2024年動画戦略に役立つ!
「YouTubeをめぐる25の統計データ」
2024年動画戦略に役立つ
「YouTubeをめぐる25の統計データ」
YouTubeは、世界で2番目にトラフィックを獲得しているサイトであり、世界最大のオンライン動画プラットフォームに進化し続けています。海外マーケティング施策としてYouTubeをする場合、現状を正しく理解して運用することが必要不可欠です。
近年では、TikTokやInstagramリールなどの「ショート動画」に注目が集まっているものの、超・長編動画やライブ配信の人気も高まるなど、動画市場・動画プラットフォームは常に変化し続けています。
本記事では、YouTubeの最新状況を正しく示す、アルファベット社の決算発表(2023 Q3)などを参考にしながら、2024年のYouTubeの現状を「ユーザー・利用・ビジネス・広告」の4つの視点から最新の統計データを読み解いていきます。
目次
YouTube「ユーザー」に関する統計
YouTubeのユーザーに関するデータを紹介します。
1.月間アクティブユーザー数は、24.9億人を突破
サービスが開始されてから十年以上経つYouTubeですが、まだまだ月間のアクティブユーザーは、増加しています。2023年10月時点の月間アクティブユーザーは、24.9億人を超えました。
2018年5月の時点では18億人であったことを考えると、この増加率は驚異的といえます。
2.YouTubeショートの月間ユーザーは20億人以上
YouTube親会社、アルファベット社の2023 Q3の決算説明会によると、YouTubeショートは、月間ユーザー20億人以上が視聴していると伝えられています。
2022年時点でのYouTubeショートの月間ユーザーが15億人だったことを考慮すると、1年で5億人増加…ショート動画は、驚異的な増え方を見せています。
<Alphabet 2023 Q3 Earnings Call_7:25 >
3.男女比率は、男性:54.4%、女性:45.6%
僅かに男性の利用が多い傾向にありますが、2022年と比較すると女性の割合が減少しています。(Statista)2022年は、男性が53.9%、女性が46.1%でした。
4.今年もやっぱり「インド」ユーザーが圧倒的!
2020年、2021年、2022年に続き、最もYouTubeユーザーが多い国は、やはり「インド」の4億6,200万人でした。
2位はアメリカで2億3900万人と続きます。(Statista_2023年10月)
- インド 4億6,200万
- アメリカ 2億3,900万
- ブラジル 1億4,400万
- インドネシア 1億3900万
- メキシコ 8,310万
- 日本 7,800万
- パキスタン 7,170万
- ドイツ 7,260万
- ベトナム 6,300万
- フィリピン 5,810万
5.普及率が最も高い国は「アラブ首長国連邦」
2023年1月時点でデジタル人口に対するYouTubeユーザーの割合が最も高い国は、アラブ首長国連邦でした。デジタル人口の98.7%がYouTubeを利用しており、圧倒的。(Statista_2023年10月_成人人口と比較した、広告主が YouTube でリーチできる成人ユーザー数*)
続いて、イスラエルの93.1%、サウジアラビアの91.5%と中東での普及率が高い傾向にが見られました。続いて、オランダ91.3%、英国91.1%、ノルウェー90.9%、アイルランド90%と北欧諸国が続きます。
6.Youtube.comへのトラフィックの19%は「アメリカ」から
ユーザー数が最も多い国は「インド」ですが、トラフィックを最も送信した国は「アメリカ」が、断トツです。(2023年12月Semrush調べ)続いてインドが9.05%、3位はブラジル5.89%、韓国5.51%、インドネシア4.18%と続きます。
ユーザー数が圧倒的に多いインドですが、ユーザー数に対してよく視聴しているのはアメリカや韓国であるということがわかるデータです。
YouTube「利用」に関する統計
YouTubeの現在の状況に関するデータを紹介します。
7.毎分500時間のビデオがアップロードされている
視聴者の数が増加する一方で、クリエイターや企業による動画のアップロードも増加してしています。YouTubeでは、毎分500時間分のビデオがアップロードされています。(2022年6月時点)
その量は2014年から2019年までに約40%も増加しており、動画がひしめき合う状態。つまり、視聴者に見てもらうための”競争”が、年々激化していることを意味します。
8.YouTubeショートの1日の平均視聴回数は、700億回以上
アルファベット社の2023年Q3の決算説明によると、急速に人気が高まっているYouTubeショートの1日の平均視聴回数は、なんと700億回を超えているそうです。ショート動画の人気の高さが伺えます。<Alphabet 2023 Q3 Earnings Call_7:25>
やっぱりショート動画かぁ。と、背中を押される思いですね。
9.ユーザーの87%は「モバイル」経由
2023年12月「YouTube.com」へのデバイス別トラフィックシェアを見てみると、視聴者のほとんどが「モバイルデバイス」を利用してYouTubeを楽しんでいることがわかります。
下記は、デバイス別トラフィックシェアです。
とは言え、アメリカユーザーの16.66%がデスクトップを利用しており、他の地域と比較しても圧倒的に高い割合になっています。また、ユーザー数の最も多いインドや3番目に多いブラジルでもデスクトップの割合が多いことも注目すべき点と言えるでしょう。
以下は、国別デスクトップの割合です。
- アメリカ:16.66%
- ブラジル:10.33%
- インド:7.59%
- 韓国:5.02%
- インドネシア:4.95%
10.アメリカ成人の82%がYouTubeを利用
YouTubeはどの年齢層の人々にも人気があるプラットフォームです。Pew Research Center が2022年に実施したソーシャルメディアの利用に関する調査レポートによると、2022年7月18日~2022年8月21日に「YouTubeを利用した」と回答した人は82%に上りました。
最もユーザー数の多いソーシャルメディアであるFacebookが同期間の利用が「70%」であったことや、去年の「72%」から大幅に伸長したことを考慮すると、YouTube人気がまだまだ継続していることが伺えます。
以下は、同等の期間でソーシャルメディアプラットフォームを使用したと回答した人の割合です。YouTubeは圧倒的ですね。
- YouTube 82%
- Facebook 70%
- Instagram 47%
- Twitter 27%
- Snapchat 27%
- Whatsapp 26%
※ Ask all with internet ccess (Xtablet=2) N=11,691
11.十代の若者が最もアクセスするプラットフォーム
Pew Reserch Center が2023年2月に実施した調査(13~17歳、N=1453人)によると、アメリカの十代の若者の71%が「毎日1回以上YouTubeを利用している」と回答しており、若者に人気のTikTokを抑えてYouTubeが最もアクセスするプラットフォームであると伝えています。
12.アメリカネットユーザーの62%が、「毎日YouTubeを利用」
視聴ユーザーが約 2 億 3,900 万人を超えるアメリカでは、インターネットユーザーの6割以上が「毎日」YouTubeを利用しています。日本でも同じと思いますが、YouTubeで動画を見ることは「日常生活の一部」となっているようです。
13.最も検索されたクエリは「SONG」♪
2023年1月~12月の1位年間を通して、YouTubeで最も検索されたクエリは、「SONG」が断トツでした。「Song・DJ・Music・Karaoke」など、音楽に関するクエリが20位以内に多くランクインしています。
14.「TVでYouTube」が増加中!
YouTube TVは、2022年10月から2023年10月までの1年間で約48%も成長しており、Google全体で最も急成長した分野でした。
アメリカでは毎月1億5,000万人が「TVでYouTube」を視聴しており、その中でもミュージックビデオ、NFL、無料映画、ショート動画、MrBeastの連続配信などが人気があるそうで、バラエティ需要が高い傾向にあるようです。<Alphabet 2023 Q3 Earnings Call_18:36>
YouTubeの「ビジネス」に関する統計
YouTubeは、ビジネス用途としても積極的に活用されています。ビジネス活用するためにYouTubeの知っておくべきデータについてご紹介します。
15.54%以上が、YouTubeをマーケティングに活用
2023年1月時点で米・英・加・印・豪のソーシャルメディアマーケターを対象に実施した調査(N=2,133)の中で、54%以上が「マーケティング戦略にYouTubeを使用している」と回答しています。
最も利用されているプラットフォームはFacebookで89%を獲得していますが、InstagramとYouTubeが年々勢いを増してきています。
16.商品・サービスの「説明動画」は、やっぱり役に立つ!
製品やサービスの説明動画が「購入決定に役立つ」と回答した人は76%にも上っています。また、消費者の69%が動画での製品レビューが「購入の決定の役に立つ」と回答しており、動画が人々に与える影響は大きいと言えるでしょう。
17.BtoB企業もYouTubeで「比較・検討」
GWI.の1万人以上を対象にした調査でも、意思決定者の10人中5人は「新製品やサービスを検討する際にYouTubeを使用する」と回答しています。
BtoB企業にとって、製品やサービスが技術的に複雑な場合、動画は他のどのコンテンツタイプよりも明確に情報を伝えるために最適な手段です。
18.今後、YouTubeで強化される分野は「ショート・Connected TV・サブスクリプション」
アルファベット社の2023年Q3の決算発表で、今後「ショート動画・Connected TV・サブスクリプション」の3つの分野を、長期的な成長を支える重要な要素と捉えて、今後この3分野を強化(投資)していくと述べられています。
<Alphabet 2023 Q3 Earnings Call_43:12>
19.アメリカにおけるYouTube Premiumの登録数は、2790万人に
2014年から広告ブロックによる収益損失を抑える目的で開始された、YouTube Premium。現在では動画広告なしだけでなく、動画をダウンロードしてオフラインでも動画を保存できたり、バックグランド再生などの機能が利用可能です。
今後、2024年には2790万人が利用すると予測されており、YouTubeMusicPremiumと合わせると、全世界で8000万人の登録者がいると言われています。
YouTubeの「広告」に関する統計
YouTubeの人気上昇に伴い、YouTube広告を検討する企業が増えています。YouTube広告に関するデータについて紹介します。
20.YouTube広告は好調!
アルファベット社2023年Q3での決算発表によると、Googleサービスの連結収益は760.7億ドルで、前年比11%増加でした。その中でもYouTubeの広告収入は前年比12%増加、YouTubeサブスクリプションが前年比21%増加するなど、YouTubeが好調であることを伝えています。
<Alphabet_Investor Relations_21:15>
21.2023年、最も人気のあるYouTube広告は「Wednesday」
創造性と世界的な影響をたたえる「YouTube Cannes Ads Leaderboard 2023」は、2023年の最も優秀な動画広告を発表し、Netflixの「Wednesday」が選出されました👏
アダムス家の象徴的なキャラクターを通して、ユニークなアダムス家の世界観を紹介しているこの動画。奇妙な感情になったり、思わず笑ってしまったり、さまざまな感情が刺激され、思わず最後まで見入ってしまうこの動画広告は、驚異の3,900万回以上再生されています。
22.広告視聴者の70%は、YouTubeでブランドを見て購入したことがある
YouTube広告を視聴してブランドを意識するようになったユーザーの70%は、「YouTubeを見たことをきっかけにそのブランドを購入した」と回答しています。動画広告はユーザーの購入の意思決定に大きな影響を与える有効な手段と言えるでしょう。
23.YouTube広告で最もリーチできる年齢層は「ミレニアル世代・男性」
2023年、YouTube広告で最もリーチできる年齢層は、男女ともに25歳~34歳のミレニアル世代でした。次にリーチできる層は男女の「35歳~44歳」と続きます。
24.新しい発見のために、YouTubeを使用する可能性が4倍高い!
視聴者はブランドや商品、サービスに関する情報を探すために、YouTubeを活用する可能性が4倍高いことが分かっています。
25.サードパーティCookie廃止が間もなく始動
データの透明性や制御向上などの規制拡大が取られてきた「Cookie問題」。
2024年Q1~Q3にかけて全世界の Chrome ユーザーの 1% を対象に、サードパーティ Cookie が廃止されます。さらに、2024 年Q3からはサードパーティ Cookie のサポートを段階的に廃止されるスケジュールが発表されています。
2024年はいよいよデジタル広告の転換期を迎えることになりそうです。
さいごに
YouTubeは世界的にホットなプラットフォームであり、海外デジタルマーケティングを行ううえで、重要なプラットフォームの1つです。その一方で既に多くの競合が参入しているフィールドであるため、正しく戦略を立てて参入しなければ、成功を収めることは難しいといえるでしょう。
せっかく制作した「動画」を、有効的に活用するためにも、プラットフォームを正しく理解し、最適な海外向け動画施策に繋げましょう。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。