中国「WeChatミニプログラム(小程序)」とは?
~基本的な使い方・機能をご紹介~
WeChat「ミニプログラム(小程序)」使い方と機能
ユーザー推移と注目すべき今後の成長は?
皆さんのスマートフォンにはアプリがいくつダウンロードされていますか?便利なアプリがどんどん増加してどんどんダウンロードしているうちに、スマホ画面がアプリでいっぱい!そんなスマホを持ちあるいている方も多いのでは?
スマホには容量というものが存在し、1つのスマホではアプリを無限にダウンロードしていくことは難しいのが現状です。また、アプリにはバージョンがあり、日々アプリは進化します。そしてその都度アップデート。正直、面倒くさいと思っている方も少なくないのではないでしょうか?
普段使う通話・チャット・SNS・ショッピング・予約・ゲーム・決済、支払など全ての機能が1つのアプリの中で、できるとしたら?新しくアプリをダウンロードする必要もなく、容量も気にしなくていいとしたら?
そのような便利なアプリ、コンテンツが中国には存在するのです。それが中国で大人気のチャットアプリ「WeChat」内のコンテンツとして、2017年1月にリリースされた「ミニプログラム(小程序)」です。
今回は「ミニプログラム」の基本的な使い方と、今後の進展予想についてお伝えしていきます。
ミニプログラム(小程序)とは?
「ミニプログラム(小程序)」はWeChat内のコンテンツを、ダウンロードやインストールせずに閲覧利用できるアプリ内アプリです。通常のモバイルアプリと同様の位置づけですが、「アプリ」という呼び方はAppleとの差別化をするためにWeChatでは「ミニプログラム」という呼び方をします。
ミニプログラムでは様々な情報収集はもちろん、ゲームやショッピング(EC)、チケット予約、配車、デリバリー、飲食店での注文から決済、最近ではオンライン診断など、様々なシーンで活用する事ができます。
例えば、ショッピング。買い物へ行く前にWeChatのミニプログラムを検索すると、位置情報から現在地から一番近い店舗が表示されます。ミニプログラムの注文画面からオーダーし、WeChatPayで支払いを完了させておけば、店舗では商品の受け取りだけで買い物を終える事が出来ます。
今回の新型コロナウィルスの影響により外出制限がかかる中、中国では多くの人々がミニプログラムを活用しました。2020年1月~2月にかけ800個以上の医療用ミニプログラムが誕生し「オンライン診断アプリ」や、健康状態を示す「健康格付けアプリ」がリリースされ、行政、医療、教育関連ミニプログラムは大幅に人々に浸透しました。また、厳しい外出規制がひかれた中国国内において「生鮮食品の取引額」も大幅に増加し、ミニプログラムを活用した「EC販売」の取引件数も322%増加しました。
<参照:中国最新EC市場データ!>
中国人にとっての「WeChat/微信」は、日本人にとってのLINE以上に「普段の生活に無くてはならないツール」となっています。
WeChatミニプログラムの使い方・機能
WeChatミニプログラムを利用するには、WeChat内で「検索」するか、「QRコード」をスキャン、又は友人から「シェア」されたりすることでアクセスすることが可能です。
通常のアプリとは違い、アプリストアからのダウンロード・インストールの必要がなく、アプリの更新や容量管理なども必要ありません。
では実際どのように使用するのか、画面を見てみましょう。
WeChatアプリを開いて「発見」の部分に「ミニプログラム(小程序)」があります。
一番初めに「附近的小程序(近くのプログラム)」と以前に見たミニプログラムの履歴がずらっと表示されます。右上の虫眼鏡部分から検索も可能です。
下記はミニプログラムの一部です。
WeChatミニプログラムの最新のユーザー推移
年末から続く新型コロナウィルスの影響により、WeChatはユーザー数がさらに急増しました。
WeChatの月間アクティブユーザー数は2020年3月31日時点で12億人を突破し、WeChatミニプログラムの月間アクティブユーザーは8.49億人にまで達しています。(中国の人口が2020年現在で13.9億人)
<出典元:Quest mobile>
MAU(マンスリーアクティブユーザー)が100万を超えるWeChatミニプログラムの数も前年比+53.9%増と大幅に増加しています。
<出典元:Quest mobile>
このうち、DAU(デイリーアクティブユーザー)が1000万をこえるミニアプリは100個を突破しています。
WeChatミニプログラムの今後とは?
新型コロナウィルスの影響も追い風となり、中国人にとっての「WeChat/微信」は、日本人にとってのLINE以上に「普段の生活に無くてはならないツール」となった現在、ミニプログラムを活用したマーケティングは必須の施策となってくるのではないでしょうか?
今後、ミニプログラム×ライブ配信やAIなどを活用したサービスが開発されると予測もされています。中国で大手のWeChatミニプログラムやAlipayミニプログラムなどのデータ分析企業「阿拉丁(aldwx.com)」の創始者Shi Wenlu氏は「2020年はミニプログラム時代の幕開け」と述べており、「WeChatの検索と多機能ミニアプリが中国インターネットを変える」とまで述べています。
人々が新たな行動変化を求められた際には、新たなビジネスが急成長する絶好の機会であり、今回の新型コロナウィルスにより急速に勢いを拡大する「WeChat」。今後、ますますミニプログラムを活用したデジタル戦略を実施する企業が増加すると予想されています。
まとめ
中国国内では大手コーヒーチェーンや大手ファーストフードなどを始め、行政・医療・教育分野での導入がスタンダードとなりつつあるWeChatミニプログラム。日本人にとっての「LINE」以上に中国の人々の生活の一部となっています。さまざまな機能・アイデアを駆使して、自社にしかできないマーケティング活用法を見つけることは、中国市場攻略の近道となるでしょう。
「自社に中国人スタッフはいないけど、マーケティングで中国市場を狙いたい」とお考えでしたら、ぜひ私たちにお申し付けください。
チョウ テンキョウ
中国の大学を卒業後、早稲田大学大学院に進学し修了。デジタルマーケティングの世界で活躍したいと思い、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在デジタルプロモーションチームのコンサルタントとして、Baiduや360のリスティング広告を中心に多くのアカウントを運用中。趣味は数学、物理と奈良旅行。