GLOBAL MARKETING BLOG

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2023年06月16日

SNS担当者が語る!
海外SNSマーケティングで直面する、5つの「課題」

デジタル化が加速する現代において、国境を越えたデジタルコミュニケーションを正しく設計することは、海外顧客とビジネスを結ぶ重要な役割を果たしています。優れたユーザーエクスペリエンス(UX)は、見込み客を集め、信頼を構築し、リードを獲得へと繋がり、ビジネスの新規顧客獲得にも役立ちます。

インターネットインフラ整備や低コスト化が進むに伴い、増加するソーシャルメディアユーザーは2023年、49億人、にまで増加しています。そして、今後2027年までのたった4年間で58億人まで増えると言われています。
人々は毎日「平均145分」をソーシャルメディアに費やし、起きている時間の15%はSNSの中で過ごしています。

このような時代の流れのなか、世界中の多くの企業は顧客との接点の1つとして、企業の公式SNSアカウントを開設し、顧客とのコミュニケーションを図っています。しかしながら、SNSマーケティングを熟知しないまま、ただプロジェクトを計画しSNSの運用を開始している担当者様も(実は)多いのではないでしょうか?

当たり前のことですが、世界中でこれだけ普及しているSNSは今は既にレッドオーシャン。昔のように、「単に記事を投稿していたら、フォロワーが増えた!」なんてことは、残念ながらありません…。アカウントを開設して、コンテンツがあればすぐにスタートできるSNS運用ですが、そこは、競合入乱れ、常に新しいコンテンツが投下し続けられる、消費されるという苛烈な戦いが繰り広げられています。

今回は、これから海外市場に向けてSNSマーケティングを検討中の企業担当者様、また「もう既にSNSマーケティングを始めてるけど…効果がイマイチ」というご担当者様に向けて、実際のお客様の海外向けSNSアカウントを運用してきた運用担当者から聞いた、SNSマーケティングを運用する上で直面する、5つの「課題」とその解決策をご紹介します。

目次

 

課題1:「目標達成は想像以上に時間がかかります」

「工夫を凝らしたツイート」
「話題のハッシュタグ」
「人々の心に訴えかけるコンテンツ」

ソーシャルメディア運用において、「1か月で数千人のフォロワーを獲得する!」ということは難しいと認識しておいた方がよいでしょう。早い段階でソーシャルメディアに参入した一握りの企業はすぐに沢山のフォロワーを獲得したかもしれません。しかし、先ほども述べたように多くの企業が参入する現在では競合との闘いは激しく、企業のSNSコンテンツに対するユーザーの目もますます厳しくなる一方です。

そのため「少量のキラーコンテンツを投稿し、数か月で結果を出す」といったことはほとんどあり得ないと思っておいた方が良いかもしれません。実際、SNSマーケティングの効果を実感するまでは継続的な努力と試行錯誤の連続が必要です。そして、SNS・ソーシャルメディア運用の成功を決めるのは最適なSNS戦略を立て、最適なコミュニケーション設計を行い、コミュニティー作りの成否にかかっています。

lightbulb- idea成功へのヒント:辛抱強く、一貫性を保ちながらSNS運用を続けましょう

SNSマーケティングを成功させるためには長期的な投資が必要です。チーム体制を整え、SNSの戦略案を策定し、定期的に見直すことを心掛けましょう。どのタイミングでどのコンテンツが刺さったか、1つ1つ丁寧に検証して改善を続けましょう。新しいキャンペンーンがあるときだけ投稿し、たまに見直す。それ以外はアカウントを放置する、なんてことは厳禁です。

 

課題2:「簡単に売り上げには繋がりません」

「ソーシャルメディアにコンテンツを投稿し、フォロワーを獲得できれば、後はコンバージョンが生まれて売上が上がるはず!」

残念ながら現実はそう甘くありません。魔法のように売り上げに繋がる仕組みはSNSマーケティングだけではなく、どんな施策、どんなチャンネルにも存在しません。それでも、そのような楽天的なことを期待してしまう人や、心のどこかでそう願っているSNS担当者も少なからずいるのではないでしょうか?

ソーシャルメディアはユーザーとのコミュニケーション設計や信頼関係の構築、売上に繋がるリードの獲得など、成功すれば非常に効果のある施策の1つです。ただ、SNSマーケティングにおける「ROI」を図ることは単純ではありません。日々淡々と「コンテンツを投稿するだけ」、「広告費を投下すれば良い!」という施策ではないことを覚えておきましょう。

lightbulb- idea 成功へのヒント:「SNS運用のゴール」と「ビジネスの目標」を合わせる

「ソーシャルメディアを活用して顧客満足度を上げるためには?」という質問は「ソーシャルメディアからいくら売上を稼げるか?」よりずっとシンプルで合理的です。ソーシャルメディアを企業の課題解決と目標を実現するための戦略の一つとして捉えることで、はじめてSNSマーケティングの効果を検証できるようになります。SNSマーケティングによって実現できるビジネス目標をいくつか挙げてみました。

  • ウェブサイトの流入を増やす
  • リードを獲得する
  • 顧客満足度を改善する
  • 商品調査や開発のための情報収集
  • 競合調査
  • ブランド認知を高める

各目標に対する適切な指標を一定期間、観察してみましょう。もし、ビジネスの目標に合わせてソーシャルメディアのゴールを設定できたのであれば、その効果を計測する指標も併せて確認しましょう。

「投稿のシェア数・投稿リンクのクリック数」以外にも、「サイトに流入した後のユーザーの離脱率」は追跡していますか?
「SNSから流入したユーザーの離脱率」と「他のソースから流入したユーザーの離脱率」を比較・検証を行っていますか?

ソーシャルメディアからの流入ユーザーの離脱率の方が低いのであれば、オーディエンスのターゲティングが正しく設定されており、ソーシャルメディアがビジネスに大いに貢献できていると判断してよいでしょう。

 

課題3:「興味・関心を示す人は、思ったほど多くない」

当たり前のことですが、全てのユーザーの心を掴むことは不可能です。しかし、実際に担当者が期待を膨らませ、「自分のビジネスが得るべきエンゲージメント数を過大評価してしまう」ということは、運用者であればしばしば起こってしまう事実でもあります。これは一生懸命にSNSマーケティングに取り組めば取り組むほど、陥ってしまうかもしれません。しかし、シンプルにSNSマーケティングは「長期戦」です。一喜一憂せずに、黙々とPDCAを繰り返しましょう。

lightbulb- idea 対策:ターゲットユーザーを洗い出し、そこに一点集中しましょう

プラットフォーム上の全ユーザーに対しての投稿ではなく、自社のビジネスにとって重要な人、つまり顧客、見込み客、ブランドのファンにしっかりと焦点を当てましょう。投稿に反応してくれるユーザーを分析し、関係を強化できる施策や、ユーザーが興味を示したコンテンツを増やすことに注力します。まずは「ターゲットとなるユーザーが、SNS上でどんな行動を取っているか」に徹底的にフォーカスしてみましょう。

lightbulb- idea 対策:より良いコンテンツを提供しましょう

ユーザーがビジネスアカウントをフォローするということは、貴重な「SNS個人フィード」への入場券を渡すようなものなのです。

  • ユーザーにとって価値があり、魅力的な投稿でしょうか?
  • ぼんやりとしたビジネスの売り込みになっていませんか?

コンテンツのクオリティーをチェックする簡単な方法は「もし私は一般のユーザーなら、このアカウントをフォローしたいと思いますか?」という質問を常に、毎回問いかけることです。

 

課題4:「無料で効果を得ることは難しくなってきています」

ソーシャルメディアもかつては「黄金時代=広告の力を借りなくても非常に高い効果が得られていた時代」もありました。しかし、多くの企業がSNSマーケティングを採用し、緻密な戦略を練って戦いに挑んでいる現在、「オーガニックリーチ数」は著しく低下しています。

さらに、ほとんどのSNSは高度なアルゴリズムにより、全ての投稿を単にフィードに表示されるのではなく、表示させるコンテンツを「選別」しています。したがって、投稿をできるだけ多くのユーザーに届ける一番効果的な方法は、戦略化されたプロモーションやSNS広告をオーガニックと組み合わせることです。

lightbulb- idea 対策:SNS広告を試してみましょう

お金を出して投稿を拡散すること・SNS広告を配信することは、「予算のある大きなブランドしかできない」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、戦略を持ち、正しいターゲティングやキャンペーン設定をしていれば、少額でも驚くべき効果を得られるケースも少なくありません。余裕があればぜひ少額でもいいので試してみてください。

 

課題5:「SNSマーケティングは、想像以上に重い仕事ですね…」

短期から長期の戦略立案、クリエイティブ制作、コピーライティング、編集、適切なデータ分析、改善点を見つけ出し、改善、改善、改善… 新しい施策を考案して、予算を確保して、、、、

SNSマーケティングを成功させることは、想像以上に多くの努力と時間を要するだけではなく、多くのスキルが必要になります。

「必要なスキル全てを持ち合わせた担当者に育てよう!」
「チーム全員採用しよう!」

と言える企業であれば良いですが、実際のところほとんどの企業は、社内でソーシャルメディアチームを立ち上げることは難しく、クリエイティブ制作と戦略立案をできる適任者を1人アサインするだけでも一苦労です。さらに、SNSマーケティングとなるとやらなくてはならない事が山ほどあります。もしもそれがグローバルビジネスのアカウント運用となると、適任者がもっと限られてしまいます…。

lightbulb- idea 対策:適切な人材に投資する

まずは、チームにとって「どのスキルが足りていないか」を洗い出しましょう。さらに、目標を達成するために「一番重要なソーシャルメディアスキルは何か?」を明確にします。その上で、社内で適任者を育てていくのか、社外から採用する必要があるのか、パートナー会社に仕事を依頼するのか、現在の状況を分析しましょう。

lightbulb- idea 対策:情報収集を通して学びましょう

SNSスペシャリストを外部から雇う?あるいは自分がスキルアップする?

どちらを選択するにせよ、ソーシャルメディアに関する知識を身に付ける必要があります。書籍はもちろん、インフォキュービック・ジャパンのブログはソーシャルメディアに関する情報やノウハウを毎月発信していますので、ぜひお手すきの際にチェックしてみてください。

 

おわりに

SNS・ソーシャルメディアは、現代のマーケティング施策では必要不可欠な要素の1つです。SNSマーケティングを正しく理解し、効果的に活用することでビジネスを大きく発展させるきっかけを作ることができます。「目標設定・戦略・クリエイティブ・効果検証」などを踏まえてSNSを自社のマーケティング施策としてにフル活用しませんか?

実は日本よりも海外市場の方がSNSマーケティングは大きな効力を発揮しうる可能性を秘めています。もしSNSを活用した効果的なグローバルマーケティングをご検討でしたら、ぜひ私達にお申し付けください!

ホワイトペーパー_海外SNSマーケティング入門

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。