海外のSNS、28選
~日本人が知らない⁈世界のSNS一覧~
1990年後半のブログプラットフォームが登場、2000年前半にはLinkedInやFacebookなどが誕生しました。ソーシャルメディアは、コミュニケーションツールとして、従来のコミュニケーションの形や情報取得の方法を大きく変化させました。今後はさらに変化が加速し、ソーシャルメディアやAIを通して検索行動などを行うようになると言われています。
ソーシャルメディアと一言で言っても、世界中にはさまざまなソーシャルメディアがあり、国や地域によっても全く異なるソーシャルメディアを利用しています。現在、世界中で「独自性」を持ったSNSの人気が高まりつつあります。「ビジネスに親和性の高いSNS」「特定の目的を持って利用するSNS」や「特定の国や地域にローカライズされたSNS」など、世界には日本人が知らない優れたSNSが多く存在します。
そこで本記事では、日本人ではあまり知られていない、「海外のSNSプラットフォー、28選」を一挙に紹介します!
「海外のSNS、28選」
1.WhatsApp(アメリカ)
2009年創立されたアメリカ発のメッセージングアプリです。インターネットなどのIPネットワークを通じて無料でメッセージ、音声メッセージ、ビデオ通話、画像、位置情報、動画を送信することができます。
日本では「WhatsAppは知っているけど、日常的に使う?」という認識ではありますが、2023年、WhatsAppを利用する1日あたりのアクティブユーザー(DAU)は20億人を超えており、世界では非常に多くの人々が利用しています。現在は、30以上の言語に対応しており、アメリカ圏はもちろんのこと、欧州やアジアの地域でも多くの利用者を獲得しています。海外では、友人とのコミュニケーションはもちろん「企業⇔個人」のやり取りも、WhatsAppが日常的に利用されています。
WhatsAppのユーザー数が多い上位10か国は以下の通りです。
- インド:4億8,750万人
- ブラジル:1億1,850万人
- インドネシア:8,480万人
- アメリカ:7,960万人
- ロシア:6,700万人
- メキシコ:6,000万人
- ドイツ:4,920万人
- イタリア:3,690万人
- スペイン:3,220万人
- アルゼンチン:2,650万人
人口の多いインドやブラジルのユーザー数は上位に来ていますが、2021年「香港・シンガポール・マレーシア」(どれも人口は少ない)では、WhatsAppダウンロード数が大幅に急伸しています。
WhatsAppを利用したい企業は、WhatsAppのビジネスプラットフォームを利用することで、顧客サポート、情報発信などをさまざまなサービスを提供することができます。大企業中向けプランWhatsApp Business Platform は、顧客サポートを提供したり、顧客への通知などを送信することが可能です。また、中小企業向け WhatsApp Business App(無料)では、自社の製品・サービスのカタログを作成したり、メッセージ応答などが可能です。
企業規模によって異なるサービスが利用できるため、目的に合った活用をおススメします。
2.WeChat(中国)
2011年、テンセントによって開発された中国のインスタントメッセンジャーアプリです。開発当初はWhatsAppやFacebookメッセンジャーのようなメッセージングアプリでしたが、現在は日常生活のあらゆる機能を搭載した、オールインワンプラットフォーム(スーパーアプリ)に進化しています。
特定の人物とのメッセージ交換、オンライン通話はもちろんのこと、オンラインショッピング、請求書の支払い、送金、タクシーの予約など幅広い機能を有しています。企業はWeChatに公式アカウントを開設することで、コミュニティーで情報を発信しが可能で、中国人をターゲットにマーケティングを進める際に重要なSNSとなっています。
2023年1月の月間アクティブユーザーは、13億人を突破しています。FacebookやInstagram、Twitterなどが禁止されている中国で、独自発達したSNSの1つです。
3.LinkedIn(アメリカ)
「LindedIn」は、アメリカ発のビジネスに特化したソーシャル・ネットワーク・サービスの一つで、世界最大のプロフェッショナルネットワークです。さらなる進歩を追い求める世界中のビジネスマンをつなぐ役割を果たしています。
日本では「LinkedIn=転職活動・英語」という印象が根強く残っており、ユーザー数はまだまだ数百万人程度に留まっていますが、世界に目を向けてみると世界中のビジネスに関心が高い人たちが各業界の専門家と繋がる重要なソーシャルネットワークとして、既に多くの国で浸透してきています。2023年6月現在、ユーザー数は9億3000万人を突破し、200の国と地域、26言語に対応しています。
広告配信を行う際は、ユーザーが登録している学歴・企業・業種・保持している資格などのデータを活用することができるため、狙いたいターゲットを絞って効率よく広告運用ができるため、他のSNSと比べてLinkedIn広告はコンバージョン率が高い傾向にあります。そのため、企業のグローバルマーケティングにおいても非常にポテンシャルの高いツールとなっています。
(現在中国ではLinkedInが利用できなくなりました。)
4.Viber(イスラエル→日本)
イスラエル発のViberは、ユーザーに無料で通話・メッセージ・写真・動画などを送信することができる、クロスプラットフォーム機能を備えたVoIP及び、メッセージアプリです。すべてのメッセージ、写真、ビデオ、通話は、エンドツーエンドの暗号化によって保護されるため、安全性の高いメッセージング アプリとして知られています。元々はイスラエルの会社が設計したアプリでしたが、現在は楽天の子会社となっており日本語での利用も可能です。
日本国内では「LINEかViber」が比較対象となりますが、海外では「WhatsAppかViber」という議論がよくなされます。WhatsAppは非常に多くのユーザーを獲得していますが、機能性・安全性に関してはViberの方が優れていると言って良いでしょう。Viberでは、通話やテキスト送信はもちろんのこと、PINを使用して個々のチャットを保護したり、シークレットチャットオプションを選択すると、送受信したメッセージは一定時間内に確実に削除され、転送したり、コピーしたり、スクリーンショットを撮ることも出来ません。さらに、Viberにはさまざまなゲーム機能があり、コミュニティが構築されており、活発にコミュニケーションがなされています。
2011年に1000万人だったユーザー数は、2022年には13億人に達し、月間アクティブユーザーは2億5,000万人が利用しています。現在、Viberを利用するビジネスアカウントは8,500以上に達しています。Viberも13歳未満は利用できず、一部のサービスでは16歳未満のアクセスも制限されています。
5.Telegram(ロシア→トルトラ島)
Telegramは、上記で紹介したVKと同じ創始者ニコライ・デゥーロフとパーヴェル兄弟が2013年に立ち上げた会社が開発したメッセージアプリです。このSNSはLINEのようにメッセージや電話の送受信を目的として多くの人に利用されています。LINEと同様にステッカーと呼ばれるスタンプの送受信も可能で、ダウンロードはなんと全て「無料」です。更にこちらのステッカーはサイトからダウンロードするだけでなく、自分で作成することも可能です。審査もないため誰でも簡単にステッカーを作成することができます。さらに、Telegramではコミュニティを作成することができ、1つのコミュニティにつき20万人が参加できることから、情報発信をする際に非常に効果的なSNSとして知られています。
また、メッセージが暗号化して送られるほか、SnapChatと同様に一定時間で消滅するメッセージ機能も搭載されているため、安全性が高いSNSとしても知られており、現在は新作商品を紹介する企業や仮想通貨などのトレード情報のやりとりを中心に利用されています。
2021年のコロナ禍ではWhatsAppのプライバシーポリシーの変更で、安全性に不安を抱いたユーザーがFacebook系アプリを離れ、一斉にTelegramに移ったという騒動がありました。(そのおかげ?で)2021年1月1日~12日間で2,500万人の新規ユーザーを獲得しています。
Telegramの月間アクティブユーザーは2023年時点で7億人を突破し、年末までに10億人を超えると予想されています。デイリーアクティブユーザーは5,520万人です。また、18歳~24歳が全体の22%、25歳~31歳が31%ほどを占めています。
6.Snapchat(アメリカ)
近年日本でも人気が高まってきたSnapChatは若者の間で急激に人気の高まっているSNSの1つです。
カメラで撮影した写真や動画を友達に共有するチャットアプリで、投稿した画像や動画は1秒~10秒で消去されるという独自の仕組みが若者にウケています。メッセージに時間制限があることから、通常のSNSよりもドキドキわくわく感を味わうことができるとの理由で人気に火が付き、若い世代のブームとなりました。
近年は、既に人気の高かったアメリカやヨーロッパ以外の国で、大幅にユーザーを獲得しており、2023年1月時点で月間アクティブユーザー(MAU)は7億5,000万人、デイリーアクティブユーザーは3億7,500万人を突破しています。その中でもインドはユーザー最も多く1億4,435万人、アメリカ1億794万人、フランス2370万人と圧倒的にインド、アメリカが大きなシェアを占めています。
SnapChatユーザーのほとんどが18歳~24歳で、39%を占めています。男女の割合は男性47%女性52%程度となっています。
7.QZone(中国)
日本では馴染みがありませんが、中国版のFacebookといわれるのが「QZone」です。
2005年に創設されたQzoneは、SNSとブログを組み合わせたもので、ユーザーは写真や動画、音楽付きコンテンツなどを共有したり、ブログを投稿したり、興味のあるページをフォローして最新の情報を獲得したりすることができます。さらに近年、アバターを作成できる「QQ Show」など、他のユーザーとアバターを通して対話できる機能や、ユーザーが友達と一緒にプレイできるソーシャルゲームにも注力しており、仮想空間上でのバーチャルアイテムが購入・送信できるサービスも始まっています。
WeChatが登場するまで、Qzoneは中国最大のソーシャルメディアでした。2023年現在でも、月間アクティブユーザーは6億人に達しています。
Qzoneは中国で多くのユーザーベースを保持しているため、企業やブランドはターゲットを絞った効果的なマーケティング施策を実施することが可能です。効果的に活用することで、自社のブランド認知を高め、ユーザーとの繋がりを構築し、中国市場での成長を促すことが出来るでしょう。
8.Pinterest(アメリカ)
Pinterestは2009年に米国でスタートした、世界で人気のソーシャルメディアの1つです。月間アクティブユーザー(MAU)は4億6300万人(2023年3月)を超え、その数は今でも急速に増え続けている人気のソーシャルメディアです。
Pinterestの大きな特徴は、主に画像や動画等のコンテンツを検索する「ビジュアル検索プラットフォーム」であるという点です。Pinterestは「何かを発信する」というよりも、「情報を収集する」ことに焦点を当てています。ユーザーが発信した画像や動画を「ピン(収集)」することで、自分が興味ある写真や動画だけを集めたオリジナルページを完成させることができます。未来のために情報を収集することに重点が置かれており、画像や動画に特化した検索エンジンの一種とも言われています。
PinterestはInstagramやTwitterと比べると日本国内においてはあまり馴染みがないかもしれませんが、世界では多くのブランド・企業がデジタルマーケティング施策として積極的にPinterestを活用しています。Pinterestは世界で最も人気のあるプラットフォームではありませんが、マーケターにとって非常に可能性の秘めたツールなのです。
2023年1月時点での男女比率は女性ユーザーが76.2%、男性ユーザーが17.2%で、残りの6.6%は未特定でした。他のソーシャルメディアと比較してもPinterestは女性ユーザーが男性ユーザーよりも圧倒的に多いのが大きな特徴です。
9.Reddit(アメリカ)
アメリカ発の2ちゃんねるといわれているのが「Reddit」です。2ちゃんねる同様に利用者がサブレディットと呼ばれるトピックベースのスレッドを立て、興味がある人々が自由に書き込める仕組みです(一定の条件を満たしたサブレディットのみがスレッドを立てることができます)。また、他ユーザーが投稿したコンテンツに対して、「賛成・反対」を投じることができるため、活発な交流を生み出しています。
Redditはユーザーが相互にコミュニケーションをとることを推奨しており、コミュニティ育成を目的としたソーシャルメディアです。アルゴリズムは非常にシンプルな仕組みによって機能しており、エンゲージメントが高い(賛成が多い)投稿は、サブレディット内でより多く表示され、エンゲージメントの低い(反対が多い)投稿は表示が減るという仕組みになっています。
スレッドは雑談目的でも利用されていますが、現在注目されているのはマーケティング目的の利用で、「Reddit」を利用してアンケートの協力を仰いだり、商品レビューの情報を集めたりすることができることから、企業の参入も増加しています。
月間アクティブユーザーは4億3,000万人以上、2022年Q4のデイリーアクティブユーザーは5,700万人以上です。ユーザーの47%以上がアメリカが占めており、続いてイギリス7.48%、カナダ7.36%、オーストラリア4.15%と続きます。
10.VKontakte (VK)(ロシア)
「VK」と呼ばれることが多いロシアで最も人気のSNSである「VKontakte(フコンタクテ)」。
2006年からサービスが開始され(Facebookよりも古い)、ロシアのFacebookと呼ばれ、特定の友達やグループとのメッセージ交換や公共へのメッセージの発信、コミュニティの作成など、多様な機能が利用可能です。近年ではゲーム機能が追加され、プラットフォーム上でゲームをプレイすることも出来るようになりました。
カザフスタン、ベラルーシ、ラトビア、モルドバなどの旧ソ連諸国の国々から人気を集めており、大きな存在感を示しています。当初はロシア語のみでしか利用できませんでしたが、現在では90を超える言語に対応しています。2022年Q4時点での月間アクティブユーザーは1億170万人で前年比9.6%増加しました。ユーザーの54%が毎日プラットフォームにアクセスしており、非常に人気が高まっていることが伺えます。
VKontakteはWeb3テクノロジーにも注力しており、ニューラルネットワークにより、簡単にユーザーの顔を有名人の顔に置き換えることができたり、NFT取引が可能です。
11.Discord(アメリカ)
Discordは2015年にローンチしたコミュニティープラットフォームです。創立当初は、ゲーマー向けのコミュニティアプリでしたが、その後、チャットアプリとして方向転換。2021年9月時点で月間アクティブユーザーは1.5億人を誇る、メジャーなチャットコミュニティーとしての地位を築いています。Discordではゲーム実況をライブ配信することができ、そこでホストやユーザー達がチャットを通じてコミュニケーションを図ることができます。
Discordの特徴はライブ配信内で広告表示がないことです。その代わりに、ゲームブランドは自社ゲームタイトルのチャンネルを開設することによってユーザーとの接点を作っています。企業はゲームプレイのコツや新しい情報を提供しユーザーとの繋がりをより、深めロイヤリティを高めています。製品に関するユーザーからのフィードバックをダイレクトに収集することでサービス向上へ繋げることができるのです。
日本語でも利用可能です。
12.Tumblr(アメリカ)
2007年に創立された「Tumblr」は、アメリカのYahoo!によって運営されているSNSとブログを融合したようなウェブログサービスです。2011年から日本でも利用可能となりました。ブログはテキスト、写真、音声、動画などで投稿することができます。また、他のSNS同様にお気に入りボタンや他の人をフォローできる機能も備えています。InstagramやFacebookのようにフィード機能もあり、ブログやその他のコンテンツをフォロワーと共有するリブログの機能もあります。
Tumblrは地域によって利用できる年齢が異なるため、注意が必要です。一般的な利用最低年齢は13歳ですが、欧州連合または英国では16歳、Tumblr Liveや投げ銭機能などは、18歳以上でないと利用することは出来ません。月間アクティブユーザーは1億3500万人、1日の投稿件数は8800万件に上ります。若者が多くアクティブユーザーの48%はZ世代が占めています。
18言語に対応しており、デザイン性に優れたブログやウェブページが簡単に作成できると世界では話題になっていますが、日本での利用者はまだまだ少ないようです。
13.Badoo(ロシア→イギリス・キプロス)
Badooは新しい人との出会いを提供するSNSで、ロシアで創設された後、現在はイギリスのロンドンとキプロスに拠点を移しています。世界190カ国で運営されており、47言語で利用することができるため、世界中で幅広く利用されているコミュニケーションアプリの1つです。
Badooを利用することで、同じ趣味を持つ世界中の人々と容易に繋がったり、位置情報を活用して近くに住む人々とコミュニケーションを図ることができます。チャット機能はもちろんですが、ビデオチャット機能も搭載しています。そのほか、マッチングを行ったり、写真・動画などを投稿する機能もあります。
Badooでは、写真認証サービスが義務付けられており、自分の写真を使用する必要があるため、「会ってみたら全然違った!」ということはないようです。現在、3億8,000万人以上のユーザーがおり、そのユーザーの多くは10代後半と非常に若い年齢層であることが大きな特徴の1つです。
14.Flickr(カナダ)
2004年にカナダの企業によって創立されたFlickrは、写真の「共有・保存・整理」を目的としたコミュニティサービスです。2005年Yahoo!によって買収されました。
ユーザーは気に入った写真や動画をアップロードし、友人や家族など幅広いコミュニティに共有するためのさまざまな機能とツールを有しています。各ユーザーに1TBの容量が準備されており、高性能カメラで撮影した画像も容易にアップロードできることから、多くの写真好きに利用されています。
現在63カ国の人がFlickrを利用しており、登録しているフォトグラファーは1億人以上、月間ユーザー数は6,000万人以上に達しています。Flickrの創業者であるダニエル・スチュワート・バターフィールド氏はビジネスコミュニケーションツール「Slack」の共同創業者の1人です。
15.Yubo(フランス)
Yuboは2015年にサービスを開始したフランス発のライブ配信プラットフォームです。Yuboでは動画によるチャットを通じて他者と交流し、フレンドに追加したユーザー間でライブチャットを通じで対話することができます。
現在40ヶ国で利用が可能で、6000万人以上のユーザーを獲得しています。フランス発のサービスですが、米国とカナダのユーザーが全体の60%を占め、アクティブユーザーのほとんどは英語を母国語としています。コロナが始まった2020年初めには、デイリーアクティブユーザー数が3倍に増加しました。
Yuboは10代の若者層から多くの支持を得ています。その理由として、“安全性”に重点を置き、多額の投資を実施してきました。投稿されたコンテンがコミュニティーガイドラインに沿っているかどうか、人と独自アルゴリズムで24時間監視しています。電話番号等の個人情報をチャットで公開するとポップアップによってアラートを通知する機能も提供しています。ユーザーはSafety Hubという機能を利用して通報や質問することもできるようになっています。
Yuboはブランドに広告枠を提供していません。Yuboの存在は安全性やプライバシーに対するユーザーからの期待を反映しています。
16.DeviantArt(アメリカ)
DeviantArtは、アートに特化したSNSです。アーティストやアート愛好家に向けたオンラインギャラリーで、歴史は古く2000年に設立されました。ユーザーは自ら作成したイラストやムービーを投稿することで、アートに興味のある人から多くの意見を集めることができます。また、企業がDeviantArtを通してデザイナーを見つけ、仕事に繋がる例も多々あるようです。
DeviantArtは、世界最大のオンラインアートコミュニティの1つで、年間3,600万人以上が利用し、3 億 5,800 万枚以上の画像がアップロードされています。また、近年ではDeviantArt Stable Diffusionを利用したAI画像生成ツール「DreamUp」をローンチしました。また、オンライン上でのアートの権利を適切に保護するため、人的監視とAIを活用した独自のテクノロジーを(NFT)使用して権利侵害を特定するDeviantArt Protectという自社の取り組みを開始しています。
17.Nextdoor(アメリカ)
2008年、アメリカで設立されたNextdoorは、ご近所の人々と出会うことを目的に設計されたSNSです。実際の位置情報を元にユーザーの住んでいる”ご近所さん”でコミュニティを作り、何かトラブルが起こった際に近隣に住む人々に助けを求めたり、ご近所コミュニティでイベントを開催したりと、地域コミュニティが強く安全な関係を築くことを目的としています。Nextdoorでは、近所の人たちと出会うため、プライバシーには特に重点を置いており、登録するためには実名での登録やクレジットカードの登録、ご近所さんからの紹介などが必要です。
他のソーシャルメディアと同様にニュースフィードがあり、地元の情報を発信したり、イベントの告知、不審者情報の発信、地元企業から商品を購入したりも可能です。
現在は米国・イギリス・オランダ・ドイツ・オーストラリア・デンマーク・ドイツなど11カ国、30万以上の地域で利用されています。さらに、2019年に1000万人だったユーザー数は、2023年Q1の時点の週間アクティブ ユーザー(WAU)は 4,240万人、前年比 16% 増加に達しています。現在では、多くの公的機関や企業がNextdoorを活用して、地元コミュニティとの交流やブログ投稿などの情報発信源として利用しています。
Nextdoorには、企業やブランドが地域コミュニティとネットワークを構築するために、Nextdoor Businessというビジネスプランも提供しています。Nextdoor Businessを利用することで、ビジネスページの作成、投稿、広告集客などを活用して、新しい市場を開拓することができます。
18.The Dots(イギリス)
The Dotsはクリエイティブな仕事を通して、世界で活躍する人々を結びつけるSNSとして知られています。世界中の「枠にとらわれない」世界中のクリエイターたちが多く登録しており、それぞれのアイデアをThe Dotsで公開することで、お互いにインスパイアされる仕組みが出来上がっています。
The Dotsはクリエイティブ業界の「LinkedIn」とも言われており、メディア・音楽・ファッション・音楽・デザイン・写真・建築業界などの求人掲示板としても認識されています。クリエイティブな個人や企業が互いに作品を公開し、フォロー仕合い、ネットワークを構築することでコラボレーションが生まれ、商業的な機会に結びつけることを主な目的として運営されています。
19.Xing(ドイツ)
Xingはドイツ発のビジネスに親和性の高いSNSで、上記で紹介したLindedInと同様に、DACH地域(ドイツ・オーストリア・スイス)に多くユーザーを獲得しています。ドイツ語圏内のビジネスや専門コミュニティに興味関心の高いユーザーが集まるため、企業はマーケティング・販売・採用といった用途で自社をアプローチできる素晴らしい場所です。Xingユーザーの47%は、何らかの幹部職に就いておりDACH地域における意思決定者であるため、ヨーロッパでビジネスを展開する上では知っておきたいSNSの1つです。
Xingの広告オプションはLinkedInと非常に似ており、大きく3種類の有料プロモーションが用意されています。2023年、LinkedInのユーザー数は世界で9億人ほどに達していますが、DACH地域だけを比較した場合、Xingユーザーは1,900万人、LinkedInユーザーは2,000万人で、ほぼ同等です。
DACH地域で国際的な専門家をターゲットにしている場合はLinkedInという選択肢になるかもしれませんが、ドイツ企業、ドイツ語で絞る場合は、Xingを試してみる価値はあるかもしれません。
20.Skyrock(フランス)
Skyrockは、フランスに拠点を置くSNSの1つで、ユーザーがブログを作成したり、他の登録メンバーとメッセージのやり取りなどができます。もともと音楽サイトから始まった経緯から、自分で作成したオリジナル楽曲を紹介するためのスペースも用意されています。世界の主要言語での利用が可能ですが、ユーザーの多くはフランス人といわれており、フランス人の友達を作りたい人、またフランスでビジネスを考えている人に重宝するSNSです。
2008年には2,100万以上のユーザーを抱え、当時世界で7番目に大きなソーシャルメディアとしてランクされていました。現在でもユーザーは多く、2022年には1,380万人、ヨーロッパでは2番目に大きなソーシャルメディアとしての地位を確立しています。
21.MyHeritage(イスラエル)
MyHeritageは2003年イスラエルで創立された、家系図を元にコミュニケーションの機会を提供するSNSです。身近な親戚はもちろんのこと、連絡や関係が途絶えてしまった親族の情報を得たり、はるか昔に関係していた人々の情報を得たりすることができます。また、写真をアップロードすることで、個人の顔の特徴を認識して個人を特定する顔認証システムを導入しています。さらに、2016年からはMyHeritage DNA という消費者向けDNA検査キットの販売も行っており、死亡証明・歴史的記録・軍事記録やそのほかの文章を電子的に検索できるようになりました(有料プラン)。
MyHeritage は、Family Searchとも連携しており、アメリカにおける20億以上の歴史記録から情報を取得することも可能としています。現在は、世界の大部分の家系図データ・世界最大のヨーロッパの歴史記録データベースを保有しています。
22.Polywork(アメリカ)
Polyworkは2021年にローンチしたビジネス向けプロフェッショナルネットワークの交流を目的としたSNSプラットフォームです。役職名や学歴では語れない個々の能力や役割にスポット当てるというアイデアのもとにPolyworkはスタートしました。
ビジネス向けソーシャルメディアの代表格として「LinkedIn」がありますが、LinkedInが履歴書をベースとしたコミュニティであるのに対し、Polyworkはユーザーがプロジェクトや活動などを共有できる動的なコミュニティを作り上げています。ユーザーは他のユーザーと交流することで新しいプロジェクトやサイドビジネスに参加する機会を得ることができます。Space Stationという機能を設けユーザーはどのようなプロジェクトや役割として参加できるかを公開し新しいビジネスチャンスを獲得することができます。
Polyworkはまだテスト段階であるため承認制となっています。参加したい場合は、こちらからTwitterでフォローしてウェイティングリストに参加するか、既存メンバーからの招待を受ける必要があります。
23.QQ international(中国)
テンセント社が提供する中国、メッセージングアプリ「QQ」のインターナショナル版である「QQ international」は、中国の人々が海外に住む人々と連絡を取る際に積極的に利用されています。メッセージのやり取り、ビデオ通話、音声通話、ファイルを共有することが可能です。
WeChatや連絡先を追加することで、ユーザー同士のコミュニケーションが開始されます。さらに、コミュニティに参加することでコミュニティ内の他のユーザーとつながる機能があり、同じ興味や関心事を持つ知らないユーザーとコミュニケーションをとることができます。
また、インターナショナルという名前に相応しく翻訳機能が備わっているのも特徴の1つです。最新バージョンでは、チャットを即座に翻訳する機能なども利用することが出来ます。
英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、日本語、韓国語で利用することが可能です。
24.ReverbNation(アメリカ)
ReverbNationは2006年に設立されたSNSで、ミュージシャンがファンや業界の専門家と繋がるのに役立つ音楽ホスティングサービスを提供しています。ミュージシャンにとって従来のSNSだけの情報発信では、音楽関係者と繋がることは難しく、労力が必要でした。Reverbnationを活用することで、ミュージシャンは視聴者への露出が増加し、さらに音楽業界の専門家に自分のコンテンツを直接提供することができます。アーティストがキャリアを向上させるために必要なプロモーションツールと言っても過言ではありません。現在では、400万人近くの世界中のミュージシャンにサービスを提供しています。
アーティストにとって有難い機能が充実しており、新しい音楽や最新の情報をファンに届ける「Fan Reach」、視聴者から実際のレビューを聞くっことができる「Crowd Reviews」、事務所やレーベル、マネージャー、ショーの予約支援などが行える「Reverb Press Kit」、アーティストをターゲットにした広告が配信できる「Promote It」など、さまざまな機能が充実しています。
音楽好きや音楽関連業界の人々が多く登録しており、コミュニティでは音楽関連の話題がつきません。
25.Ravelry(アメリカ)
編み物、紡績、織物などの織物工芸に特化したSNSです。2007年に設立されて以来多くのファンを獲得し、「編み物のFacebook」と呼ばれています。登録ユーザーは900万以上、月間アクティブユーザーは100万を超えています。
織物工芸に関心のあるユーザーが登録しており、特徴的な編み物の作り方や、編み物に役立つ数々のツールを知る、又は、情報を発信するために利用されています。登録者同士の交流も可能で、熱心な編み物愛好家が多く集まるコミュニティとなっています。商業利用も可能であり、個人が作った商品の販売、原材料の販売なども行われています。
現在は米国・イギリス・オランダ・ドイツ・オーストラリア・デンマークなど11カ国、26万の地域で利用されています。ユーザー数は1000万人以上です。世界中の多くの公的機関や企業も Nextdoor を活用しており、地元コミュニティとの交流やブログ投稿などの情報発信として利用されています。広告を出稿することも可能です。
26.LiveJournal(ロシア)
LiveJournalはアメリカ発→ロシアの企業が運営するSNSで、ブログを自由に作成し公開することができます。気になった人をフォローすることで更新情報をすぐに得られることに加え、興味のあるコミュニティに参加したり、メッセージをやり取りしたりすることもできます。
LiveJournalのユーザー数は全盛期と比較すると減少していますが、以前と月間ユーザーは1500万人ほどが訪れています。
27.Taringa!(アルゼンチン)
Taringa! はアルゼンチン発のSNSで、ラテンアメリカで2番目に大きいSNSです。Redditと同様に利用者が自由にトピックを立て、トピックに興味を持った人たちが自由に書き込みをすることができます。利用者の多くはアルゼンチン・スペイン・コロンビア・チリ・ペルー・米国のラテン系コミュニティで、スペイン語圏の人々です。
Taringa!では、ユーザーは自分でコンテンツを作成し、コンテンツを投稿することができます。コミュニティからのコメント、ポイント、お気に入り機能があり、最も評価の高いコンテンツは、Topsと呼ばれる特別なセクションで紹介される仕組みがあります。また、コミュニティ内ではユーザー同士で会話したり、情報、アイデア、クリエイティブコンテンツなどを共有する機能を実装しています。
2011年、法的トラブル、2017年に2800万アカウントの漏洩などトラブルが続いたTaringa!は、2019年IOVLabsに買収されました。近年Taringaバージョン8が公開され、ビットコインやブロックチェーンテクノロジーの統合に向けて重要なスタートを切っています。
28.Tagged(アメリカ)
Taggedは、アメリカ発の新しい出会いを提供するオンラインコミュニケーションアプリです。自分のプロフィールと「友達・仕事仲間・恋人」などの求める出会いの形を登録することで、マッチした相手を自動的に探し出し紹介します。現在様々な出会いを提供するSNSが多くリリースされていますが、その先駆けとなったSNSと言っても過言ではありません。
アカウント開設後、自分のプロフィールページを作成し、趣味や経歴などを投稿したり、写真をアップロードしたり、ユーザー同士でメッセージのやり取りを行うことができます。また、ゲーム機能も実装していて、ゲームを通じて新しい友達を作ることが推奨されています。
現在は英語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、マレー語に対応しています。
2017 年 4 月 3 日、同社はThe Meet Groupに買収されました。
さいごに
FacebookやInstagram、TwitterやLINEなどの他にも、世界には多くのSNSが存在していることがお分かりいただけたかと思います。これらのSNSの中には、独自性を持たせたりローカライズしたりすることで人気を獲得し、ビジネスに積極的に活用されているものもが多く存在します。
今後の海外マーケティングにおいては、これらのSNSをいかに効果的に活用するかが成功を握るカギとなるでしょう。SNSを活用した海外マーケティング施策にご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問合せ下さい。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。