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2024年09月13日

海外向けGoogle広告の基本
~概要・市場動向・広告運用のポイントを解説!~

Google広告の基本 概要から広告運用のヒント_KV

1997年に「Google検索」が導入されて以来、Googleは検索エンジン市場を独占し、2024年、親会社のAlphabet社の時価総額は1.7兆米ドルを超え、世界最大級のインターネット企業となりました。

Google検索は、一日35億回以上の検索、毎秒4万を超える検索クエリを処理しています。

新型コロナのロックダウン影響で、今までデジタルに触れていなかった人々がデジタルデバイスを活用するようになり、「デジタル広告」とは無縁だった企業が活発にデジタル広告をはじめました。低コストから始めることができ、自分が狙ったターゲットにピンポイントでアプローチすることができるデジタル広告は、世界中のユーザーに対してオンライン上でビジネスを宣伝するための優れた方法の一つです。

そんな、デジタル時代における必須のマーケティング施策ともいえる、Google広告。今回は、Google広告の仕組みから、海外向けGoogle広告を成功させるためのヒントなど、海外向けGoogle広告を始めるために知っておくべき情報をお届けします。

 

目次

 

Googleの世界シェア

Googleが提供するさまざまなサービスは、今や私たちの生活に欠かせないデジタルインフラの一つです。日本国内でも多くのユーザーが利用するGoogle検索エンジンは、世界でも20年以上にわたり圧倒的なシェアを誇る世界最大級の検索エンジンです。

2024年8月の時点で世界の検索エンジンシェアの90.5%を占め、非常に人気が高いことが分かります。また、デバイス別のシェアを見てもデスクトップでは79.6%、モバイルでは94.6%を占めており、圧倒的に高いシェアを誇っています。

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

Google検索エンジンは全世界のトラフィックの92%を占め、Googleが提供する地図サービスはナビゲーション市場の89%。YouTubeは動画市場の73%を占めるなど、「Google」はデジタル市場において大きな影響力を持つ存在です。

とはいえ、中国のようにGoogleが利用できなかったり、ロシアは「Yandex」、韓国は「Naver」など、その国や地域によって利用されている検索エンジンは異なります。自社のターゲット国の市場動向などを見ながら適切に判断していくことが大切です。

 

Google広告とは?

「Google 広告」は、世界最大級の検索エンジンサービスを提供する”Google.com”の検索結果に連動して表示される、クリック課金型の有料オンライン広告プラットフォームです。

Googleの検索結果ページやGoogleと提携しているウェブサイトにも広告を掲載することができ、「テキスト広告」を中心に「イメージ広告」「動画広告」「リッチメディア広告」など、さまざまな形式の広告を出稿することができます。低予算から始められるうえ、ターゲットを絞った効果的なアプローチができるため、デジタルマーケティング施策を検討する場合、まず最初に施策として挙げられるのがGoogle広告です。

 

Google広告の仕組み

Google広告はクリック課金型の有料広告サービスです。

特定のキーワードをターゲットにして、そのキーワードに対して入札単価を設定します。入札単価は上限を設定することで、支払う金額を設定し調整することができます。

ユーザーが広告をクリックした分だけ料金を支払う「クリック単価(CPC)」や、1,000回の広告表示ごとに料金を支払う「インプレッション単価(CPM)」などの支払い方法があります。

また、一日に使用する金額の上限単価を設定し、その単価を超える場合は自動で広告表示を停止できる仕組みになっているため、クリックがなければ料金が発生せず、無駄なコストを支払う必要はありません。さらに「ブランド認知を高めるため」や「異なるターゲットに訴求するため」など、さまざまな目標を設定した運用を行えるため、効果的な広告を運用を行うことが可能となります。

 

海外向けGoogle広告の種類

海外向けに配信できるGoogle広告は、大きく分けて5種類あります。詳しく見ていきましょう。

海外向けGoogle広告の種類

1.検索連動型広告(リスティング広告)

リスティング広告は、ユーザーの検索結果のページ上部に表示される広告です。左上に「広告(Ad)」が表示されているものが該当します。テキスト文のみの表示となり、画像や動画などは表示できません。ユーザーが検索する語句(キーワード)に対して広告を表示させるため、ユーザーのアクション(コンバージョン)発生確率の高い施策です。

Googleリスティング広告‐サンプル

Tips

検索広告は、既に特定の商品やサービスを検索しているユーザーに表示されます。商品やサービスのキーワードの検索ボリュームが大きい場合や、初期予算が限られている場合などに有効な広告施策です。
商品や各市場の習慣や文化はもちろんのこと、消費者のオンライン行動を理解したうえで、適切な言語でキーワード選定や広告制作を行いましょう。海外向けに検索広告キャンペーンを実施する際は以下の点を考慮しましょう。

  • どのような人たちにアプローチするのか?
  • ターゲットユーザーの主要言語は何か?
  • その地域に留意すべき方言はあるか?
  • 潜在顧客はどのように商品を検索しているか?
  • 現地の消費者に購入を決断させる決め手は何ですか?

 

2.ディスプレイ広告

Googleが連携するウェブサイトやアプリなどに表示できるテキスト形式やバナー形式の広告です。「Google Display Network (GDN広告)」とも呼ばれています。

「ユーザーが過去に訪問したサイト」など、ユーザーの行動履歴に関連した配信や細かなターゲティングが可能なため、「商品やサービスを想起させる目的」などブランディング・認知拡大を目的として活用すると効果的です。一方、ニーズが顕在化していないユーザーにアプローチするためコンバージョンに関しては低い施策といえるでしょう。

Tips

商品やサービスのキーワードの検索ボリュームが大きくない場合や、ユーザーのエンゲージメントを高めたい場合、自社想起率を高めたい場合に適した広告施策です。ディスプレイ広告はプッシュ型、検索広告はプル型の施策となり、組み合わせることでより効果的なアプローチに繋がります。

 

3.動画広告(YouTube広告)

動画広告は、YouTubeやGoogleディスプレイネットワーク上のウェブサイト・アプリ、GoogleTVなどで動画広告を配信することが可能です。動画は情報量を多く含め、視覚的にアプローチできる広告であるため、近年の動画市場の拡大に伴い最も注目されている広告の一つです。

YouTube広告の種類はいくつか広告フォーマットが用意されています。自社のメッセージを最も効果的に配信できる動画広告フォーマットを選びましょう。

  • インストリーム広告:動画再生前・中・後に再生される広告。スキップ不可・5秒後にスキップ可などを設定できる
  • バンパー広告:長さは6秒、スキップ不可
  • アウトストリーム広告:Google動画広告パートナーでのみ再生される
Tips

広告で使用する動画は一定の品質基準を満たしている必要があります。宣伝するサービスや商品と関連性があり、宣伝対象の商品やサービス、エンティティを明確に示す必要があるため注意が必要です。
海外市場で適切な動画キャンペーンを実施するためには、ターゲット市場の文化的要素やユーザー行動を理解することはもちろんのこと、言葉のニュアンス、法的に許可または禁止されている言葉・行動、発話スピードについても熟考します。動画コンテンツは多言語に翻訳して使いまわすのではなく、国ごとにローカライズしたものを用意するのがベストです。

 

4.ショッピング広告

Googleショッピング広告は、画像、価格、店舗名が検索結果やショッピングタブに表示されます。自社の商品を視覚的に上位に表示できるため、購買意欲の高いユーザーに直結しやすいというメリットがあります。電子商取引を行う小売り業者にとって魅力的な広告フォーマットです。
Googleショッピング広告
< 赤枠がショッピング広告_Google内で”ヘッドフォン”を検索 >

Tips

ショッピング広告ではキーワードによるターゲティングの必要はありませんが、商品の詳細な概要・説明を含めることに重点が置かれています。

 

5.アプリ広告

アプリ広告は自社のアプリに興味のあるユーザーに対して、アプリのインストールを促したり、アプリ内でのアクションを促すことができる広告です。

アプリキャンペーンを利用することで、検索、Google Play、Youtube、Googleディスプレイネットワーク、Google検索のDiscoverなどで、アプリを宣伝することができます。アプリキャンペーンのアルゴリズムは入札額と品質スコアを考慮して、最も関連性の高いオーディエンスにリーチします。

 

海外向けGoogle広告で成果を出すためのヒント

Google広告で期待通りの成果を出すためにはいくつかのヒントがあります。

検索需要(ニーズ)を調べる

ユーザーがGoogle内で製品やサービスについて検索していない場合、いくら広告を配信しても成果を得ることは難しくなります。Google広告を試す前に、自社のサービスや製品がどれほど検索されているか(検索ボリューム)を確認しましょう。

無料のキーワード調査ツールである「Googleキーワードプランナー」などウェブツールを使用することで、検索ボリュームや自社に最適なキーワードを調べることが出来ます。キーワードプランナーで調査を行う場合は、検索ボリュームを確認するとともに、以下のことに留意してキーワード調査することをオススメします。

  • そのキーワードを検索している人が、製品やサービスが購入に繋がる可能性はあるか?
  • ユーザーはどのような意図でそのキーワードを検索していると考えられるか?
  • その結果、キーワードに広告を出稿する(お金をかける/投資する)意味はあるのか?

 

キーワード調査を行う

Googleは、ユーザーが検索したキーワードの「検索意図」に一致する検索結果を表示します。Google広告出稿におけるキーワード選定は、非常に重要となります。広告出稿する前にキーワード調査を実施し、ウェブサイトのランキングを高めるキーワードを戦略的に抽出しましょう。

また、Google広告を出稿する際には、検索キーワードの”どの範囲まで”広告をマッチさせるかを選択します。(マッチタイプ)

  • 「部分一致」:選択したキーワードの類義語や関連語など、検索した単語の順序に関わらず広告が表示される
  • 「完全一致」:選択したキーワード・順序に完全に一致したキーワードにのみ表示される
  • 「フレーズ一致」:2つ以上の言葉の組み合わせでも表示される。例えば「デジタル広告 海外」で指定した場合、「海外 デジタルマーケティング広告」でも表示される

広告の成果など、状況に応じて上記の範囲指定は変更することが可能です。

 

魅力的な広告文を作成する

Google広告では、「タイトル・見出し」はクリック率や獲得率に大きく影響するため、言葉の力が非常に大きな役割を果たします。タイトルや見出しは、ユーザーが最初に目にするものであり、検索結果ページの中で「魅力的な言葉の力で、行動(クリック)を起こさせること」が重要です。

対象となるキーワードを広告文に含め、ユーザーの検索活動の背景・意図を読み取り、スムーズにクリックしてくれるような魅力的なタイトル・見出しを考えましょう。

海外向けの場合、選択する言語によって文章が長くなったり、短くなってしまう場合があるります。広告文は必ずネイティブチェックを実施しましょう。

 

ランティングページを最適化する

ランディングページ(LP)は、広告をクリックした後にユーザーが最初に訪れるページを指します。顧客体験を左右する最も重要なページの一つです。

広告から流入してきたユーザーというのは、自社(もしくはサービス・製品)に興味を持ってくれたユーザーです。そのユーザーの購買意欲を高め、コンバージョンへと導くために最適化されたランディングページが必要となります。

例えば、広告の目的がコンバージョン(CV)だとします。

CV直前のページが貧弱だったり、LP内容が広告文と乖離している場合、ユーザーの離脱が発生します。コンバージョンせずにページからすぐに離脱(直帰)する事態、つまりクリック費用だけが発生しまう残念な結果となってしまいます。

Google広告施策の費用対効果を上げるためには、最適化されたランディングページが欠かせません。

 

品質スコアの向上に努める

Google広告を配信する際に最も注意する必要があるのが、「品質スコア」です。

品質スコアは、広告、キーワード、ランディングページの価値や関連性、過去のパフォーマンスなどを他の広告主と比べてどの程度優れているかを1~10で評価したものです。

品質スコアは、「予想クリックスルー率、広告の関連性、ランディングページのエクスペリエンス」の3つの要素のパフォーマンスの組み合わせに基づいて計算され評価されます。キーワードと関連性の高い広告を作成して、クリックスルー率の向上を目指しましょう。ランディングページのエクスペリエンスのステータスが「平均以下」または、「平均」の場合、ランディングページの更新を行うのも効果的です。

 

海外向けGoogle広告のご支援事例

株式会社クボタ計装様

お問い合わせの経緯

国内需要が頭打ちになる状況が見え始めたことに加え、顧客企業が海外に進出していくのに追随する形で、クボタの「重量式フィーダ」製品を、インド・中国に販路を見出していくことになりました。
弊社主催の海外マーケティングセミナーご参加後にご連絡をいただき、Google広告を含むリスティング広告を皮切りに、動画制作・LP制作・SEO施策と、数年にわたるプロジェクトのパートナーとして選んでいただきました。

成果

「Google・百度」のリスティング広告は、出稿開始から半期後にはウェブからの訪問者数が33倍に。その1年後にはさらにその3倍となり、スタート時と比較すると99倍という大きな成果となりました。さらに、インドからの問い合わせ数も約6倍に増え、着実に成果を伸ばしていきました。
また制作した海外向け動画・LPについては、重点ターゲット地域として設定している中国・インドの販売店から、「クボタの魅力がよく伝わってくる」といった意見が届き、また社内でも「ブランドの魅せ方としてとても格好良くなった」と好評をいただいています。

株式会社クボタ計装様の詳しい事例記事はこちらからご覧いただけます。

※競合他社様が弊社の事例記事を許可なく、ブログ記事内で自社事例のように紹介されていることがわかりました。弁護士を通じて通告を行っていますが、改善が見られないため、読者の皆様にはこの場にて注意喚起させていただきます。 クボタ計装様の事例は弊社のご支援事例になりますので、お間違いないようご注意ください。

 

京セラ株式会社様

お問い合わせの経緯

主に北米において「京セラ」と「ファインセラミックス」の知名度を上げるため、ファインセラミックスのB2Bグローバルサイト(英語)をリニューアルしたいと考えていた京セラ様から、サイト経由でお問い合わせをいただいた。その後、3社参加によるコンペで同グローバルサイトのリニューアルと共にリスティング広告を仕掛けることで知名度と問い合わせ数をアップさせるという提案を採用していただき、プロジェクトが発足しました。

成果

リニューアルサイトのローンチからすぐに問い合わせ数が増加に転じ、併せてリスティング広告をスタートするとさらに急増。当初は月に14件~15件くらいだったが、現在は安定して毎月平均80件から多い月では100件近いお問い合わせ数に。この成果が、会社全体の意識向上にもつながりました。

京セラ株式会社様の詳しい事例記事はこちらからご覧いただけます。

 

さいごに

低コストからはじめることができ、狙ったターゲットにアプローチできるGoogle広告は、アフターコロナ・DX時代には必須のマーケティング施策です。とりわけ、日本から海外市場のユーザーを狙う場合には、リスクヘッジ・ROIの観点からも効果は抜群といえます。

さらに、Google Analyticsと連携をしてデータ分析を分析したり、他のデジタル広告とマルチチャネルで戦略を練ったりすることで効果を飛躍的に高めることも可能になります。

インフォキュービック・ジャパンでは、BtoB/BtoC、業界を問わず海外市場向けリスティング広告の実績が多く、最も得意としているグローバルマーケティング施策の一つでもあります。もし「海外に向けたリスティング広告」にお悩みでしたら、ぜひともお声掛けください!

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吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。