東南アジア・タイの「ローカルメディア大特集」
日本人が知らない⁈独自に進化するタイメディア
近年タイのデジタル事情は環境・情勢ともに大きく変化しています。
2015年からタイ政府がデジタル経済の発展を推進する「タイランド4.0」の影響などもあり、タイでは急速にインターネット環境の整備が進んでいます。
その変化に伴い、ここ10年でタイのインターネットの使用率は年々利用者数が増加し、独自のウェブメディアが発達してきました。タイ人が普段の生活の中で利用するメディア以外に、日本旅行を計画するときや、タイ人向けに日本の情報を発信する「日本に特化したウェブメディア」などが存在します。
さらに、2023年タイからの訪日観光客数は、アメリカに次ぐ「第6位」の、99万5,500人でした。想像以上にインバウンド需要も高まってきているようです。(JNTO_日本政府観光局)
そこで今回は、2024年、押さえておきたいタイで人気のウェブメディアとその特徴をご紹介します。今後のインバウンド需要も見据えて、特徴を押さえ、タイマーケティングに効果的に活用しましょう!
タイで人気のローカルメディア、7選
1.Pantip(パンティップ)
Pantip(パンティップ)は、タイでトップのオンラインコミュニティサイト、オンライン掲示板の1つです。
旅行、スポーツ、政治、食べ物、IT、ビジネス等々ほとんどのトピックが揃っており、タイ人が日本旅行の情報収集の際に使用する人気のオンライン媒体の1つです。
1996年に設立されたPantipは、2023年12月時点で、タイで最もアクセスされたウェブサイト「第5位」にランキングされており、12月は1億4,230万セッションほど流入がありました(Semrush調べ)。Pantipは長年愛用されており、過去には、Lonely Planet から「Best Travel Website in Thailand」を受賞しているなど、今やタイ人の生活に欠かせないものになっています。
タイで最もアクセスされたウェブサイト、2023年12月
- YouTube:27億6,076万/visitor
- Google:21億6806万
- Facebook:3億6,638万
- Xvideos:1億4,562万
- Pantip:1億4,230万
タイでは、何かの「口コミ・レビュー」などを調べたい時に、検索窓に「○○ Pantip」と、Pantip の前に調べたいキーワードを入れて検索します。例えばブランド名・商品名・ホテルの名前・場所などです。
2024年2月時点でよく検索されている2語のキーワードは、「kpop pantip」や「bnk48 pantip」でした。(Semrush調べ)
公式サイト:https://pantip.com/
Facebookファンページ:https://www.facebook.com/pantipdotcom
2.Sanook(サヌーク)
Sanook(サヌーク)はタイで長年愛されているウェブポータルサイト及び、ニュースサイトです。タイ語で「楽しい」という意味で、「サイトを訪れるユーザーの皆様、楽しんでください!」との思いを込めて付けられた名前だそうです。
その歴史は古く、1998年にPoramate Minsiri 氏が、趣味として始めたウェブサイトでしたが徐々に人気が高まるにつれて、さまざまなコンテンツを追加し、現在ではタイで人気のウェブメディアの1つとなりました。2010年に中国大手Tencent(テンセント)に買収されてからは、社名を 「Tencent(Thailand)」へ変更していますが、Sanookという名前はそのまま運営されています。
Sanookの月間アクティブユーザーは3000万人以上と言われており、2023年12月は5,253万セッションの流入がありました(Semrush調べ)。Sanook の特徴と言えば、豊富なコンテンツです。例えば最新のニュース、宝くじ(の結果)、占い、映画、ドラマ、音楽、サッカー(試合結果、分析)、健康など豊富なコンテンツが人気です。
Sanook公式サイト:https://www.sanook.com
3.Kapook!(カプック)
Kapook(カプック)はピンク色の豚さんと鮮やかなグリーンがシンボルでタイではお馴染みのウェブメディアです。正式表示は「K@POOK!」。
KapookはSanookと同じくPoramate Minsiri氏がポータルサイトとして2000年に設立しました。Kapookは 幅広い年齢層をターゲットにしたサービスを提供しています。現在の主なカテゴリは話題のニュースやエンターテイメント、ライフスタイル、ショッピング、バラエティ、スポーツなどです。レシピを検索したときはKapookが多く上位に表示される傾向にあります。日本のレシピサイト「Cookpad」のようなイメージで利用されていたりもします。
Kapookの月間ユーザーは3,400万人に上ります。また、年齢層も幅広く24歳~60歳のユーザーが67%を占めており、そのうちの81%が再訪問ユーザーです。
企業やブランドは、ディスプレイ広告や動画広告、ネイティブ広告などの広告出稿が可能なほか、サイト内に公式Facebookファンページを開設・運用して、ブランドイメージの構築を図ったりと、さまざまなマーケティング施策を実施することが可能です。
Kapook公式サイト:https://www.kapook.com/
4.Tiewyeepoon(ティアゥイプン)
Tiewyeepoon(ティアゥイプン)はタイ語で“日本旅行”と言う意味です。その名の通り日本旅行のためのサイトです。2017年にJNTOのJapan Tourism Awardで Outstanding Japan Tourism Contents Awardの部門を受賞しています。タイ人訪日観光客が、日本旅行に行く旅マエの情報収集などによく利用されているウェブメディアです。
月間PVは60万PVほどを獲得しており、タイ人に最も人気のSNSであるFacebookの公式ページは、28万人のフォロワーを獲得しています。女性ユーザーの利用が多い傾向があります。
企業やブランド向けに広告枠も多く設けられています。
Tiewyeepoon公式サイト:www.tiewyeepoon.com
Facebookファンページ:www.facebook.com/tiewyeepoo
※JNTO:日本政府観光局 – Japan National Tourism Organization
5.Talonjapan(タロンジャパン)
Talonjapan(タロンジャパン)はタイ語でこちらも“日本旅行”と言う意味です。
TiewとTalonは日本語に翻訳するとどちらも“旅”を意味しますが、Talonの方が話し言葉のため、もっとカジュアルな印象を受けます。
このサイトももちろん日本旅行のための情報が豊富に掲載されており、メインカテゴリは、日本の観光スポット、ショッピング、日本全国の美味しいもの、日本一周プログラム、宿泊施設など、日本人でも知らない情報が各地の美しい写真と共に盛り沢山です。
Talonjapanの月間PVは40万pvほどの流入があり(自社Semrush調べ)、加えて、Google検索経由でもtalongjapan内のコンテンツが上位表示されることから、コンテンツ戦略と相性がよく、さらに広告枠も用意されているため、企業やブランドにとって、旅マエアプローチができる優れた媒体と言えるでしょう。TalonjapanにもFacebookのグループコミュニティがあり、現在15万人のフォロワーを獲得しています。
Talonjapanサイト:https://www.talonjapan.com/
Facebookファンページ:https://www.facebook.com/TalonJapan/
Facebookグループ:https://www.facebook.com/groups/talonjapangroup/
6.Chill Chill Japan(チルチルジャパン)
2015年に開設されたChill Chill Japanも、タイ人向けに日本旅行情報を発信するウェブメディアです。Chill chillはタイ語で「カジュアル、簡単、リラックス」と言う意味で、Chill chill japanは簡単に気軽に日本旅行をしようという意図が込められています。
月間65万UU、150万PVほどの流入があり、人気の高さが伺えます。現在は日本企業が運営していて、旅マエはもちろん、旅中のタイ人も多く利用しているそうです。
現在Facebook公式ページには、19万人のフォロワーを獲得しています。
Chill chill japan公式サイト:https://chillchilljapan.com/
Facebookファンページ:https://www.facebook.com/chillchilljapan/
7.Marumura
Marumuraは日本旅行に特化したウェブメディアというわけではなく、日本文化・歴史・日本の生活・社会・ドラマ・エンタメ・星占いなど、幅広い日本の情報が掲載されています。日本が大好きなタイ人向けのウェブメディアです。
公式Facebookページには30万人のフォロワーを獲得しています。また、Marumuraが運用しているFacebookコミュニティ「ไม่ใช่กรูรู แต่กรูรู้ ของถูกในโตเกียว /(達人じゃないけど、東京が物価が安いことは知ってるよ~)」も、29万人のフォロワーを獲得しており、日本旅行時のリアルタイムな感想・情報などが随時アップされています。コミュニティの運用が非常に上手くいっている好例です。
このコミュニティを観察すると、タイ人観光客が何を求めているかのヒントになるかもしれません㊙ それにしても、東京の物価が安いと言われる日が来るとは……😢
Marumura公式サイト:https://www.marumura.com/
Facebookファンページ:https://www.facebook.com/marumuradotcom/
まとめ
タイで人気のメディアとタイ人向け日本情報が得られるメディアの紹介をしました。タイでは日本に興味を持っているタイ人が多くおり、日本旅行も大人気。そのため、日本情報のみを扱っているメディアが複数あるのが特徴です。
タイ向けにどのような情報が配信されているのか、どのようなコンテンツが人気なのか、傾向を覗いてみてはいかがでしょうか?
インフォキュービック・ジャパンでは、Pantipをはじめ、タイで有力なデジタル媒体を用いたグローバルマーケティングがご支援可能です。日本から世界に向けたデジタルマーケティングでお困りごとがございましたら、お気軽にお申し付けください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。