海外マーケターが押さえるべきSNS 19選
~世界の主要SNS~
以前と比較して、インターネット上で過ごす時間が随分と長くなってきました。そして今後についてもインターネットに費やす(もしくは共に過ごす)時間は増えていきそうです。世界中でのネットインフラの整備や、宇宙規模での衛星コンストレーションの構築。インターネット時間が飛躍的に増加するなかでも大きな割合を占めるのが、SNS・ソーシャルメディアです。
2021年現在、世界には37.8億人のソーシャルメディアユーザーが存在し、わずか5年で32.2%増加しました。また2025年にはSNS・ソーシャルメディア利用人口は44億人を突破すると言われています。1996年、世界初のSNS「Bolt」が登場して以来、SNS・ソーシャルメディアは、「単なるコミュニティサイト」から「私たちの生活スタイルや働き方までも変えるような大きなデジタル産業」へと発達してきました。人々のコミュニケーションの場がソーシャルメディア上へと集約されていくSNS全盛ともいえる現代では、グローバルマーケティングを進めるにあたり世界の最新のSNSトレンドを把握しておく必要があります。
今回は、2021年「マーケターが知っておくべきSNS・ソーシャルメディア」をご紹介します。
2004年学生のコミュニティサイトとしてスタートしたFacebookは、月間アクティブユーザー数は、30億以上という圧倒的ユーザー数を誇る世界最大のソーシャルネットワークです。
世界で6500万社以上の企業がFacebookページを活用し、多くのBtoBビジネスに利用されています。最近では、コミュニティ機能・メッセージング機能に加えて「Facebookショップ」を介したEC事業への注力が進んでいます。米国のソーシャルメディアユーザーの15%が既にFacebookショップを利用して買い物を経験しています。
写真愛好家のケビン・シストロム氏によって2010年にサービスを開始したInstagram。2012年にFacebookに買収され、2024年4月時点の月間アクティブユーザー数は20億を突破しています。
Instagramは動画や画像を共有する非常に視覚的アプローチに優れたプラットフォームです。B2B企業の意思決定者の36.2%がInstagramを利用し、新製品やサービスの調査を行っており、ユーザーの90%がビジネスアカウントをフォローしています。Instagramユーザーたちの多くは「魅力的なビジュアルコンテンツ、最新のトレンド」を求めてInstagramを訪れます。ユーザーの興味・関心に訴えかけることで、顧客との良好な関係を構築することができるでしょう。
2大SNSを徹底比較!
「Facebook vs Instagram」
YouTube
動画プラットフォームのYouTubeは、2024年4月時点の月間アクティブユーザーは25億人を超え、世界で2番目にトラフィックを獲得している動画共有プラットフォームです。80言語でアクセス可能で、100以上の国・地域にローカライズされています。
企業はYouTubeで制作した動画を共有することによって、「ブランド認知の向上」や「ユーザーとの交流」が可能になります。企業の62%が動画を投稿するためのチャネルとしてYouTubeを使用しており、企業にとっても強力なマーケティングツールであることは間違いありません。
アメリカ発のインスタントメッセンジャーアプリであり、無料でテキストメッセージ・画像・音声ファイル・動画などを共有することができます。2024年4月時点の月間アクティブユーザーは20億人を超え、30を超える言語に対応しています。以前は一対一の通話しかできませんでしたが、グループ通話機能や24時間後に消える写真・動画・メッセージをシェアできるWhatsApp Status機能が実装され、海外では日常的に利用されています。
アメリカ圏はもちろんのこと、欧州やアジア圏でも多くの利用者を獲得しています。
日本では「転職・就職」といったイメージのあるLinkedInですが、海外ではビジネスに感心の高い人が集まるグローバルソーシャルメディアとして多くの個人・企業に活用されています。
着実にユーザー数を増やしつづけてきたLinkedInは、現在10億人・200の国や地域で利用されています。英語・中国語はもちろん、アラビア語やチェコ語など36の言語を網羅しています。世界中の幹部マーケターの91%は、「LinkedInが質の高いコンテンツを見つける最高の場所だ」と評価しており、ビジネスパーソンが多いLinkedInは、BtoBマーケティングにおいて欠かせないプラットフォームの一つとして浸透しています。
TikTok
2017年に中国企業のDyteDanceがサービスを開始して以来、短期間で爆発的な人気を博した動画共有プラットフォームがTikTokです。
2024年4月時点での月間アクティブユーザー数は15億を超えており、2020年のアプリダウンロード数は1位を獲得しています。短い動画を投稿、視聴するこのプラットフォームは、独自のアルゴリズムによって人々を惹きつけ、30代以下の若い世代に大きな影響を与えています。インフルエンサーマーケティングと非常に相性が良く、ターゲットとインフルエンサー、ニーズがマッチすれば非常に大きな可能性を持ったプラットフォームです。
また、中国版TikTokのDouyinは月間アクティブユーザーが7.5億人ほどおり、TikTok同様に中国で若者から絶大な支持を得ています。
Snapchat
カメラで撮影した写真や動画を友達に共有するチャットアプリで、2011年からサービスを開始。投稿した画像や動画は1秒~10秒で消去される仕組みで、海外の若者を中心に絶大な支持を得ています。2024年4月時点の月間アクティブユーザーは8億に急増しており、そのうち82%は34歳以下です。
広告活用やビジネスアカウントの開設も可能です。
Redditは、真の議論の場を作り出すために、人々にコミュニティを構築ツールとして、2005年に創設されました。
ユーザーがスレッドを立て、訪れたユーザたちの書き込みによって連日大きな賑わいをみせています。2024年第3四半期の業績発表では、デイリーアクティブユーザー(DAU)は、前年比47%増の9,720万人になったと伝えられています。
RedditにはReddit Adsプラットフォームを通じて広告を出稿することが可能です。Redditの詳細について下記の過去ブログ記事をぜひご覧ください。
画像やアイデアを検索・保存・購入できる画像検索プラットフォームである「Pinterset」は、月間アクティブユーザー5億2200万人を超える若者に人気のSNSです。
Pinterestユーザーの60%は女性で、42%をZ世代が占めています。Pinterestの強みは、ユーザーが「新しい商品やアイデアを探す」ためにPinterestを使用しており、他のSNSと比較しても購買意欲が高いユーザーが多く、5人に3人のユーザーがショッピングをするためにPinterstを利用しています。
さらに、Pinterestも他のソーシャルメディアと同様にEコマースを強化を実施しており、ヨーロッパと北米の一部の国では、ショッパブル広告を活用できるようになりました。
X
Xは日本ではお馴染みの、テキスト・画像・動画などが投稿できるソーシャルメディアです。
投稿できるテキストは140文字までと制限がありますが、非常に拡散力に優れており、ユーザーとのコミュニケーションツールとして多くの企業が活用しています。2023年4月に実業家のイーロン・マスク氏がTwitterを買収して、上場廃止したため正確なユーザー数は把握できませんが、全世界で4億2900万人のユーザーがいると言われており、そのうち1億600万人が米国にいると伝えられています。ユーザーの38%が18~29歳で、米国・日本・インドを中心にユーザー数が多く、「男性が70%、女性は30%」」とオーディエンスの4分の3は男性ユーザーが占めています。
Clubhouse
2020年に急速に人気を博した新しいSNSです。ポッドキャストやラジオとまではいきませんが、より個人的な情報をリアルタイムに会話できる紹介制の音声プラットフォームです。
Clubhouseに参加するためには招待コードが必要です。現時点では出稿できる広告もなく、現在のところインフルエンサーマーケティングが成功するキーとなるでしょう。
当初iOSデバイスのみが利用可能でしたが、現在はAndroidデバイスでも利用が可能です。
Parler
2018 年に「言論の自由を重視したプラットフォーム」を掲げ、人気を博したソーシャルメディアです。 Twitter・Facebook・Redditを組み合わせたようなSNSともいえ、ユーザーをフォローしたり、投稿にタグを付けたり、コンテンツを共有(エコー)したりすることが出来ます。対応言語は、英語・スペイン語・デンマーク語・ドイツ語・ペルシャ語です。
TwitterとFacebookが2021年1月トランプ大統領の個人アカウントの永久凍結を行った際に、「事務局に閲覧されることなく投稿ができるSNS」という触れ込みで多くのユーザーを獲得しました。情報分析企業Sensor Towerのデータによれば、2021年1月8日にはApp Storeで1番ダウンロードされたアプリだそう。その後、「Apple・Googleのモバイルアプリからの削除」や「AWSによるホスティングサービス停止」など紆余曲折ありましたがサービスは再開されています。現在の総ユーザー数は約1500万~2000万人と言われています。
Nextdoor
Nextdoorは2008年米国で設立された、近所や周辺地域に特化したソーシャルメディアアプリです。あらゆる地域コミュニティが、強く安全な関係を築くことをめざすなかで、現在は米国・イギリス・オランダ・ドイツ・オーストラリア・デンマークなど11カ国、26万の地域で利用されています。ユーザー数は1000万人以上。
一般的な利用方法としては、「近所の人との出会い」「中古品の売買」「イベント開催の告知」「行方不明のペットの情報共有」「犯罪情報の共有」などです。
世界中の多くの公的機関や企業がNextdoorを活用しており、地元コミュニティとの交流やブログ投稿などの情報発信として利用されています。広告を出稿することも可能です。
Flickr
米国発の「写真共有・保存・整理をするためのコミュニティサービス」です。世界中の写真家やグラフィックデザイナーの間で非常に人気が高く、「画像の共有」をはじめ「グループに参加して共通の関心を持つユーザーと繋がること」も可能です。拡散力が非常に高く、ユーザー数は6000万人に上ります。
Flickrの創業者であるダニエル・スチュワート・バターフィールド氏はビジネスコミュニケーションツール「Slack」の共同創業者の1人です。
中国巨大テック企業のテンセントが運営するメッセンジャーアプリとして2011年から中国でサービスを開始したWeChat。2024年4月時点の月間アクティブユーザーは13億4,300万人を突破し、20以上の言語で200の国と地域をカバーしています。
現在ではメッセンジャーアプリとしての機能はもちろん「ショッピング」「オンライン予約」「配車や飲食店での注文から決済」「ゲーム」「税金の申請」「オンライン診療」「健康格付けアプリ」など様々なサービスを展開しています。「生活に欠かせないツール」として中国の人々の生活インフラの一部となっています。
「WeChatミニプログラム」「WeiboやLINEとの比較」など、WeChatに関する詳しい情報については「WeChatブログ記事一覧」からどうぞ!
WeChatと同様に中国テンセントが提供しているメッセンジャーソーシャルメディアです。サービス開始はFacebookより5年も早く1999年。月間アクティブユーザーは6.93億人で、中国チャット文化を築いたと言われるほど、中国では長年使用されているSNSの1つです。
「音声を含むメッセージの送受信」はもちろんのこと、QQ空間(QZone)で「写真やテキスト、ブログの投稿」などが行えるほか「動画視聴」「オンラインゲーム」「音楽」「ショッピング機能」などを利用できます。学生などの比較的年齢の低いユーザー層が多くの割合を占めてるほか、弊社の中国人スタッフによると「QQはプライベートで利用されることが多く、WeChatは仕事用のツールで利用されることが多い」そうです。
「WeChat」と「QQ」の違いとは?
中国で人気のソーシャルメディア
中国版TwitterやFacebookと呼ばれ、中国で広く普及しているソーシャルメディアの1つです。月間アクティブユーザー数は5億2100万人、1日の平均アクティブユーザーは2億2500万人、アクティブユーザーの94%がモバイルからアクセスをしています。
ユーザーが行った「投稿」に対して「評価・反応・シェア」などを行うコミュニケーションツールであり、基本的に個人が多数へ向けて「情報発信」する目的で使用されています。テキスト・画像・動画・音楽などを投稿できる他、動画視聴・ゲーム機能・ライブ配信・ウォレット機能などを使用することができます。「企業公式アカウント」を解説することができ、企業の情報発信の場としても活発に使用されています。
Kuaishou
2011年に「快手 /Kuaishou」はGIFイメージの編集アプリとしてローンチされ、その後は「動画編集・共有アプリ」として進化してきました。中国の動画業界において、長期間に渡って業界トップに君臨し、2024年4月時点で快手の月間アクティブユーザー数は7億人を突破。30歳以下のユーザーが70%以上を占めています。
インフルエンサーマーケティングと非常に相性が良く、トップインフルエンサーは1日で数十億の売上を上げる強者も。広告の出稿も可能です。快手の海外サービス「Kwai」は、韓国やインド、ブラジルなどでも人気となっています。
中国ショート動画アプリ「快手」
「快手」を使ったECの始め方
VKontakte
ロシア最大のソーシャルメディアであり、月間ユーザー数は9000万人以上と言われています。Facebookと非常に似ておりチャットや写真、メッセージの投稿やシェアをすることができます。ダッシュボードのデザインもFacebookと非常に似ています。動画の投稿が非常に多く、YouTubeのような動画視聴を目的として使用することもできることが大きな特徴となっています。
使用可能な言語は全部で85言語。日本語にも対応しています。
まとめ
企業のSNSマーケティングを設計する際は、自社が狙うターゲットユーザーがよく利用するSNSの特性を把握することが大切です。ビジネスモデルに合わせて最適なSNSの特性を理解し、効果的に活用することでビジネスを大きく成長させるきっかけにすることができます。
海外ユーザーは日本人の想像をはるかに超えるほどSNSを活用しています。つまり、うまく活用することで海外市場の方がSNSマーケティングは大きな効力を発揮しうる可能性を秘めていえるともいえます。もしSNSを活用した効果的なグローバルマーケティングをご検討でしたら、ぜひ私たちにお申し付けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。