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2025年01月10日

成果を出す!韓国デジタル広告「完全ガイド」
~最新市場動向と成功のヒントを学ぶ~

韓国向けデジタル広告攻略法!特徴を理解して成果を出す、広告戦略2025_KV

 

目次

 

韓国は日本の観光業や貿易業界にとって重要なパートナーであり、多くの企業が韓国市場進出を後押しするために、デジタル広告を活用しています。

本記事では、韓国人広告運用の担当者であるチェが、韓国に向けた効果的なデジタル広告戦略を検討する際に役立つ、最新の広告市場動向や韓国向け広告の特徴、主要デジタル広告プラットフォームなどをご紹介いたします。

 

韓国広告市場の最新動向

韓国は世界的にもデジタル広告への転換が早く進んだ国の一つです。韓国統計庁が公開しているデータによると、2014年には既にデジタル広告費が伝統的なマス広告費を上回りました。これは日本の広告市場の転換期より7年も先行しています。

インターネットやスマートフォンの急速な普及を経験した韓国のユーザーは、早くからデジタル広告に慣れ親しんでいる国です。では、韓国の広告費の割合を見ていきましょう。

韓国では、総広告費の 68.1 % を「デジタル広告」が占めており、デジタル広告が主要な広告チャネルとして地位を確立しています。さらに、テレビ、デジタル広告費は年々増加する傾向にあり、今後も韓国市場でビジネスを成功させるための重要なマーケティング手段として期待されています。

 

韓国デジタル広告の特徴

ここでは、韓国向け広告運用者が知っておくべき韓国デジタル広告の特徴や傾向をご紹介します。

モバイル広告が主流

韓国科学技術情報通信部によれば、「モバイル広告費」が全ての広告媒体の中で最も高い比率を占めています。PC広告費が4年連続で横ばいになっている一方で、モバイル広告費は毎年成長しています。

韓国の媒体別 広告費の割合2023年

韓国では「購入」の約 62% がモバイルを通じて行われていることから、モバイル広告に費用を投下している企業が多いのが特徴です。そのため、モバイル環境に最適化されたデジタル広告戦略が必要だと言えます。

高関与製品の購買促進にも有効

NASMEDIAの調査結果によると、韓国では車・高級ブランド品・専門性のある商材など、購入に至るまで情報収集、比較検討、判断など消費者の意思が大きく関与する製品(高関与製品)は、広告経由で認知から購買に至った割合は 31.4%に達しています。これは、過去一年間と比較して+11%以上も増加していました。

広告を見て購入した製品のブランド認知調査
このデータから、韓国ではデジタル広告はブランド認知から購買促進までのプロセスにおいて重要な役割を果たしていることが分かります。

年齢や性別によって、影響力のある広告種類が異なる

韓国のMezoMediaが公開した調査結果によると、製品の購入において、10代から30代はSNSフィード広告やインフルエンサー広告に、40代以上はリスティング広告に影響を受けやすくい傾向があります。

また、性別では20代の男性は同じ世代の女性と比べてリスティング広告やバナー広告にも比較的に影響を受けやすい傾向があることがわかります。よって、ターゲットの年齢や性別に応じて広告種類やプラットフォームを選定することが成功の鍵と言えるでしょう。

 

 

韓国デジタル広告6つの主要プラットフォーム

韓国では、さまざまなデジタルプラットフォームがマーケティングプラットフォームとして活用されています。それぞれの特徴を理解し、広告の目的やターゲットに適したプラットフォームを選定することが成果を上げる鍵です。ここからは韓国の主要デジタル広告プラットフォームをご紹介します。

① 検索エンジン

NAVER、Google、Daumなどの検索エンジンは、韓国で広く利用されており、特にNAVERは韓国の国民的な検索エンジンであり「韓国人のブラウザーのホームページ」と言われるほどです。そのため、広告の露出に適しており、製品・ブランド情報を探している韓国ユーザーとの接点として、まずは押さえておきたいプラットフォームの一つです。

※ 韓国の検索エンジン事情を詳しく知りたい方はこちらで分かりやすく解説しております。

韓国人気の検索エンジン2024
韓国向け検索エンジンマーケティング

② ソーシャルメディア(SNS)

Instagram、Facebook、NAVER BandKakao Storyは、韓国で日常的に利用されているソーシャルメディアです。ユーザーが自分のコンテンツを「フィード」として投稿、他のユーザーと交流する場であり、広告もフィードの形式として配信できます。ユーザーの関心やデモグラフィックに基づいた広告配信ができるため、高い精度でターゲット層にリーチできるメリットがあります。

※ 韓国向けSNSマーケティングにご興味のある方は、こちらで成功例やTIPSを紹介しています。

韓国SNSマーケ成功のヒント2024
最新SNS事情からTips&成功事例

③ メッセンジャー

韓国で圧倒的なユーザー数を誇る「カカオトーク(Kakao Talk)」は、国民的メッセンジャーアプリです。その分、広告のリーチを目的とする広告キャンペーンに適しており、バナー広告やスポンサー通知など、さまざまな形式で広告を展開することができます。

※ 日本でお馴染みのLINEとの違いが気になる方は、こちらで分かりやすく比較しています。

韓国「カカオトーク」とは?
LINEとの違い・機能・連携アプリを解説

④ 動画プラットフォーム

YouTube、NAVER CHZZKSOOPなど、動画の投稿やライブ配信が行われるプラットフォームは、感情に訴える広告やブランドストーリーを短時間で効果的に伝えるキャンペーンに最適であり、チャンネルや動画コンテンツのテーマに合わせた細かなターゲティングが可能なメリットもあります。

⑤ ECプラットフォーム

Coupang11stNAVERショッピングなどのECプラットフォームでは、商品を検索するユーザーに直接リーチすることができます。購買意欲が高いユーザーに広告が表示されるため、購入を促す効果があります。

⑥ アプリ

ゲーム、ニュース、ツールなどのスマートフォンアプリでは、バナーやポップアップ形式で広告を配信することができます。アプリの利用状況やユーザーの関心に基づいて、最適なタイミングで広告を表示できる点が特徴です。

 

韓国向けに有効な7つの広告フォーマット

韓国で活用されているデジタル広告には大きく7つの広告フォーマットがあり、それぞれ「接触率・クリック率・購入率」に大きな差があります。この特徴を理解したうえで、目的に応じて最適な広告種類を選定することが重要です。

例えば、ブランド認知拡大を目的に広告接触率を優先する場合には「バナー広告・検索広告・カカオトーク広告」を、購入や予約など売上に直結するコンバージョンを重視する場合には「検索広告・SNSフィード広告」を検討することができます。

韓国向けに効果的な7つのデジタル広告フォーマット

① バナー広告

ウェブサイトやアプリ内の特定エリアに表示される視覚的な広告で、一般的に四角形または長方形の画像、テキスト、ボタンで構成されます。韓国では、接触率が非常に高く(86.1%)、幅広いユーザーへの広告露出に適しています。
・活用例:短期的なプロモーション、ブランドロゴの露出、割引キャンペーン。

② 検索広告(キーワード広告)

特定のキーワードに関連する広告を検索結果に表示し、購入意欲の高い潜在顧客をターゲットにする広告です。韓国では他の広告種類と比べて購入率が最も高く(20.3%)、売上向上に直結しやすいです。
・活用例:キーワードに基づいた商品やサービスの宣伝。予約・お問い合わせの獲得

※ 韓国向けNAVERリスティング広告が気になる方は、こちらで解説しています。

韓国NAVERリスティング広告入門書
スタートダッシュのための基礎知識とTIPS

③ カカオトーク広告

自社のカカオトークチャネル(LINEの公式アカウントと同様)を通じ、カカオトークのユーザーにメッセージを配信する広告であり、既に自社のカカオトークチャンネルと友だちのデモグラフィックや関心事に基づいて、ターゲットユーザーを拡張してメッセージを配信することも可能です。
活用例: イベントのプロモーション、ブランドニュースの通知、クーポンの配布、動画のプロモーション

④ 動画広告

動画何バナーや動画で表示される広告形式です。短時間で視覚的・聴覚的なストーリーテリングが可能で、感情に訴えるブランドメッセージを伝える場合に適しています。
・活用例: 商品の認知度や信頼性を向上するための広告、ブランドイメージを伝えるための広告

⑤ SNSフィード広告

ユーザーがSNSを利用する際、フィード形式で表示される広告です。韓国では一般ユーザーの投稿のような形で、広告であることを感じさせないクリエイティブを採用するケースが多いです。韓国では、広告の接触率に対する転換率が高い(約25%)広告種類となっています。

・活用例: 興味関心・デモグラフィックに基づいた広告配信、ターゲットユーザーとのエンゲージメント促進

⑥ ネイティブ広告

プラットフォームのコンテンツと一致する形式でデザインされ、広告であることに気づきにくい形の広告です。約37.6%のインターネットユーザーがデジタル広告において否定的な意見を持っている韓国(韓国インターネット振興院の調査)では、記事形式やおすすめのコンテンツ、商品レビューの形が一般的に活用されています。

・活用例:記事形式での新商品紹介、ニュースサイトのおすすめコンテンツに連動した広告配信

⑦ ショート動画広告

15~60秒程度の短い動画コンテンツで構成される広告です。主にInstagramリール、YouTubeショート、TIKTOKなどの動画プラットフォームで表示されます。素早く視聴者の注意を引き、強烈なメッセージを伝えることに特化しており、バイラル効果も期待できます。
・活用例:短期間でバイラル効果を狙ったキャンペーン、若年層に向けたブランド認知拡大

 

さいごに

早くからインターネットが普及した韓国は、NAVERなどの独自の検索エンジンやデジタルプラットフォームを発展させ、他国とは異なる広告市場の特徴を形成している国です。それを深く理解することこそ、海外マーケティング担当者の醍醐味であり、重要な使命と言えます。

インフォキュービック・ジャパンでは、そんなご担当者様に役立つ「韓国デジタルマーケティングの必勝法」を公開しておりますので、ぜひお役立てください。

韓国WEBマーケバナー

チェ ヨンス

ヨンス チェ マーケティング部

大学では日本語の通訳・翻訳を専攻し、韓国から日本への移住を決意。 「日本と世界をデジタルで繋ぐ」マーケターとして活躍したいとを思い、インフォキュービック・ジャパンへ入社。 淡水エビ・タランチュラ・大型オウム・希少クワガタなどの飼育・繁殖経験もあるほど生き物が大好きです。現在、ヤモリを飼育して10年以上、ヤモリ愛に溢れた韓国人です。