VR・AR is Now!
「世界のVR・ARマーケティング事例3選」
2021年は、(いよいよ迎えた)VR・AR元年。
最近ニュースやテックトレンドとしてあがるVR(Virtual Reality、仮想現実/バーチャルリアリティ)。スマホゲーム「Pokemon Go」などスマホのカメラを通じて現実世界にバーチャル情報をかけ合わせるAR(Artificial Reality、拡張現実)技術。さらには、VR・ARをはじめとするMR(ミックストリアリティ:仮想空間と現実世界を違和感なく融合する技術)が急速に発展しています。
Statistaの調査によれば、2021年には307億ドル規模だった市場規模は、2022年には587億ドル、2023年には1,244億ドル、そして2024年には2,969億ドルに達すると予測されています。2021年からのたった4年間で、約10倍の規模になる驚異的な市場拡大です。
そうした環境のなかで、世界の企業はVR・AR技術をマーケティングに採り入れる戦略を取り始めています。Instagram・FacebookなどSNS・ソーシャルメディアでAR機能を使用するものもあれば、VRゲームを開発してメタバースビジネスを進める企業など、様々なイノベーションが起きています。VR・AR技術を使って、いかに新時代のユーザーの心をつかみファンを増やすか、お考えのマーケターの方も多いのではないでしょうか? 今後さらなる技術の進展が期待され、利用ユーザーも増加していくと見込まれる技術を、マーケティングに活用しない手はありません。
そこで今回は、世界に先駆けてVR技術をマーケティングに活用している事例をご紹介します!
はじめに -「VR・ARマーケティング」とは?
まず、VR・ARマーケティングとは何を意味するでしょうか? 今回取り上げるVR・ARマーケティングとは、仮想現実技術と拡張現実技術を企業のマーケティングキャンペーンやプロモーションに活用した施策を指します。
VR・ARマーケティングのなかには、「視覚的」のみならず「体感的」なVR技術を利用したものも含みます。FacebookのOculus Quest 2に代表されるVRヘッドセットは完全な没入型体験を可能にします。一方、世界的に人気のある「ポケモンGO」のようなゲームでは、デバイスによって生成された拡張(AR)デジタル画像が実際の映像にオーバーレイされます。VR・ARいずれにせよ、ユーザーはアプリやゲームのなかで、非現実的な体験をデジタル技術を通じて楽しむことができるのです。
では、実際にVRマーケティングを実践している企業にはどういった事例があるのでしょうか?
家具×AR「IKEA Place」
読者の皆さんも家具を買うときは、ショールームや店舗でサンプル品の「寸法やサイズ」を測り、自分の部屋の雰囲気に合うか色を確認したりしますよね?
スウェーデン発の世界的家具ブランド「IKEA」のARアプリを使ったことはありますか? このアプリをダウンロードして自分の部屋にカメラを向けることで、実際に家具を購入しなくても「自分の部屋がどういう感じになるか」を確認することができます。
「ソファ、椅子、カーペット」など複数の家具を選択して、カメラを通じて全体のコーディネートを事前に確認するで、購入した後に「やっぱり部屋に合わなかった…(涙)」という失敗を回避することができます!
このアプリはApp Storeでも5,600の評価のうち「5つ星」が満点のうち平均4.6であるなど、高い評価を獲得しています。「購入後のミスマッチを未然に防ぐ」という高いユーザー体験をもたらす、AR技術を巧みに活用したVRマーケティング事例といえるでしょう。
コスメ×AR「YouCam Makeup」
化粧品・コスメティックも、AR技術と親和性の高い産業です。
化粧品をデパートや店舗で実際に購入する際は、店舗のアドバイザーにサンプル品をいくつか提供してもらい、その使用感や色合いを自分の肌で試すのではないでしょうか?もしくは、最近はサンプルを取り寄せてから購入する方も多いかもしれません。
しかし、新型コロナウィルスの影響で外出が制限されるなか登場したのが、対面・実物でのトライアルを経なくても化粧品を試して購入することができるアプリです。
その代表格が「YouCam メイク(Makeup)」です。「YouCam メイク」の最大の特徴は、AR技術とAI技術を使い、自然な仕上がりの「バーチャルメイク」をユーザーに提供します。これは単なる画像加工ではなく、画面上の自分の顔に再現性の高いメイクを施し、“ナチュラルに盛る”ことができる技術です。
AR技術を活用することで、何度も化粧品を購入しなくても「メイクの上達をめざしたい」「もっと自分に似合う化粧品を見つけたい」という人の希望を叶えることができる画期的なアプリです。
※弊社スタッフが試しにアプリを使ってみました。
ファッション×AR「Machine A – virtual concept store」
「Machine A」はロンドンを拠点とするファッションコンセプトストアです。通常は店舗やブティックでデザイナーの作品展示を行っていますが、新型コロナウィルスに見舞われた2021年は対面型の展示はもちろんNG。
ここでMachine Aが活用したのがAR技術でした。ロンドン市街地に貼られたポスターのQRコードをスキャンすることで、ユーザーは仮想世界のブティックに入り、最新コレクションの鑑賞を可能にしました。ロックダウン下のロンドンで、「対面せずに企業やブランドがいかにユーザーと結びつき(エンゲージメント)を強めるか」という課題に応えたテクノロジーといえます。
このARアプリには、ショッピング機能は付属しなかったのですが、Withコロナ時代にユーザーエンゲージメントを高めることに成功したマーケティング施策と言えるでしょう。
まとめ
Facebookが「ソーシャルメディア」から「メタバース」からビジネスモデルを大きく転換するなど、VR・AR技術を取り巻く状況は今まさに大きく進展しようとしています。テクノロジーの発展とともに人々の生活のなかにもVR・ARが浸透するにつれて、今後ますますデジタルマーケティングへの活用の重要性が高まるばかりです。
今後デジタル・ネイティブ世代ともいえるZ世代がビジネスの中心となっていくなかで、世界のユーザーの心をとらえるグローバルデジタルマーケティングにお困りでしたら、ぜひインフォキュービック・ジャパンにお声掛けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。