディングページ、6選
~BtoB向けランディングページに含める構成要素~
効果的なランディングページには、魅力的なヘッドラインや心に刺さるコピー、洗練された高品質な画像など、さまざまな要素で構成されています。
デジタル化が推進され、顧客との接点がデジタル上へ移動した現在では、BtoB企業であっても”デジタル施策”はユーザーと企業を繋ぐ重要な接点の1つとなりました。そのため、海外進出の1歩として、まずランディングページを作成して、広告施策を実施してみるなど、海外向けにランディングページ施策を試す企業も増加しています。
今回は、優れたBtoB向けランディングページを作るうえで、知っておきたい重要な構成要素を、海外の秀逸なランディングページを参考にしながら、詳しく解説していきます!
ぜひ、貴社のランディングページ制作時にお役立てください。
目次
BtoBビジネスに最適なランディングページとは?
ランディングページとは、ユーザーが検索や広告をによって訪問する、最初の着地点となるページとなるため「ランディングページ(Landing Page)」と呼ばれています。
このランディングページは、ビジネス形態によって構造が大きく異なります。
<BtoB企業の「購買」に至るまでのプロセスはBtoC企業と比べて非常に複雑です>
BtoB企業の場合、検討段階から購入決定に至るまでのプロセスは「平均して7人の担当者が関与する」と言われており、サイトを訪れた本人がいっきに「購入」まで辿り着くBtoC企業と比較すると、非常に複雑で時間がかかります。
そのため、BtoBのランディングページ制作においては、新しいリードになる可能性のある「異なるオーディエンスグループの絞り込み」を設定します。購入決定までに関わる担当者が多かったとしても、ターゲットを明確にすることで、ターゲットに共鳴するランディングページを作成できるようになります。絞り込みには市場調査と顧客データを活用して以下のコンセプトを洗い出していきましょう。
- 理想的なターゲットはどのような行動をするか
- 彼らは何を望んでいるか
- 彼らが直面する課題は何か
- 彼らが達成したいことは何か
- 何が彼らに影響を与えるか
また、BtoB向けランディングページの「ゴール(CV)」は、資料請求やトライアル申し込みなど、「具体的な1つのアクション」をゴールとして設定します。このゴールは、購入とは異なり、ユーザーをファネル上の「次のステップ」に進めるものである必要があります。ターゲットとなるユーザーにとって最適な情報を提供するように設計し、営業チームがフォローアップできるようなリード情報を収集することに重点を置きましょう。
B2Bランディングページに含めるべき重要な要素
海外ユーザーから信頼される魅力的なランディングページを作成するためには、取り入れるべき必要な要素が複数あります。
1.明確な価値の提案
こちらのブログでも紹介しているように、ユーザーを惹きつけ、ページ内に留まってもらうには、ユーザーが訪問してからたったの「10秒」という非常に短い時間が「勝負」です。この短い時間に「このランディングページには何が含まれているのか?」という、問いに応える必要があります。「サイトを訪れるユーザーの55%の滞在時間は”15秒未満”」です。
B2B企業のランディングページ、特に海外向けのものは、「明確な価値」をハッキリと提示する必要があります。
2.ヒーロー画像・動画
ランディングページのページ上部には、どういったランディングページなのかが一目で理解できる、関連した画像・動画を配置します。ページを一切スクロールすることなく、このランディングページがどんなものを提供しているかを理解できるようにしましょう。
3.明確なCTA(行動を促すフレーズ)
ランディングページの制作に取り掛かる前に、まずは、このランディングページを訪れるユーザーに対して「取ってほしい行動は何か?」を明らかにしておきましょう。
特に海外向けの場合、曖昧なワードや複数の異なる文言のCTAを配置することは、一般的に悪い結果となる傾向にあります。「ページ全体で必要なCTA文言は、1つだけ」を心がけましょう。
4.社会的信用のある「評価・口コミ」
口コミが人々の行動に大きな影響を与えることは、みなさん既にご存知のことかと思います。B2B企業のランディングページであっても、その「実績・評価」が、記載されていることで、ユーザーの不安を軽減する重要な役割を果たします。
日本で大企業であったとしても、同じように海外でも知名度・信頼度があるとは限りません。海外市場では「社会的信用」がより強く求められる傾向があります。
海外の秀逸なBtoBランディングページ、6選
海外市場におけるBtoB向けのランディングページとして定評のある事例をご紹介します。
1.Semrush
海外デジタルマーケティング担当者であれば、ご存知の方も多いSEMRushのランディングページは、SEO・広告・ソーシャルメディア・競合などが多角的に分析可能な複合ツールであるにも関わらず、1つの特徴だけに「焦点」を絞った、優れたランディングページです。
このランディングページでは、「競合分析」×「データ主導のマーケター」に焦点を絞り、ページ全体を通して、自社の強みや特徴・サービスの範囲など「明確な価値」を提示しています。
自社のターゲットオーディエンスを「データ主導のマーケター」に対象を絞り、オーディエンスの心に刺さる刺激的なキャッチコピーとともに、マーケターであれば誰でも「知りたい!」と思う情報をふんだんに盛り込み、オーディエンスの”欲求”を刺激します。
“Explore competitors, discover growth points, and build an unbeatable marketing strategy/競合他社を調査し、成長ポイントを発見し、無敵のマーケティング戦略を構築しましょう!”
ターゲットを絞った超強力なコピーは、多くのデータ主導のマーケターの心をガッチリと捉え、心を揺さぶっていますね。👏(拍手)
2.Slack
Slackのランディングページは、Slackが何であるかを適切なコピーとヒーロー画像を活用し、「提供するサービスで何ができるか」を視覚的・的確に伝えています。
人間は視覚的情報を最優先に取り入れる生き物です。ランディングページやウェブサイトを訪問するユーザーは、表示されている情報を瞬間的に「キャッチ」します。また、ユーザーの目の動きは、左→右、上→下と動かします。Slackのランディングページはユーザーのスキャン行動を促す「Z字型」の設計になっており、重要な要素に適切に注目が集まるよう、適切に配置しています。
Slackのランディングページは全体を通して、少ない文章とシンプルなデザインでありながら、画像・配置・的確なコピーを最適化することで、有効的に機能するように設計・デザインされている秀逸なランディングページと言えるでしょう。
3.Notion
Notionのランディングページは非常にシンプルでありながら、成功するランディングページに必要な要素全てを取り込んだ構成になっています。自社サービスの概要・機能をGIFを使い、動きを見せながら説明することで、シンプルなデザインを保つとともに、ユーザーアクションを減らすこと、直観的に理解を促しています。
また、クライアントからの評価を具体的な数値として挙げており、そのすぐ下にCTAボタンを配置することでリード獲得の確率をグッと上げています。CTAボタンと共に添えられているキャッチコピーは、ユーザーの不安を取り除き、背中を一押ししてくれるような文言であり、効果的にCTAボタンへと誘導しています。
機能や特徴の説明もSlackのランディングページ同様に「Z字型」で配置し、重要な要素に適切に注目が集まるよう適切に人の目線を自然に誘導するようなデザイン設計になっています。
成功するランディングページに必要な要素は全て盛り込まれているにも関わらず、美しくシンプルなデザインは素晴らしいランディングページと言えるでしょう。
4.Loomly
ソーシャルメディアマネージメントツールを提供しているLoomlyのランディングページでは、自社サービスをシンプルに明示し、連携可能なアイテムが一目でわかるよう設計されています。
また、「Free 15-day trial, no credit card required, no obligation. 😸(15日の無料トライアルはクレジットカード不要)」、「See what Loomly can do for your team in 90 seconds.(紹介動画は90秒)」など、ページ全体として最小限の文字に留めているにもかかわらず、ユーザーの不安を最大限に取り除き、ユーザーが次のアクションへ進みやすい言葉を戦略的に選択しています。
また、競合他社と比較した際の自社の強みと具体的な数字を明示していたり、サービスの価格が明記されており、ターゲットオーディエンスへの安心感を提供し、信頼構築に徹した素晴らしいランディングページです。
5.Unbounce
Unbounceのランディングページでは、提供しているサービスの特徴やソリューションを明確に提示し、「導入企業のロゴ」や「写真+役職+レビュー」をページ上位に配置することで、ターゲットユーザーとの信頼構築に注力しています。また、パーソナライズされたCTAを設置しており、よりターゲットオーディエンスにマッチした言葉を表示することで、ユーザビリティ・CV率の向上にも努めています。
Hubspotの調査によると、パーソナライズされたCTAは、通常のCTAボタンより202%もパフォーマンスが向上することがわかっています。CTAボタンに表示する文言や画像を変更しA/Bテストを繰り返すことで、自社にとって最もパフォーマンスが良いCTAを見つけることをお勧めします。
Unbounceのランディングページを分解してみると以下のようになります。
<Unbounce >
非常にシンプルですが、ユーザーからの信頼感を効果的に得るランディングページとして好例です。
6.OBERLO
BtoC向け、BtoB向け両軸のサービスを展開するOBERLOは、BtoB向けLPであっても典型的なB2B向けLPとは異なる、デザイン性の高いスタイリッシュなLPで注目を集めています。独創的なフォントと明色を使用したキャッチコピーは、まるでB2Cを彷彿させるようなファーストビューによって、ユーザーの注意をいっきに惹きつけます。
さらに、社会的証明はSNS上の一般の人たちの口コミを掲載することで、自社が提供するサービスの価値が実証されていることを示しています。
また、OBERLOが提供しているサービス価格については明示していませんが、無料でどのような機能が使えるか、どのようなステップを踏めば良いかなどを画像を用いて説明することで、ユーザーが視覚的に理解しやすいように工夫しています。
さいごに
優れた海外Btob企業のランディングページの共通点として、見やすくインパクトのあるキャッチコピー、直感的な理解を促す画像、信頼を裏付ける実績値やクライアントレビューの掲載、CVの最大化を考慮したCTAボタンの配置などさまざまな要素や構成パターン、テクニックが存在します。どのようにしてトライアル申し込みや問い合わせ等の行動に訪問者を誘導するかの全体的な戦略設計が重要となってきます。
海外ユーザーの離脱を防ぎ、惹きつけるランディングページの制作をお考えでしたら、ぜひご相談ください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。