「世界の製造業ウェブサイト」に共通する7つのポイント
~B2Bマーケター必見!~
以前の製造業におけるマーケティング活動といえば、見本市や業界紙の広告などで、ウェブサイト制作はせいぜい後付けであり、ビジネスの存在を示す単なる証拠のようなものにすぎませんでした。しかし、現在は製造業においてもウェブサイトが企業のブランド・品質・企業理念などを伝え、有効なリードを生み出す重要なツールだと認知され、海外に向けたマーケティング施策の1つとして多言語ウェブサイトの制作に取り組む企業が多くなってきました。
今年初めの新型コロナウィルスの影響により、多くの企業が打撃を受けました。
グローバルサプライチェーンの分断など製造業者もまた大きな打撃を受けるなか、さまざまな業種において、グローバル化のリスクが顕著となり、国内回帰の流れは加速しつつあると感じています。しかし、今後の日本の少子高齢化問題や災害などが起こった場合のリスク分散といった意味でも、日本の製造業は海外を目指すべきであり、その海外進出の第一歩として海外に向けた多言語ウェブサイト制作を強化する必要を感じている企業担当者の皆様も多いのではないでしょうか?
そこで今回は世界の優れた「製造業ウェブサイト」に焦点を当て、世界中の人々に響くウェブサイトが持つ、7つの共通するポイントをご紹介します!
高品質の画像 | Lockheed Martin
ロッキード・マーティン社は、米国にある、飛行機や宇宙開発関連製品を製造する会社です。
設立されたのは1995年ですが、マーティン・マリエッタという航空機メーカーと同じく航空機メーカーとして事業を展開していたロッキード社が合併することで誕生しました。
ロッキード・マーティンが重要視しているのは、会社のコンセプトやサービスなどを、ユーザーにできるだけ正確に伝えるということです。そのためには高品質のグラフィックは不可欠で、サイトに掲載されている画像のほとんどは、非常にクオリティの高いものとなっています。
ウェブサイトのトップページからスクロールすると、「Lockheed Martin News」があり、ここに現在動画がアップされています。この動画ですが、短編映画のような作りで、動画のクオリティの高さと高度なテクノロジー技術とブランド力が強烈に伝わってくる動画となっています。
製品やデバイス、部品、その他材料など高品質の画質で撮影することで、サプライチェーンに視覚的に訴えることが可能になりますが、ロッキード・マーティンのウェブサイトには、こうしたマーケティング戦略があると考えられます。
明確なメッセージはそのまま会社のブランドイメージを育てる要因となり、ロッキード・マーティンは最先端の技術を持つ企業として非常に強いインパクトを与えています。
シンプルで明確なナビゲーション | Cisco
シスコ社は、米国カリフォルニア州に本社を置く、コンピューターネットワーク機器の開発を展開する会社で、その規模は世界最大級とも言われています。
シスコのホームページの特徴は、シンプルで明確なナビゲーションにあります。
ナビゲーションは、ホームページの左上にあるメニューからアクセス可能です。
メニューボタンに用意されているナビゲーションは3種類と、この時点からユーザーを迷わせない工夫がされています。
シスコのウェブサイト内には商品ページが大量にありますが、ナビゲーションをシンプルな単語とわかりやすく明確化することで、ユーザーはサイト内を迷わず自由に移動し、目指すコンテンツをできるだけ迅速に探し出せるようになるのです。
ユーザーが欲しい情報をできるだけシンプルに明確化させ、素早く検索できることを優先としたサイト構成が、シスコのホームページの特徴と言って良いでしょう。
効率的で適切な誘導 | PLEX
PLEX社は、人、システム、機械、サプライチェーンをつなぎ、ビジネスプロセスを自動化し、製造現場から最上階までデータを追跡し、比類のない可視性、品質、制御のための分析を行い、製造業をサポートする会社です。
PLEX社のウェブサイトは動画をヘッダーに組み込んでおり、ユーザーを惹きつけて注意を引くのに、非常に効果的で、顧客のニーズをしっかりと引き出すウェブサイトになっているところです。
一定時間サイトに滞在するとチャットボットがポップアップされ、正しいウェブサイトへ誘導します。また、ヘッダー部分に役職を選択するバナーが表示され、役職を選択するとその役職にふさわしい製品ページへと顧客を誘導してくれるのです。
それに加え、無料でダウンロード可能なホワイトペーパーやebookなどのコンテンツが豊富に含まれており、有益な情報を顧客に提供し、顧客との関係構築を図っています。
適切な行動を促すフレーズ | IBM
IBMは、コンピューターサービスや製品を提供しているとして世界的に知名度のある会社で、世界170ヶ国以上に拠点を構えています。IBMのホームページは、戦略的な要素がちりばめられています。
サイトコンテンツを見ると、オーディエンス(ターゲット)ごとに目標を設定し、オーディエンスに響く言葉を使用して、アクションを起こすようCTA(行動を促すフレーズ)が挿入されています。
CTAは顧客にどう行動してもらいたいのか、明確な提示と誘導することが重要です。IBMの場合、各CTAは、Explore、Build、Start、See、Learnなど全て「動詞」で始まります。IBMのホームページでのアクションを促すCTAの使い方は必見です。
偉大な英雄メッセージ | ZEON
ゼオンケミカルズ社は、ポリマーなどの特殊な化学製品の製造メーカーとして、世界規模で事業を展開している会社です。
米国、日本をはじめアジアや南米にネットワークを持ち、顧客に満足の行くサービスを提供しています。
ゼオンケミカルズ社のWebサイトは、国境を越え世界各国にいる顧客やユーザーに、情報を発信しています。潜在的な顧客を見込み客に変えることを目的としていて、コンテンツを作り込んでいます。製品についての紹介や問い合わせなど、直感でどこに何があるかわかるようシンプルにメニューが設置されています。そして「メッセージ性が高く、短い言葉」を使い、ブランドイメージを直球でユーザーに伝えています。短い言葉は覚えやすく、ユーザーのイマジネーションを刺激するのです。シンプルで的確なメッセージを繰り返すことで、会社のイメージがユーザーの中に浸透していき、やがて認知、定着していくようになります。
主力製品である「ニポールNBR」「ハイドリン・エコ」「HYTEMPACM」「ゼットボールHNBR」にはそれぞれロゴを作成し、カーソルを合わせると製品特徴が表示されるような仕組みとなっています。製品の違いなどをシンプルな形で表示することで、ユーザービリティを考慮した工夫と言えるでしょう。
ゼオン社のWebサイトは、言葉で企業の目的をユーザーに素早く伝えるだけではありません。サイトの読み込み時間もスピーディーで、この点もゼオンを参考サイトとして選んだ理由です。
ゼオンのコンテンツの読み込み速度は1秒以下で、その速さは読み込み速度の早いWebサイト上位10%に入ります。
サイト表示に時間がかかると、ユーザーは我慢できずにサイト離脱率が高くなると共に、Googleなどの検索エンジンは読み込み速度が早いサイトを優先して上位表示させる傾向があります。
豊富なコンテンツ | Mattei
マッティ社は1919年にイタリアで空気圧縮機の設計製造を開始しました。その後コンプレッサーに注力し、1985年から国際事業を拡大し、米国・英国・フランス・ロシア・スペイン・シンガポール・中国など世界市場で発展を遂げています。
マッティ社のウェブサイトはシンプルで見やすい上に、アニメーションを使用していてサイト内での動きがある上に、適切なCTAが配置されており、どんどん読み進めてしまう構造となっています。
その上、動画も組み込まれており、製品への理解も容易で、無料でダウンロードできる商品コンテンツも提供されており顧客にとって有益な情報を十分に得られるウェブサイトとなっています。
優れたコンテンツマーケティング | John Deere
John Deere社は、米国イリノイ州に本社を置く、農業機械の製造メーカーです。設立は1873年と歴史があり、世界でも有数の農業機械製造メーカーとしての地位を築いています。
John Deere社のWebサイトは、シンプルで見やすく、またキャッチ―なフレーズを使って海外ユーザーの心をとらえたウェブサイトとなっています。
注目すべき施策は、製造業界では珍しくB2Bコンテンツマーケティングに取り組んでいます。ユーザーニーズに合ったコンテンツを制作し、最新の情報をユーザーに提供し顧客との関係構築に努めています。
使用する画像の質やコンテンツの配置など、すべてサイトに訪れるユーザーの行動や目的を考慮して設定されており、John Deere社のサイトは、ユーザーに対して魅力的なコンテンツを提供していると言えるでしょう。
まとめ
「企業の活動拠点の拡大、またエンドユーザーのグローバル化」に伴い、日本企業の国際競争の激化がより加速している現在。製造業界は急速に変化を求められています。「海外の人達を惹きつける多言語ウェブサイト制作」はもちろんのこと、長く複雑なB2B購買サイクルを通じて、いかに世界の顧客を獲得していくかが大きな課題になっています。
そんな日本が誇る「ものづくり企業/製造業」のグローバルB2Bマーケティングはインフォキュービック・ジャパンにぜひお任せください! 「海外の潜在市場開拓」「海外問い合わせ増加」「海外広報の強化」「ブランド認知拡大」など、コーポレート部門・事業部門問わず日本の製造業様をデジタルマーケティングでご支援することを強みにしております。お困りごとがございましたら、お気軽にお申し付けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。