あなたは知ってる?
「世界の動画、7つの最新トレンド」
近年急激な成長を見せている動画市場。世界の主要ソーシャルメディアのほとんどは動画配信機能を実装し、世界の巨大企業は積極的に動画を推進しています。
米IT企業シスコは2020年にはウェブトラフィックの82%は動画からになるだろうと予測をしています。今後世界な5Gの拡大に伴いこの傾向はさらに顕著になっていくと考えられており、企業も動画マーケティングの活用は否応なし検討するべき時期にきているのではないでしょうか。
そこで、今回は最新「動画マーケティングトレンド」をご紹介します。
パーソナライズドされた動画
<DataCreative>
現在、「動画パーソナライゼーション」は、注目すべき大きな動画トレンドの1つとなっています。パーソナライズドされた動画とは、顧客それぞれに向けれ「個別にカスタマイズされた動画」で、パーソナライズド動画はより多くのリードを生成し、リードの品質を向上させるための重要な戦略であると考えられています。
実際、消費者の91%が認識しているブランドで、関連するオファーを提供してくれる場合に購入を検討する可能性が高くなるようです。また、Adweekは、ニュースレターを読むよりも60%の人がビデオを見たいと言っており、Adlucentの調査によると、消費者の71%がオーダーメイドの広告を好んでいるという統計が発表されており、パーソナライズされたメッセージと動画の組み合わせは消費者と企業の両側にメリットがあると言えるでしょう。
では、「パーソナライズドされた動画」とはどのような配信方法があるのでしょうか?
ターゲットをグループ化し、ターゲットに合わせた動画を配信する
年齢や性別、住んでいる地域、企業種別などでユーザーをグループ化し、各グループそれぞれにアレンジした動画を配信するパターンです。(中規模の視聴者に適している)例えば、特定の地域をターゲットにして、「こんにちは、○○○の小売り店です!」「あなたが○○○の小売業者であれば、このメッセージはあなたのためのものです!」という動画を配信します。
顧客データを活用した動画の完全個人化
登録されたユーザー情報から顧客の名前などの個々の視聴者データを織り込むことにより、動画の画面上にユーザーの名前を表示させる技術で、個々に合わせた動画を瞬時に作成することができる(大規模な視聴者に適している)など、様々な配信方法があります。
カナダで設立されたVidyardや、オーストラリアのDataCreativeなどのプラットフォームでは、パーソナライズドされた動画を瞬時で作り出すことが出来るサービスを提供しています。
現在、技術の革新的な進歩により動画のパーソナライズは非常に多くの創造的な可能性があり、また消費者もパーソナライズされたコンテンツを求めていることから、今後ますますパーソナライズドされた動画の需要は伸びていくでしょう。
スーパーショートビデオ広告
Googleが2016年に発表した広告の新しいフォーマットであるスーパーショートビデオ広告は、YouTubeの6秒間の「バンパー広告」発表以降傾向が顕著になりました。
この形式による広告は、視聴持続時間の短縮だけでなく、スマートフォンをはじめとするモバイルビデオの増加傾向と、それに合わせて作成される短時間の動画に適しています。
スーパ―ショートビデオ広告の登場によって、「スキップ」ボタンをクリックするまで、長い動画広告のカウントダウンを見るだけだった従来の広告の形から、モバイルビデオと短編ビデオが標準となる影響を与えています。
<YouTube:バンパー広告>
長編動画
近年、多くのマーケティング担当者はエンゲージメントを高めるために短編動画に注力する傾向がありましたが、2020年にはこのトレンドは変化すると言われています。
短編動画はソーシャルメディアなどを通して簡単に人の目に触れることは出来ますが、ブランドが消費者にとってより良い関係構築を形成することは難しいとされています。
2017年には80%以上の動画が5分以内でしたが、結果として全体の3%エンゲージメントを満たすことしかできませんでした。しかし、15分以上の長編動画はエンゲージメントが50%も満たしているのです。
ユーザーの多くが、動画コンテンツのあるウェブサイトで88%の消費者が多くの時間を過ごすといわれており、長い動画がメッセージやブランドへの関心を維持するのに役立つことがわかります。
アウトドアブランドの「Patagonia/パタゴニア」がYouTubeで公開している動画は、自然と繋がる実在する人々を探る長編ドキュメンタリーなどの動画を制作しており、人々を魅了しています。
このように印象的で人々の感情に訴える長編動画コンテンツは、人々の興味を引くストーリーを通じて消費者と感情的なレベルで繋がる機会を提供しています。
長編動画を上手く活用できると、印象に残るブランドストーリーを消費者に伝えられるだけでなく、製品やブランドの価値なども視聴者に印象付けることができるでしょう。
360度動画
VR・ARを駆使した360度動画は、より没入感のあるインタラクティブな体験を消費者に提供できるため、関心を惹き付け易く、アクセスされやすくなっています。
スマートデバイスとOculus RiftなどのVRヘッドセットにより、360度のビデオがよりアクセスしやすい環境になっていることもメリットのひとつです。
360度動画は従来の形式の同じ動画よりも視聴する可能性が高くなり、magnifyre社の調査では、360度動画では平均視聴率が28.81%高いという結果になりました。
VR形式の動画は、競合する情報の中から際立ち安くなる上に、購入意向を7%向上させることが分かっています。360度動画の動画は、没入感のあるインタラクティブな体験を消費者に提供することで、従来の動画形式よりも高いROIを実現すると同時に、ブランドの認知度とエンゲージメントを高めることができます。
ネスレ社の「Kitat/キットカット」で、ネスレ社はこのフォーマットを使用してFacebookで抹茶チョコレートバーを紹介しました。YouTubeキャンペーンの結果、完了率は動画プラットフォームの平均の2倍を超えました。また、35%の大幅な増加と100%の広告想起率の向上を実現しました。
その他、YouTubeにて、KitKatの360度動画を公開しています。こちらの動画も1553万回以上再生されており、360度動画の人気の高さを感じます。
垂直縦型ビデオ
垂直縦型ビデオ形式は、Snapchatで人気を博し、事実上Instagramに引き継がれたあと、Instagramストーリーで大きなトレンドの1つとなりました。
Instagramストーリーズは現在、世界中で毎日5億人のストーリーアクティブユーザーを記録するまでになりました。さらに、FacebookとYouTubeもプラットフォームに組んでおり、急速に浸透しています。また昨年6月、Instagram立ち上げたIGTVでは、縦長のみの動画コンテンツの第1位にランクインしています。垂直縦型ビデオは、短編動画に適しています。モバイルでの動画視聴が主流となりつつある現在、今後数年以内に主流フォーマットとなる可能性も高まっています。
ライブストリーミング
ライブストリーミングによる生放送は、質問やコメントによってリアルタイムにユーザーと対話できるため、親密性を高めることができ、エンゲージメントの促進に適しています。編集コストや特別なスタジオセットといったポストプロダクション作業も必要なく、コストパフォーマンスに優れています。
コロナウウイルスの影響により、自粛規制がひかれた世界各国の教育機関は早々にライブ配信に切り替え早々にオンライン授業を開始しました。Facebookの調査においてもライブストリーミングサービスはコロナウイルスの影響下に置いても20%増加し、米国の調査では80%の人はブログを読むより、ライブ配信を好み、82%はソーシャルメディアの投稿よりもライブ動画を好む傾向があり、事前に録画された動画より、3倍長い時間視聴者を引き付けると言われています。
近年ではFacebookライブ、Instagramライブ、YouTubeライブ、LinkedInといった主要ソーシャルメディアプラットフォームもライブストリーミング機能を実装しました。ソーシャルメディアアルゴリズムは、リアルタイムコンテンツを優先します。これらのデータから、今後はビデオマーケティングを検討した際には、ライブストリーミングを活用する必要があると言えるでしょう。
音声なしソーシャルビデオ
数年前、Facebookは視聴者が音声なしで再生できるビデオ自動再生機能をリリースしました。その後、サウンドオフで視聴できる無音ビデオは、主要ソーシャルメディアで実装され人気を博しています。
Verizon Mediaの調査によると、69%の人が公共の場所での音声オフにして動画を視聴すると回答しました。現在は多くのソーシャルメディアユーザーが音声なしの動画を好んでいることを示しています。無音ビデオは、電車のような公共の場で動画を視聴する際に音声が出てしまうデメリットを解消し、場所を選ばず視聴してもらえるメリットがあります。
また、近年では音声なし動画の人気とともに「字幕/キャプション」が標準となりました。