多言語サイト制作、やってはいけない”8つの過ち”
~貴社のウェブサイトは大丈夫?~
現在、ワールドワイドウェブ(www)上に存在するウェブサイトの数は、18億4800万以上存在し、現在でも1秒間に4つほど増加しています(2021年4月時点)。しかし、それらすべてが効率的で魅力的なウェブサイトとは限りません。デザインはもちろん、レイアウト、ナビゲーション、コンテンツ、ユーザーエクスペリエンス全てウェブサイトに必要な要素です。
しかし、一部の多言語サイトは、成功するための基本的なルールを尊重していないのが現実です。ユーザーの存在を忘れ、サイトを訪問者の心理に沿っていないウェブサイトです。
多言語ウェブサイトは企業の「ブランド・品質・企業理念」などを伝え、ユーザーの心を動かし、有効なリードを生み出す重要なツールです。しかし、複雑化する購買プロセスに加え、海外市場をターゲットにする場合、ユーザーの心を捉え購買までスムーズに進めるためには、緻密な戦略が必要となってきます。
あなたの多言語サイトは、果たして顧客を惹きつけるWebサイトになっているでしょうか?
今回は、多言語サイト制作を構築・運用する際に「やってはいけない“8つの過ち”」をご紹介します。
「多言語サイト制作、やってはいけない”8つの過ち”」
伝わりづらいメッセージ
B2Bサイトでは、堅苦しい「専門用語・実績・統計」などたくさんの数値を掲載する必要があります。しかし、最も重要なことは、サイトを訪れたユーザーが自社のウェブサイトに到着したとき「何を提供するサービスなのか・どんな理念に基づいた企業なのか・なにを社会に提供しているのか」を、瞬時に伝え、理解できるサイトでなければなりません。
魅力的なキャッチコピーが人を惹きつけるように、ストーリーが明確で魅力的な企業はユーザーに「ポジティブな印象」を与えます。サイトを訪れた際の数秒の間に、視覚的にストレスなく正確に「サービスや製品・ストーリー」を伝えられていない場合、それはウェブサイトになにかおかしなところがあるサインかもしれません。
商品やサービスを一生懸命伝えようとするあまり、コンテンツに偏りはありませんか?
相手に何を伝えるにせよ、企業として間違いなく伝えるべきストーリーがあります。ただ単調な商品サイトになってしまったり、企業理念だけを猛烈にアピールするような偏ったウェブサイトでは、人々を虜にすることは出来ないでしょう。人生に物語が必要なように、ブランドにはブランドのストーリーが必要であり、それが親しみやすく、面白く、魅力的であればあるほどユーザーとの信頼関係は強固なものになります。
「対話」を忘れてしまった!
貴社にとって、ウェブサイトを運営する目的はなんでしょうか?
間違っても自社の製品やサービスを紹介・自慢するためのウェブサイトではないはずです。そもそもウェブサイトを通して「誰と」対話しているのか、その相手が何を求めているのかを把握しておく必要があります。
B2Bウェブサイトは、オーディエンスに役立つ情報をシンプルに伝えるための情報源です。もちろん魅力的なデザインで自社を表現する必要がありますので、「素晴らしいキャッチコピー・デザイン」「心を惹きつける演出」は製品やサービスの内容に合わせて組み込む必要があります。ユーザーにとってウェブサイトとは、有益な情報・魅力的なコンテンツ・問題解決に役立つソリューションなどが得られる場所なのです。
昨今、実に多くのB2B企業のウェブサイトが、ユーザーとの対話を重視することなく、退屈な自社商品のプレゼンテーションを延々と繰り返しているように見受けられます。そんなサイトが聴衆を惹きつけることができないのは当然ではないでしょうか。魅力的なB2Bウェブサイトとは、「誰」と「どのように」対話するかをベースに構築することが、とても重要なポイントの1つなのです。
ナビゲーションが最悪…
B2Bウェブサイトのナビゲーションは、ユーザーが適切なコンテンツに簡単にたどり着けるよう設計されていなければなりません。レイアウトにおいて一番重要な点は、閲覧時にユーザーが意思決定に必要なものにきちんと焦点が当てられていることです。
B2B企業のウェブサイトでは、多くの無意味なナビゲーションや、複雑すぎて作業が困難なナビゲーションを見かけることがあります。たとえ多種多様な製品やサービスを持つ企業だったとしても、ナビゲーションを合理化し、わかりやすい情報提供をすることは十分に可能です。
ユーザーがそのサイトで感じる印象はその後の購買行動に影響を与え、ひいては売上高をも左右するインパクトをもっています。しかしながら、多くのB2B企業はこの「ユーザーにとって最適なレイアウト設計の重要性」を理解していないことが多いようです。時代遅れの外観やわかりにくいナビゲーションは、ユーザーをすぐに遠ざけてしまうでしょう。
できれば、3クリック以下でサイトの目的の場所にアクセスできるように設計しましょう。
専門用語だらけのガチガチ高密度コンテンツ!
B2B企業の多くのウェブサイトは、コンテンツを詰め込みすぎて、あまりにも堅苦しくなることがあります。サイトを訪問するユーザーは、実際の生きている人であり、ロボではありません。生身の人間を相手にしていると思えば、ウェブサイトコンテンツに登場する専門用語を注釈で説明したり、配慮の心が生まれます。しかし、そうではなくユーザーの体温を考慮せずにウェブサイトを構築すると、、誰かの問題解決をサポートするのでなく専門知識をふんだんに散りばめ鉄壁の守りで固められたガチガチのウェブサイトになってしまうのです。
B2Bであろうと、B2Cであろうと、複雑であろうと、単純であろうと、顧客は購買ファネルの各段階でコンテンツを必要としウェブサイトは全ての段階で顧客のニーズに対応しておく必要があるのです。
不適切なCTA(行動を促すフレーズ)
行動を促すフレーズ(CTA)は、サイトを訪問したユーザーに求める「行動」を明確に示します。CTAは、ユーザーがサイトを回遊する際の重要な手掛かりです。ウェブサイト上ですぐに見つけやすいものでなければなりません。
見つけやすいCTAは、ウェブサイト上のどの位置に表示されていても、デザイン・配置・色などによってほかの部分とは明らかにデザインが区別されるようデザインをする必要があります。
具体的には「問い合わせ」「商品購入やトライアルの申込」「資料請求」「メルマガ登録」「セミナー申込」などが該当しますが、これらのCTAボタンの設置はサイト設計を行う時点で重要なポイントのひとつとなります。
モバイル最適化されていない
2015年に、Googleはモバイルフレンドリーなアルゴリズムに変更されました。これは、モバイルフレンドリーでないサイトは検索結果で上位に表示されないことを意味します。また、EricssonMobilityReportのスマートフォン分析レポートでは、全てのウェブトラフィックの半分以上がモバイルからであり、2025年までに25%増加すると予測されています。つまり、この時代において、モバイルに最適化されていないB2Bウェブサイトは過去の遺物でしかありません。
ユーザーは、移動中や寝る前のリビングでモバイルからインターネットにアクセスし、必要な情報を得ているのです。モバイルを軽視するサイトは訪問者の多くを失うことに繋がります。こうした検索行動のトレンドを理解することは非常に重要であり、サイトを成功へ導くための道筋とも言えます。
入力項目が多すぎるお問い合わせフォーム
取得したい情報がたくさんあるとはいえ、お問い合わせページの入力項目が多いと顧客が離脱する可能性が高くなる傾向があります。せっかくフォームまで誘導できたにも関わらず、あまりにも多くの情報を求めすぎて離脱してしまっては、あまりにももったいないです。
初対面の相手に、ぶしつけに根掘り葉掘り質問をぶつける人は、いませんよね?
ウェブサイトのフォームは、氏名や電子メール、会社名など基本的なフォームフィールドを持っている必要がありますが、フィールドが多ければ多いほど相手の負担が大きくなることを覚えておきましょう。あなたが知りたいほとんどのデータは、見込み客が顧客になる準備ができたときに収集することが可能ですので、原則として、絶対的に重要でない限り、お問合せフォーム上で多くを求めないことです。
表示速度が遅い
Webサイトの読み込み速度は来訪者が離脱する大きな原因になりす。いかに素晴らしいデザインであっても、表示に4秒も5秒もかかっていたら多くのユーザーはサイトから離れてしまうでしょう。ユーザーエクスペリエンスに関して、2度目のチャンスはありません。潜在的なオーディエンスの80%は再度ウェブサイトを訪問することはありません。また、Googleはウェブサイトの表示速度は表示ランク付けにも影響を及ぼすと言及しています。
ウェブサイトはユーザーエクスペリエンスを最大化することが重要であり、訪問者がどれだけ早くページを読み込めるかは、魅力的なサイトである1つの要因となります。
Googleが無料提供しているWebサイトのパフォーマンスをテストするためのツール「Page Speed Insights」などを活用して、ウェブサイトの表示速度を完全するなどページスピードの改善に尽力しましょう!
さいごに
いずれもシンプルかつ基本的な内容ですが、B2B企業のウェブサイトでは実際に実行されていないポイントが多く見受けられます。どんなときも、サイト訪問者の心理に寄り添うこと、相手の立場に立って考えることが重要なポイントとなるでしょう。一つひとつ解決しながら成功へと導いていきましょう。
なお、日本から海外からのサイト訪問ユーザーの心に寄り添うことが私達は得意です! 海外向け多言語ウェブサイトやサイトリニューアルでお困りのことがありましたら、ぜひ私達にお申し付けください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。