海外向けLinkedIn広告の始め方【徹底解説】
~超簡単・企業ページ開設から広告配信手順まで~
ビジネス特化型ソーシャルメディア「LinkedIn」。
全世界でユーザー数は、10億人を超えました。しかし、日本ユーザーは2024年4月の時点でも300万人ほどしかおらず、効果的にLinkedInを活用している企業はまだ多くないのが現状です。
日本ではまだ「英語・転職」のイメージが強く、「ハードルが高い!」「ビジネスに親和性はあるの?」など、疑問に思われている方も多いかもしれません。しかし、海外では「信頼性が高い・ビジネスに親和性が高い」と、多くのユーザーや企業が積極的にLinkedInを活用しています!
海外ユーザーが圧倒的に多いため、日本企業の海外向けマーケティングツールとして、高い効果を期待することができます。そこで今回は、成長著しいLinkedInを、海外向けビジネスに効果的に活用するために「企業ページの開設から広告配信まで」を詳しくご紹介します。
今後、LinkedInを活用した海外向けマーケティングに興味のあるマーケターは必見です。
目次
2024年は活用したい!「LinkedInとは?」
LinkedInは転職・ビジネスに特化したグローバル・ソーシャル・ネットワーキングサービスです。
個人ユーザーは、ビジネスにおける人脈構築や新しいキャリアチャンスのために、近況や仕事上での経験などを発信したり、情報収集を行っています。一方、企業ユーザーは、新たな人材へのアプローチを可能とする「採用ツール」としての活用や自社の商品やサービスについて発信するマーケティングプラットフォームの1つとして利用しています。そのため個人・企業ユーザーともに、”ビジネスに関心の高いユーザー” が、活発に交流する場として機能しており、世界中で6500万人以上のビジネス上の意思決定者がLinkedInを活用しています。
2003年からサービス提供を開始したLinkedInは、2016年Microsoftによって買収されました。他のSNSと比較するとユーザー数の伸びはゆるやかでしたが、長年にわたり着実にユーザー数を伸ばし、現在では10億人を突破しました(2024年4月)。現在世界 200の国と地域、28言語に対応可能で、非常に大きな規模のグローバルプラットフォームです。
LinkedInの成長率
LinkedInは10億人を超えるユーザーを擁する、世界最大のビジネス特化型ソーシャルメディアです。「10億人」といえば、ソーシャルメディアの中ではInstagramと同等のユーザー規模です。FacebookやTikTokのように、爆発的にユーザー数が伸びたSNSとは異なり、毎年着実にユーザー数が増えてきているのがLinkedInです。
LinkedInの親会社でもあるMicrosoft社の2023年~2024年における決算レポートを見ても、LinkedInビジネスは増益を続け、会員数も2年以上連続増加しており、業績・人気ともに好調であることが伺えます。
この数字は、LinkedInが海外向けマーケティングにおいて、ますます重要なプラットフォームになりつつあることを示しています。
LinkedInを海外マーケティングに活用するべき理由
近年企業がLinkedInを活発に活用し始めた理由として、以下の4点があげられます。
- ビジネスに興味関心の高いユーザーが群を抜いて多い
- 広告運用で活用できるユーザー情報が正確
- LinkedInならではの優れたターゲティングセグメント
- 利用目的が他のSNSとは異なる!
ひとつずつ見ていきましょう。
ビジネスに興味関心の高いユーザーが群を抜いて多い
LinkedInが他のソーシャルメディアと違う大きな特徴の1つは、やはり「ビジネスユーザーが多い」という部分ではないでしょうか。LinkedInユーザーは、経営者、管理職、専門職などビジネスに関心の高い層が大部分を占めています。
現在、6500万人以上のビジネス上の意思決定者がLinkedInを利用しており、すでにに世界中の5700万社以上の企業がLinkedInの企業アカウントを開設して運用を行っています。これは他のソーシャルメディアと比較しても、圧倒的に高い比率を保っています。
活用できるユーザー情報が正確
LinkedInは転職・採用プラットフォームとして活用されているため、他のソーシャルメディアと比較しても、ユーザー情報の正確性において圧倒的な強みを持っています。
LinkedInでは「実名登録制」が採用されているため、ユーザーは自身の顔写真、学歴、職務経歴、スキルなどをプロフィールに登録する必要があります。ユーザーは自身のキャリアやスキルをアピールするために、詳細なプロフィール情報を登録します。そため、ターゲットとなる顧客層のニーズや興味関心などを把握しやすい傾向にあります。
LinkedInならではの優れたターゲティングセグメント
LinkedIn広告では「転職プラットフォーム」という特性を生かし、他のSNSにはない、優れたターゲティングが提供されています。そのため、狙ったターゲットオーディエンスへの無駄のないアプローチを可能にします。
欧米圏などでは、ビジネスの場における名刺交換のような感覚で「LinkedInアカウントを交換し合う」という使われ方もしています。このようなLinkedInの文化的浸透性も背景となって、ユーザーの登録情報が正確である点、その登録情報を活用したターゲティングが可能な部分も、ほかのSNSにはないLinkedInの大きな特徴です。
ユーザーの利用目的が他のSNSとは異なる!
FacebookやTwitterの利用目的は「楽しむため・友人との交流」といった”娯楽目的”であるのに対し、LinkedInを利用する目的は「新しい機会を得たい・専門家から学びたい」といった、”ビジネスに対する意欲的なマインドセット”が備わっています。
ユーザーは「情報収集」や「人脈構築」の目的でLinkedInを活用するため他のSNSと比較しても高いエンゲージメント率を誇ることもLinkedInの大きな特徴の1つです。ビジネス上の意思決定者がプラットフォームに多く、平均的なウェブユーザーの2倍の購買力があり、コンバージョンに至る可能性が他のプラットフォームより6倍も高いことが報告されています。
企業ページ作成からLinkedIn広告配信まで
早速、LinkedIn広告を始めるまでの手順をステップバイステップで解説していきます。
LinkedIn広告を配信するためには、LinkedInの企業ページが必要となるため、まずは企業ページの作り方をご説明いたします。とはいえ、LinkedInの企業ページの開設はわずか数ステップで完了するため心配は無用です。
LinkedInの企業ページの開設には、まず個人アカウントの作成が必須になります。個人ページを開設していない方は、個人アカウント → 企業ページの開設 →広告アカウントの開設 → 広告配信の手順で進めていきましょう。
ここでは、①企業ページの開設、②広告アカウントの開設、③広告の配信手順をご紹介していきます。
企業ページの開設
① LinkedInアカウントにログインします。ホーム画面右上の「その他」をクリックします。
②クリックすると表示される右帯下部より「会社ページを作成+」をクリックします。
③ 作成するページの種類を、「会社・プロモーションページ・教育機関」の中から選択します。
④「会社ページ名・アイコン・会社概要・プロフィール」など必要な情報を入力します。必要項目を入力したら、チェックボックスに✓を入れて、「ページを作成」をクリックします。
⑤「ページの作成を開始しましょう」をクリックして、企業ページを完成させます。
たったこれだけで会社ページの作成が完了です👏
広告アカウントの開設
企業ページのセットアップが完了したら、次に広告配信用の広告アカウントを開設します。LinkedInに広告を掲載するには、「キャンペーンマネージャー」で「LinkedIn広告アカウント」を作成する必要があります。広告アカウントを作成することで、アカウントマネージャー・請求責任者のアクセス権限が自動的に付与され、他のメンバーを広告アカウントに追加することが出来るようになります。
① 広告アカウントの開設を行います。個人アカウントにログインし、【その他】を選択し「広告掲載」をクリックします。
②「アカウント名」を追加し、支払い通貨を選択して、企業ページを関連付けましょう。支払い通貨や企業ページはアカウント作成後に変更することが出来ないので注意しましょう。
画面インストラクションに従って、広告アカウントと企業ページとの紐づけが完了したら、広告アカウントの開設は完了です。広告アカウントの開設が完了したら、その広告アカウントに紐づく計測タグの発行が出来るようになります。広告施策の放置にならないよう、必ず計測タグを発行して広告の効果測定を行いましょう。
LinkedIn広告の配信手順
LinkedIn広告の管理ツールであるキャンペーンマネージャーを使い、LinkedIn広告のキャンペーンを作成・公開・効果測定を実施します。LinkedIn広告は200以上の国や地域に28か国でアプローチすることが可能です。
広告配信手順は以下の9つのステップで進めていきます。
Step1 : | 新規キャンペーンを作成 |
Step2: | グループに割り当てる |
Step3: | キャンペーンの目的・広告フォーマットを設定 |
Step4: | ターゲットオーディエンスの設定 |
Step5: | 入札単価・予算・スケジュールの設定 |
Step6: | クリエイティブ作成 |
Step7: | 配信開始スタート! |
Step8: | 分析 |
Step9: | 最適化PDCA |
タグのWebページへの埋め込みと並行して、広告キャンペーンの作成と入稿作業を進めていきましょう。キャンペーンを作成するためには、「ターゲットオーディエンス」と「広告素材」の2つが必要となります。また、マーケティング目標をもとに「どの場所」の「どんな人」に「どんなメッセージ」を「どう届ける」のかじっくりと検討しましょう。
広告配信前に把握しておくべきこと
キャンペーン目的
LinkedIn広告では、マーケティングキャンペーンの目的を以下の7つから選択することができます。広告配信を行う前にキャンペーンの目的を明確にして、最適な目標を選択しましょう。
- ブランド認知度:製品・サービス・企業など、より多くの認知獲得を目指す
- ウェブサイト訪問:広告をクリックする可能性が高いユーザーへ表示され、ウェブサイトやLP、その他のURLへの流入を促す
- エンゲージメント:いいね・コメント・シェア・企業ページフォロー・企業ページへのクリックなど、エンゲージメントを高める
- 動画視聴:より多くのユーザーに動画の視聴を促す
- リード獲得:広告をクリックしたユーザーをLinkedInプロフィールデータが入力されたリード獲得フォームへと遷移させる
- ウェブサイトコンバージョン:ウェブサイト上のリードを追跡し、定義したアクションを推奨する
- 求人応募者:求人広告を閲覧・クリックする可能性の高いユーザーに広告が表示され、多くの応募者の獲得を目指す
広告フォーマット
LinkedInでは、1つのキャンペーンに対して使用できる広告フォーマットは1つだけです。利用できる広告フォーマットは、以下9種類ありますが、選択するキャンペーン目的によって利用可能な広告フォーマットが異なります。
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- シングル画像広告:1枚の画像で構成され、フィード内に直接表示
- カルーセル画像広告:複数枚の画像をカルーセルスタイルで表示
- 動画広告:動画広告をLinkedInアクティビティフィードにネイティブ広告として配信
- イベント広告:スポンサードコンテンツ広告フォーマととして、フィード内に表示
- テキスト広告:見出し・短い本文・画像で構成されるテキスト広告
- メッセージ広告:LinkedInメッセージとしてネイティブ広告を表示。テキスト(最大500文字)、CTA(最大で20文字)、ランディングページとなるURLで構成される広告
- フォロワー広告:LinkedInページやプロモーションページのフォローを促す広告を配信。ユーザーごとにカスタマイズされた広告文には、ユーザー名と企業名が掲載される
- スポットライト広告:ユーザーごとにカスタマイズされたプロフィール写真や企業名、役職などLinkedInプロフィールデータに基づいた情報が表示される
- 求人広告:条件の合うユーザーに、求人案件をプロモートして、案件へのクリックを促進
キャンペーンの目的と利用できる広告フォーマットはこちらからご確認ください。
あとは、入稿した広告素材の媒体審査が通れば、晴れて広告配信が開始できる状態となります👏
さいごに
LinkedInは海外向けBtoBマーケティングにおいて、もはや欠かせないプラットフォームへと成長しています。世界中の幹部マーケターの91%が「LinkedInが質の高いコンテンツを見つける最高の場所だ」と評価しています。海外向けBtoBマーケティングを実施するなら、この理想的な場を使わないという選択肢はありません。
「まずは、話を聞いてみたい」「LinkedIn施策を実施しているが効果が出ない」など、ぜひ、お気軽にご相談ください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。