GLOBAL MARKETING BLOG

理論的に学ぶ
2020年12月07日

『SNS、青色の心理学』
~Facebook・Twitter・LinkedInが青い理由~

SNSが青い理由

コーポレートカラーやサービスロゴのカラーはその企業の個性を出すだけでなく、社内社外ともにブランディングの一環として非常に重要な要因と言われています。その中で多くのIT企業、特にFacebook、Twitter、LinkedInなどの主要なソーシャルメディアプラットフォームのほとんどが青色を用いています。

なぜ、多くのSNSが青色を利用しているのだろうと疑問に思ったことはありませんか?
マーケティングとして計算したうえで、あえて青色を選んで使っているのでしょうか?

今回は、「青色」の切り口からソーシャルメディア×色彩心理学を紐解いていきます。

 

色彩心理学の重要性

まず、最初に、色彩心理学の重要性について、見ていきましょう。「色彩心理学」というのは、アメリカで誕生した学問のことです。赤、青、オレンジなど、各色がどのように人々の感情をかきたてるのかについての研究が行われています。

この色彩心理学は、単なる研究だけに留まりません。広告、マーケティングなどビジネスの分野でも積極的に活用されているのです。たとえば、マーケティングで使われている色は、消費者の購買意欲を惹きつけるために、感情的に訴えるような色が多く選ばれています。企業のブランドイメージづくりに関しても、この色彩心理学が用いられています。

IT業界は青、食品業界は赤、外食業界は暖色が多い、などその企業ごとだけでなく、業界のブランディングにも色彩心理学が用いられています。色が相手にどのような影響をもたらすのかを考えたうえで、自社のブランドのイメージに合う最適な色を選定しているのです。

ミネソタ大学の研究によると、人間の脳は文字を読むよりも、画像を閲覧するほうが60,000倍も速く情報を処理できるという結果が得られたのだそうです。また、マサチューセッツ工科大学の研究によると、人間の脳に送られる情報のうちの9割近くは、視覚的なものであるということも、研究で明らかになっています。

つまり、視覚的な情報である「色」は、自社のブランドイメージを消費者によりわかりやすく伝えることやブランドイメージを高めるうえでも、とても重要なものなのです。

一口に色といっても、赤色、黄色、黒色などたくさんの色が存在しており、それぞれの色に対して、異なる心理があります。たとえば、赤色はエネルギーや愛や情熱、黄色は太陽の光や希望、黒色はエレガンスや上品さなどをイメージさせる色です。

青色は穏やか、安全などをイメージさせやすい色だと言われています。Facebook、Twitter、LinkedInなど多くのソーシャルメディアで用いられている青色が心理的にどのような影響を与えるのかについて、次の項目で、さらに掘り下げてみていくことにしましょう。

 

「青色・心理学・SNS」

青

青色は「深み、強さ、永続性、忠誠心、自信、リラックス、信頼、知性、安心感、権威、権力、成功、美徳」が含まれなどを象徴する色と言われています。このようなイメージを持つ青色は、心や身体にさまざまな効果をもたらし、創造性を促進することが科学的にも証明されているのです。

ただ、青色といっても、「薄い青」、「 鮮やかな青」、「濃い青」、「淡い青」などいろいろなバリエーションがあり、それぞれに人に与えるイメージが異なります。

「薄い青色」は爽やかな印象があり、人を招き入れるような親しみやすい色です。「鮮やかな青色」は、創造性と生産性を促進する魅惑的なイメージを与えやすい色となっています。「紺色」は強さや信頼性などのイメージがある色であり、「濃い青色」は歴史や、尊敬や信頼をなど表す色となっています。

このように、色の明度、彩度などによっては同じ青色であっても、そのイメージが大きく異なってくるのです。このような印象を人々に対して与えやすい青色は、Webサイトデザインにおいても人気が高い色となっています。

Facebook、Twitter、LinkedInなどでもロゴマークやWebサイトのメインカラーとして青色を使用していますし、大手ソーシャルメディアのFacebookでも、創造性や自社の安全性を推するために、青色を使用しているのです。

なぜ、青色をWebサイトデザインに用いている企業がこれほどたくさんあるのだろうと、不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。青色が多くのWebサイトで使われている理由については、コミュニケーションを促進する色であり、男女感を問わず愛される色であり、相互作用を促進することや創造性を促進し、人々の接点を育むような色なのです。

また、世界人口の10%は何らかの赤緑色彩異常を持っていると言われています。赤緑色彩異常であっても青色は認識することが出来るカラーです。

「色彩心理と企業ブランディングの関係性」
~各色がもたらす多様な印象について~

 

各ソーシャルメディアの青色の使い方

次は、各ソーシャルメディアがどのように青色を用いているのかについて見ていきましょう。

Facebook

あまり知られていませんが、2003年~2004年「FACEMASH」という名前で、赤栗色(#920001)のロゴからスタートしました。その後、2004年からは、濃い青色の背景の上に水色の「 [thefacebook] 」にロゴを刷新、初めてブルーカラーが登場しました。2005年「the」と「 [] 」がなくなり、文字の色は白色に置き換えられました。その後、なんどもロゴの変更が行われていますが、2004年から「青色」は引き継がれています。

Facebookでは、創造性や個性、コミュニケーション、交流を促進するために、青色が使われています。また、Facebookが青い理由の一つとして創始者のMark Zuckerberg氏が色彩異常を持っていたため、彼にとって青い色は最も鮮明に見える青色を採用したと言われています。

Facebookが使っている青色は、16進数:「#3B5998」、RGB:「59、89、152」です。また、Facebookの青は、赤が約23%、緑が約34%、青が約59%の中濃紺色となっています。

Facebookサイト内では、ダークブルー、ミディアムブルー、ライトブルーなども用いられています。このようないろいろなバリエーションの青色を効果的に使っているのが、Facebookの特徴です。

 

LinkedIn

LinkedInのコーポレートパットは、青、黒、白の三色で構成されています。LinkedIn Blueと呼ばれる青の色合いは、ブランドのアイデンティティの中核です。LinkedInが青を選んだ理由はいくつかあるかもしれませんが、そのうちの1つは、多くの人が無意識のうちにインターネットを介したネットワーキングやコミュニケーションツールに関連付けていることですまた、LinkedInのクリエイターの中にはPayPalのトップマネージャーがおり、PayPalの青に近い色を選んだのは、当然かもしれません。

LinkedInが使用している青色は、16進数:「#35465d」、RGB:「0、119、181」です。

 

Twitter

サービスが公開される2006年まで内部ネットワークサービス用の試作品としてダークグリーンとライトグリーンの色とキャラクターの露のしずくを特徴とする自然に触発されたロゴを使用していました。サービス公開の2006年からはマスコットである鳥に青色を使用しています。この青色は、天気の良い日の空を表現するためにも用いられています。
Twitter history

青は、信頼性を与えやすい色であるため、リアルタイムでトレンドの話題を見つけることや現在のイベントの情報をツイートする際にTwitterを頼りにしているような感覚で利用することができる安心感を与えるのです。

Twitterが使っている青色は、16進数:「#1da1f2」、RGB:「29、161、242」です。

メインカラーとして、鮮やかで魅力的な青を使っていますが、背景色にはほのかな色合いの青色が用いられており、Twitterのサイト全体でブルーの濃淡を活用しています。

 

まとめ

基本的にどんな色であっても、色の持つ意味・与えるイメージなどを理解することで、「色」の持つ効果を最大限に発揮することができるでしょう。

ソーシャルメディアのように、コミュニケーションを重視したサイトの場合には、「安心・信頼」などの印象を与え、ジェンダー・ニュートラルであり、人々の接点を育みやすい青色がは安心して活用できる色になります。

SNSを活用した、グローバルマーケティングでお困りのことがありましたら、ぜひ私達にお気軽にご相談下さい。さまざまな角度からの視点を持ったSNS運用を行っています。

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吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。