中国検索シェア2位の「Sogou(捜狗)」とは?
~最新の中国検索エンジン市場をご紹介~
中国の検索エンジンシェアといえば長らくBaidu(百度)がほぼ独占状態でしたが、近年は他の検索エンジンが徐々にシェアを奪いつつあり、Sogou(捜狗)もそのなかの有力な一つです。
<Statcounter:Search Engine Market Share in China – January 2021>
今回は中国の独自検索エンジン市場において存在感を増しているSogou(捜狗)について詳しくご紹介します。
Sogou(捜狗)とは?
2020年のSogou(捜狗)の検索エンジンシェアは約17.41%を占めており、現在中国検索エンジン市場のシェア2位。2019年9月の時点での1日のアクティブユーザー数(DAU)は約4億5,000万人を突破、月間アクティブユーザー(MAU)に基づけば、中国で4番目に大きなインターネット企業となりました。中国において日々その存在感が高まってきているようです。
Sogou(捜狗)が広がりつつある理由
では、Sogou(捜狗)はどのようにシェアを伸ばしていったのでしょうか?
それは、「時代の波に上手く乗った」と言えるかもしれません。
2013年9月からSogou(捜狗)は、中国最大級のコミュニケーションアプリであるWeChatやQQを生みだしたテンセント(腾讯)から莫大な投資を受け、さらにテンセント(腾讯)自身が2006年に立ち上げていたTencent Sosoという検索サイトと統合するなど、戦略的提携を進めました。
テンセント(腾讯)との提携により、Sogou(捜狗)はWeChatやQQなど、テンセントが提供する巨大なプラットフォームや検索機能を搭載したテンセント製品にデフォルトの検索エンジンとして組み込まれ、多数のユーザーを獲得しています。現在、Sogou Searchはモバイルクエリで中国で2番目に大きな検索エンジンとなっています。
また、近年はAI開発にも力を入れており、音声・コンピュータービジョン・機械翻訳・会話などの音声認識や事前言語、顔認証分野における最先端AI機能においても、既にリーダーシップをは発揮しています。
Sogou(捜狗)のCEO、WangXiaochuan氏はMIT Technology Reviewのインタビューで「Googleの中国市場への再参入」について言及しており「Sougo(捜狗)がブランド運営を行い、Googleがテクノロジーを提供することが1つの方法だ」とも述べるなど、さらに検索エンジン市場の拡大を進めるとみられています。実際、Sogou(捜狗)はすでに中国でのGoogleのChromeブラウザのデフォルトの検索エンジンです。
Sogou(捜狗)の検索画面
実際のSogou(捜狗)の検索ホーム画面を見ていきましょう。検索画面は以下のように表示されます。画面を見ると、QRコードも付いているのがわかると思います。このQRコードをスキャンすれば、モバイル端末のSogou検索エンジンをダウンロードすることができます。これは検索エンジンとしては珍しく、ユニークですね。
また、左上に「微信」「知乎」などの項目で展開しています。これはSogou(捜狗)の検索サービスの一つです。Sogou(捜狗)の検索ホーム画面からウェブページだけではなく、中国で一番人気があるSNSアプリ「WeChat / 微信」の中のニュース、コンテンツ、公衆号なども検索できるサービスです。
ちなみに、左上の「微信」ボタンをクリックするとこのような画面が現れます。
次に、Sogou(捜狗)の検索機能を見ていきましょう。
「日本旅行」を検索して、出てきた画面は以下になります。
赤枠内は広告で、青枠は日本に対する簡単な紹介です。このように検索すれば、広告と検索関連内容の紹介が表示されます。
Sogou(捜狗):検索エンジン以外の事業
Sogou(捜狗)は捜狗输入法(Sogou Pinyin)と搜狗音乐(Sogou Music)の事業があります。
捜狗输入法(Sogou Pinyin)はPCやスマートフォンで使われる中国語入力システム(IME)を開発しており、使いやすく中国の多くの人に利用されています。特に画面が小さいモバイル端末では、いかに早くユーザーが望む情報を検索結果として出すかがシェアを獲得・維持する大きなポイントとなり、その点においてもSogou(捜狗)にはモバイルユーザーをしっかりと掴むポテンシャルがあると考えられます。
搜狗音乐(Sogou Music)はスマートフォンで使われる音楽を聴くアプリで、音楽のみならず、音楽ラジオやニュースなどもチェックすることができます。
まとめ
Baidu一強のシェアが少しだけ崩れつつある中、中国という巨大な検索エンジン市場の行方がどうなるかは、グローバルマーケティングを行う上では知っておきたいトピックですね!今回はモバイル市場から大きく飛躍したSogou(捜狗)についてまとめてみましたが、他の検索エンジンの動向も忘れずに追っていきたいと思います。
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チョウ テンキョウ
中国の大学を卒業後、早稲田大学大学院に進学し修了。デジタルマーケティングの世界で活躍したいと思い、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在デジタルプロモーションチームのコンサルタントとして、Baiduや360のリスティング広告を中心に多くのアカウントを運用中。趣味は数学、物理と奈良旅行。