解決したい課題から導き出す!
海外向けSNS運用の「目標設定と把握するべき指標」
世界のインターネットユーザーの約半数の45億人以上がソーシャルメディアを利用している現在、世界中の多くの企業がSNSマーケティングは非常に有効な施策の1つだという考えにたどり着いています。
しかしながら、実際の運用はそう簡単ではありません。SNSマーケティングを熟知しないまま、ただプロジェクトを計画し、とりあえずSNSの運用を開始してしまっているという企業は多く存在します。
当たり前のことですが、世界中でこれだけ普及しているSNSは既に「レッドオーシャン」。進むべき目標設定や戦略を持って運用しないと、ゴール達成に時間がかかってしまったり、そもそも達成自体が困難になってしまう可能性が高まります。
目標設定を「問合わせ数、商品購入といったコンバージョンの増加」にするべきか、「ブランド認知の向上のため、ウェブサイトへのトラフィック数の増加」にするべきか、はたまた「市場や顧客の状況把握」でしょうか?
今回はこの記事を通して、企業が解決したい課題から導き出す、適切な「目標設定」とその目標に対して「把握すべき指標」をご紹介したいと思います。
1.ブランド認知度の向上
- ブランドのイメージを改善したい
- 市場においてブランド認知度を高めたい
- ブランドを通して顧客との関係性を更に深めたい
- 競合との差をつけて、優位性を保ちたい
「ブランド認知の向上」とは、あなたのブランドやサービスを認識している人の数を増やすことです。前述したように現在、全世界のソーシャルメディアユーザー数は45億人を突破しており、「多くの人」が「多くの時間」をソーシャルメディアに費やしています。そのため、ソーシャルメディアを通じた「ブランド認知の向上」はソーシャルメディアを運用する上で、最も一般的な目標の1つです。
ブランド認知度を測定するための指標
フォロワーの増加率・シェア数・投稿へのリーチ・インプレッション
競合他社と比較して、どの程度話題になっていますか?投稿したコンテンツは日・週・月ごとに何人に届いていますか?ほとんどのソーシャルメディアはアナリティクス機能を実装しているので、長期的にデータを収集し分析、改善へと生かしていきましょう。
2.顧客エンゲージメントの構築
- 顧客との友好な関係性を築きたい
- ブランドを通じて問い合わせたユーザーにすぐに対応できるようにしたい
- カスタマーエクスペリエンスを向上させたい
- ブランドに忠実なファンともっと関わりたい
- 従業員をブランド提唱者として協力してもらいたい
- カスタマーサービスの人件費を減らしたい
多くの企業はコンバージョン獲得に向けたリード育成のため、エンゲージメント構築に重点を置いています。ユーザーとのコミュニケーションを取ることで、よりブランドを知ってもらう機会を創出することになります。また、FacebookやInstagramなどのアルゴリズムは、エンゲージメントの高い投稿を優先的にフィード内へ表示するようになっています。
FacebookとInstagramの機能やアルゴリズムなどの徹底比較はこちらで紹介しています!
エンゲージメント構築を把握するための指標
コメント・「いいね!」・シェア数・エンゲージメント率・CTR・ハッシュタグ追跡
ある程度ブランドを認知してくれたユーザーの要望や質問には必ず返答できるような体制づくりが必要になっていきます。ユーザーにとって役立つ情報を積極的に提供していきましょう。
3.ブランドの評判を把握・管理する
- 万が一、炎上してしまった場合に対応できるようにしたい
- SNS上で築き上げてきたブランドを保護していきたい
- SNS上でのブランドの評判を把握したい
- 考えられる脅威(誹謗中傷など)の具体的な対策案を練りたい
顧客とのエンゲージメントが増えてくると、ユーザーからのネガティブなコメントも少なからず発生するかもしれません。そのような局面でも、適切に対応していくことで、確立してきたブランドを守っていく必要があります。ソーシャルメディア上でのブランドの評価が、肯定的なのか、否定的なのかを分析し、観察することに焦点を当てます。
ブランドの評判を把握・管理するための指標
顧客満足度・ネット・プロモーター・スコア(NPS)・ハッシュタグ追跡・センチメント分析・ソーシャルシェア分析
インターネット上に落ちているありとあらゆる消費者の生の声を知ることで、マーケティングの改善点や成功するためのポイントなどが見えてきます。商品やサービスなどに対して、ソーシャルメディアに投稿された消費者の意見や感想を集めて分析し、マーケティングに反映させていきましょう。
4.売上やコンバージョンの向上
- ウェブサイトのへの流入を増やし購入をしてもらいたい
- SNSに限定したキャンペーンで商品やサービスのプロモーションをしたい
- SNSを通じてe-コマースの売り上げを伸ばしたい
- 潜在顧客を特定し、積極的に接点を作りたい
- ウェビナーへの参加申し込みを増やしたい
ブランディング施策よりも、より具体的なゴール・KPIが決まっている場合にこの目標を設定します。どのビジネスも、より多くのコンバージョンを獲得し、売上の向上を目指します。ソーシャルメディアプラットフォームは、人々の行動を促すための最適な場所の1つです。しかし、単にソーシャルメディア上でコンテンツを配信するだけでは、コンバージョンの増加や売り上げの向上には直結しません。魅力的なコンテンツや適切なCTA、配信タイミングを組み合わせましょう。
コンバージョンや売上の向上を測定するための指標
コンバージョン率・クリック率(CTR)・直帰率
ショッピング機能を搭載したSNSを利用する場合は、このゴール設定は最も効果を発揮します。Facebook ShopやInstagram Shop、Shopifyなどに有効です。
5.カスタマーサービスを提供する
- お客様に継続してサービスを利用してほしい
- 顧客満足度を向上させたい
- ソーシャルメディアをカスタマーサポートとして活用したい
- 定着率を高めたい
既に多くの企業がカスタマーサポートとしてのソーシャルメディア運用を行っており、今後も継続してソーシャルメディアを利用していくと見られています。ソーシャルメディアを活用して、優れたカスタマーサポートを提供することで、顧客満足度や収益、ユーザー定着率を高めることがわかっています。
カスタマーサービスの効果を把握するための指標
顧客からの質問数・応答時間・顧客満足度
ユーザーからの質問に対して円滑なコミュニケーションを取ることで、ユーザーの不満解消、競合他社との差別、顧客満足度の向上へと繋がるでしょう。インタラクティブなコミュニケーションを行う必要があるため、FacebookやTwitterを利用すると良いでしょう。
6.市場と顧客に関するインサイトを収集
- 顧客がブランドについてどう感じたり、思っているのかを知りたい
- 市場トレンドを理解して、そのインサイトをキャンペーンに活かしたい
- SNSがカスタマージャーニーにどう影響するのかを知りたい
- インサイト情報を使用した更なるサービス・商品開発をしたい
ソーシャルリスニングや分析ツールなどを用いることで、より各ユーザー層の傾向や業界全体の動向が明らかになっていきます。このような知見を活かしきれているのかどうかで他社との競争力を高められます。ソーシャルリスニングツールに馴染みがないという方には「世界のソーシャルリスニングツール」 を厳選してご紹介します。
市場と顧客に関するインサイトを収集するための指標
ブランドメンション・感情分析・関連ハッシュタグ分析・トレンド動向
目標設定に合わせた効果的な対応策とは?
戦略・企画・制作を通してブランドを確立
ブランド認知拡大やブランドの保護には欠かせないソーシャルメディア。戦略設計を実施し、企画を行い、コンテンツの制作を進めればそのまま成果はキャンペーンの効果に影響します。
- 明確な目標設定の枠組みとして「SMART目標」を設定します
- メインターゲットとなるユーザーのペルソナを把握しましょう
- 競合分析も忘れてはいけません
- 自社に合ったソーシャルメディアの選定を行いましょう
- ビジネスに合わせたゴール設定から運用するSNSの目標数値を導き出しましょう
- 投稿頻度やスケジュールは決定しましたか?
詳しくは下記ブログで紹介しています。
企業のSNS担当者は必見!
「企業SNS戦略、7つのステップ」
顧客と良好な関係を築き上げ、維持すること
SNS上ではユーザーと関わり、交流、すなわちエンゲージメントが頻繁に発生します。円滑なコミュニケーションと関係性を維持することでブランド認知の向上が期待できます。画面上でしか対話できないからこそ、より一層きめ細やかな対応が必要になってきます。
顧客との信頼関係を構築するためにも、しっかりとSNS戦略を立て、計画的に運用していきましょう。
ツールを駆使し、運用を通して得た情報を有効活用
ソーシャルメディア上で発信したコンテンツの内容に対するユーザーの反応もインサイト情報として大いに役立てることができます。実際に運用して蓄積されたデータを、目標と照らし合わせて、戦略がどのように機能したかを評価します。
FacebookとInstagramのリンクされたアカウントを1か所でまとめて管理できるMeta Business Suiteなど無料の分析ツールや、有料ツールなどを使用して常にパフォーマンス分析を実施しましょう。各ツールにはそれぞれ特徴があるため、チーム体制などを考慮して、自社に使いやすいものを選ぶことがポイントです。
まとめ
目まぐるしく進化し続けるソーシャルメディアですが、適切に活用することで、海外マーケットであっても、ブランド認知の向上・顧客との良好な関係の構築・新規ユーザーへのリーチなど、多面的なアプローチを実現することができます。自分たちが求めている成果や目指している目標を明確に設定し、戦略的に活用していくことで、その力を大いに発揮してくれることは間違いありません。
SNSを活用したグローバルマーケティングでお困りのことがございましたら、ぜひ私たちにお申し付けください。貴社に適切な目標を設定し、海外ユーザーに貴社の魅力を届けませんか?
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。