Weibo(ウェイボー) vs WeChat(ウィチャット)違いを徹底比較!
~中国2大SNS攻略法を探る~
中国マーケティングには欠かせない存在となっているSNS。
中国圏の人々が、情報収集や共有、コミュニケーションツールとして毎日活用しています。中でも、特に人気があるのが「Weibo(微博/ウェイボー)」と「WeChat(微信/ウィーチャット)」です。呼び名が似ているこの2つのSNSは、具体的にどのような違いがあるのかご存知でしょうか?
今回の記事では、中国向けマーケティングに取り組む際に知っておきたい、「WeiboとWeChatの違い」を基本機能からマーケティング施策の活用法まで詳しくご紹介いたします。
目次
- Weibo(ウェイボー)とは?
- WeChat(ウィーチャット)とは?
- Weiboをマーケティング施策に活用するには?
- WeChatをマーケティング施策に活用するには?
- WeiboとWeChatを比較!どう使い分ける?
- さいごに
Weibo(ウェイボー)とは?
< Weibo公式サイト >
Weiboは、中国では広く普及しているソーシャルメディアです。最新ニュースを入手したり、お気に入りの有名人やブランド・企業の最新情報を閲覧したり、トレンドをキャッチりたりするために使用されており、TwitterやFacebookと似た使い方をします。
中国語では「微博」と表記し「ミニブログ」という意味を持ち、他のユーザーが行った投稿に対して、評価・反応・シェアなどを行います。基本的に個人が多数へ向けて「情報発信」する目的で使用されており、テキスト・画像・動画・音楽などを投稿できるほか、動画視聴・ゲーム機能・ライブ配信・ウォレット機能などを使用することができます。
2023年9月時点で月間アクティブユーザー数は6億5,000万人に達し、前年同月比で2,100万人増加しています。デイリーアクティブユーザーは2億6,000万人で、こちらも前年同月比800万人増加しています。また、特筆すべき特徴は月間アクティブユーザーの95%は、モバイル経由のアクセスが占めており、ほとんどのユーザーがモバイルからアクセスしています。
中国のSNSと言えば、WeChatというイメージが強いため、Weiboは置き去りになりがちではありますが、ユーザー数も多く、広告費が安く、拡散性に優れているため、中国に向けたデジタル施策を検討する際には検討すべきSNSの1つです。
WeChat(ウィーチャット)とは?
WeChatは、Tencent(腾讯/テンセント)という中国の会社が運営するSNSで、LINEやメッセンジャーのように「メッセージングアプリ」としての基本機能を持つものです。
Weibo同様に日本人にとって、あまり馴染みのない WeChat ですが、世界で5番目にユーザー数が多いソーシャルプラットフォームであり、その数は2023年4月の時点で13億1,300万人に達しています。月間アクティブユーザーは約11億人、中国国外にも推定1億人以上のユーザーがおり、中華圏コミュニティから強い支持を得ています。また、利用ユーザーの73%は、35歳以下の若年層となっているのも特徴です。
現在20以上の言語が利用可能で、200の国と地域をカバーしています。
WeChatの使い方は、個人ユーザー同士が友人・家族との交流を目的に利用するほか、ショッピング・予約・送金・決済・ゲーム・税金の申請など、日常生活の中のさまざまな場面で利用されており、「生活に欠かせないツール」として、生活インフラの一部と言っても過言ではありません。
中国政府は新型コロナウイルスの感染防止対策の際に、WeChatのデータを活用して「コロナの市中感染状況をリアルタイムで配信するサービス」や「健康状態を可視化するサービス」など、コロナ感染防止にWeChatのデータを活用しました。
Weiboをマーケティング施策に活用するには?
Weiboは、中国市場での認知度を高めるための優れた方法の1つです。特にBtoC企業には親和性の高いプラットフォームと言えるでしょう。では、Weiboを活用するための具体的な方法を見ていきましょう。
公式カウントを開設する
Weiboで開設できるアカウントには「一般アカウント・個人公認アカウント・企業公式アカウント」があります。企業がマーケティング施策の1つとしてアカウントを開設する場合、「企業公式アカウント」を取得することになります。
企業アカウントでは、マーケティングイベント、プロモーション、広告キャンペーン、決済処理などを行うことが出来ます。
企業情報を発信する
多くの個人ユーザーたちは、Weiboを情報収集の場所として活用しています。最新のニュースを得たり、興味のある企業をフォローしたりすることで、自分好みの情報を手に入れて、ときには友達にシェアします。
企業アカウントを通じてWeibo上から情報発信していくことは、莫大な数にも上るユーザーの間で拡散される可能性があるという、大きなメリットがあります。
4つのツールを活用する
Weiboには、企業がプロモーションを行うために、「フィード広告・イベントツール・アドネットワーク・ファンコネクト広告」の4つのツールが用意されています。それぞれ、次のようなことが行えます。
- フィード広告(粉丝头条) … タイムライン上などに広告が配信できます。ユーザーの属性ごとにターゲットを絞って配信することが可能です。
- イベントツール … キャンペーンツールです。フォローすればクーポンプレゼント、商品のサンプルを配布するなどの方法で、Weibo内で効果的に集客ができます。
- アドネットワーク … KOL(インフルエンサー)に情報発信やシェアを依頼し、拡散してもらうことができます。
- ファンコネクト広告(粉丝通) … フォロワーに対して、ダイレクトメッセージを送ったり、有料コンテンツを配信したりと、フォロワーとのコミュニケーションを密にとることができます。広告を配信するためには、認証されたアカウントが必要です (中国・海外ライセンス共に有効)。
アカウントのデータを分析する
この企業公式アカウントを取得することで、企業はマーケティング活動が効率的に行えるようになります。例えば管理画面からの業界分析や、フォロワーの属性、投稿コンテンツの人気度の分析など、PDCAを行い運用していくことが可能です。また、アンケート機能も使用可能で、ユーザーに向けてアンケートを実施、ユーザーインサイトを取得することもできます。
巷では「Weiboはもう古い」などと囁かれているところもありますが、まだまだ成長し続けている人気のソーシャルメディアなのです。このWeiboは、中国だけでなく海外からも、マーケティングツールとしてももちろん活用されており、既に日本でも多くの企業がWeiboを用いた中国マーケティングを実施しています。
WeChatをマーケティング施策に活用するには?
WeChatもWeibo同様に、企業やブランドのマーケティング施策として活用することができます。具体的な方法を見ていきましょう。
公式アカウントを開設する
「公式アカウント」を開設することで、「テキスト・写真などの配信・フォロワーへの定期配信・フォロワーと直接メッセージのやり取り・広告機能の活用・ユーザーの管理」など、WeChatユーザーに向けて様々なマーケティング施策を行うことが可能となります。
公式アカウントには、サービスアカウント・購読アカウントなどの種類があり、契約するサービスアカウントの種類によって、利用できるサービスの範囲が異なります。そのため、自社の目的に合ったサービスを契約する必要があります。こちらのブログで詳しくご紹介していますので、詳しくはこちらのブログも併せてご覧ください。
WeChat広告を活用する
WeChatにもさまざまなタイプの広告が用意されており、企業やブランドはWeChatが展開する広告を活用してユーザーにアプローチすることが可能です。
WeChatで活用できる広告は主に「モーメンツ広告・公式アカウント広告・ミニプログラム広告」です。モーメンツ広告は投稿記事のようにユーザーのタイムラインに自然な形で配信することができます。また、公式アカウント広告は記事底部へのバナー広告、動画閲覧前に挿入する動画広告などを配信することが可能です。ミニプログラム広告はアクティブなユーザーに対してミニプログラム内にバナー広告やポップアップ広告などを配信することができる効果の高い広告です。
では、具体的には「Weibo」と「WeChat」はどのように使い分ければいいのでしょうか?それぞれの特性と使い分け方をみていきましょう。
WeiboとWeChatを比較!どう使い分ける?
先にも紹介したように、この2つのSNSの大きな違いは、「TwitterやFacebook」と「LINEやメッセンジャー」との違いに似ています。「情報発信をするのをメインとしながら、情報をシェアし合うことで交流するのか」、それとも「チャットの会話を通じて直接、情報交換・コミュニケーションを取るか」が大きな違いになります。
WeiboとWeChatのユーザーの利用用途に合わせて、中国へのマーケティングを変えていくことで、より成果を上げることができると考えられます。
Weiboは「公式情報の発信」向き
企業がWeiboを使用して中国におけるマーケティング活動を行う場合、「情報発信の源」としての利用価値があります。特にBtoC企業に親和性が高く、商品、サービス、見どころなどのニュースや情報の発信源として利用されています。
TwitterやFacebookの公式アカウントページから情報を発信していくのと同様に、Weiboは情報の拡散に長けていることから、自社のブランド認知の拡大やブランドイメージの強化に向いています。
メインユーザーは「17〜33歳」が月間アクティブユーザーの80%を占めており、更にその50%以上が3級都市や4級都市に住んでいる比較的若いユーザーに人気があるSNSです。加えて、プラットフォーム上で実名を使用する必要がないため、匿名で利用しているユーザーも多くいます。
WeChatは「既知サービス告知・ファン集め」向き
WeChatは、広く情報発信するというよりも、既に認知されているサービスの告知や、ファン・コアユーザーを集客することに長けています。WeChatは友人や家族などとのコミュニケーションツールとして利用されています。
WeChatでは、日本のLINE同様にユーザーと直接チャット画面を通じてコミュニケーションできるため、一人一人に親密なメッセージを発信することも可能となります。
メインユーザーは、25〜54歳が中心となっており、Weiboと比較すると年齢層は高めになっています。
Weiboは、不特定多数のユーザーに対してキャンペーンを告知し、店舗へ誘導するのが得意である一方、WeChatは、チャットやクーポン配布などのやりとりをしてファンになってもらい、オフラインの実店舗へ誘導するといった使い方などが可能です。
さいごに
WeiboとWeChat、この2つのSNSはどちらも中国人ユーザーたちを魅了し、最新情報を取得するのに便利なツールであることにおいて共通しています。中国デジタルマーケティング施策として「Weibo」と「WeChat」が候補に挙がった場合、達成したい目標を明確にし、目標によって使い分けましょう。ともに多くのユーザー数を誇り利用率の高いSNSです。その活用法は無限大といっても過言ではありません。さまざまな機能・アイデアを駆使して、自社にしかできないマーケティング活用法を見つけることは、中国市場攻略の近道となるでしょう。
「自社に中国人スタッフはいないけど、マーケティングで中国市場を狙いたい」とお考えでしたら、ぜひ私たちにお申し付けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。