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2024年04月24日

海外向けSNSマーケティング成功のヒント
~2024年、最新SNS市場トレンドから効果的なSNS戦略や注意点など~

海外向けSNSマーケティング成功のヒント 2024

ネットインフラの整備や低コスト化が進むに伴い、世界中でインターネットの利用時間は飛躍的に増加するしています。その中でも大きな割合を占めると言われているのが、「SNS・ソーシャルメディア」です。Kepiosの調査によると、現在ソーシャルメディアのアクティブユーザーは、50億人を超え世界人口の62%以上がソーシャルメディアを利用しています。世界中の多くの企業もSNS公式アカウントを開設し、SNSマーケティングに乗り出しています。

当たり前のことですが、これだけ普及しているSNSを活用したマーケティング戦略は、既に世界中の多くの企業が実践していて、既に「レッドオーシャン」です。そんな中、正しい戦略で適切な運用を行わなければ、進むべき方向を間違えたり、目標達成にもの凄く時間がかかってしまったり、そもそも目標達成が困難になってしまう可能性も高くなってしまいます。

そこで今回の記事では、海外市場攻略の第一歩である海外SNSマーケティングに取り組む前に知っておきたい「基本知識」から「成功のためのポイント」「注意点」などを、最新のSNSユーザーデータを元に解説していきます。

 

目次

 

海外向けSNSマーケティングとは?

【2024年版】海外向けSNSマーケティング成功のヒント 海外向けSNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、自社のターゲットに最適なソーシャルメディアチャネルを活用し、製品やブランド、サービス、企業文化、企業の価値観を伝え、最終的に製品やサービスの購買や新規リードの獲得などの企業目標を達成するためのマーケティング活動です。

世界中の多くの人々が日常的にSNSを利用する現在、企業にとってソーシャルメディアはユーザーとの深い繋がりを構築するための重要なタッチポイントの1つです。ソーシャルメディア上でブランドに対するポジティブな体験をしたユーザーの71%は、そのブランドや製品を友人や家族に進める可能性が高いというデータもあることから、海外向けのビジネス戦略として「ソーシャルメディアの活用は避けては通れない施策の一つです。

世代別のソーシャルメディアユーザーの利用率は以下の通りです。

  • ミレニアル世代(1981~2000年):90.4%
  • ジェネレーションX(1965~1980年):77.5%
  • ベビーブーマー(1946~1964年):48.2%

年齢層が低くなるほど、ソーシャルメディアの利用率が高くなる傾向が顕著です。ミレニアル世代より若い世代では、生まれた時からスマホが傍にある生活を送っているため、「デジタルネイティブ」と呼ばれ、インターネットは生活インフラの一部として認識されています。

 

海外向けSNSマーケティングを検討すべき理由

海外向けSNSマーケティングを検討すべき理由

市場規模が大幅に縮小する「日本」

内閣府が公表している令和5年版高齢化社会白書によると、2019年時点で1.26億人であった国内人口は2031年には、1億2,000万人人を下回り、2070年には、8,700万人になると推測されています。加えて、65歳以上が増加を続け、2037年には国民の3人に1人が65歳という状況になると推測されています。

人口ピラミッドの比較 世界 vs 日本Hootsuite2022 use of social media for brand researchー海外進出の第一歩!海外SNSマーケティング成功のヒント~海外SNSマーケティング、知っておくべきこと~
<United Nation>

一方、世界人口は「これから購買力を持ち、経済を支えていくであろう若者層」の人口幅が厚く、消費者層の増加が見込まれています。特に東南アジア諸国・アフリカ諸国・米国においては、堅実な人口増加が見込まれており、「世界では商品を購入する消費者層が”増加する”」ことを意味しています。

そして、その若者層の多くは、小さいときからインターネットや携帯電話とともに育ってきたデジタルネイティブ世代です。

消費者行動の変化

テレビやマスメディアが重要な情報源であった時代とは異なり、近年ではソーシャルメディアを通じで新しい情報を取得する人が増えています。

2024年1月時点 ソーシャルメディアをブランドサーチに利用するインターネットユーザーの割合

特に近年では、GoogleやYahooといった「検索エンジン」で検索行動を行うのではなく、インターネットユーザーの73.9%が、商品やサービスを購入する際に「ソーシャルメディア」を利用しています。Z世代やミレニアル世代(16歳~34歳)はその傾向が顕著に見れられ、約80%がソーシャルメディアを使ってブランドサーチを行っています。

このことからもソーシャルメディアは、新しいユーザーに自社のビジネスやサービスを紹介するための優れたチャネルの1つと言えるでしょう。

ユーザーの利用時間が長い

ソーシャルメディアの利用時間も年々、長時間化しています。
KEPIOSの調査では、16歳~64歳のインターネットユーザー1日当たりのソーシャルメディアの利用時間は、なんと「143分」にも及び、2012年の90分から53分も伸びています。「143分」という数字は、オンラインで過ごす活動時間の35%近くを占めており、人々が多くの時間をソーシャルメディア上で過ごしているということが伺えます。

2024年世界の平均ソーシャルメディア利用時間ランキング
< 調査対象の54カ国中、1日の平均利用時間が1時間を切っているのは” 日本 “だけ。他の53各国は、最長で 3時間43分(ケニア)~ 1時間6分(韓国)と、日本とは比較にならないほどSNSの利用時間が長い傾向にあります。>

多くの企業が成果を得ている日本国内向けSNSマーケティングですが、実は、日本のソーシャルメディア平均利用時間は、わずか「53分」です。

「利用時間が長いから、海外向けの方が高い効果が得られる」という単純な話ではありませんが、世界平均と比較すると約 2.69倍も差があり、この点だけ見ても、ソーシャルメディアが「海外顧客と企業」を結ぶ効果的なツールであることがご理解いただけると思います。

あらゆる層に的確にアプローチが可能

ソーシャルメディアを適切に活用することで、あらゆるフェーズのユーザーに適切なアプローチを行うことができます。

ソーシャルメディアへの投稿は、自分のフォロワーや興味関心のある人に対して表示される仕組みです。さらに、SNS広告は、年齢・性別・地域・教育レベル・職業・スキル・興味関心事項・ユーザー行動などに応じて、特定のグループをセグメント化してターゲティングできるため、自社のマーケティング目標に応じた顧客に適切にアプローチすることが可能です。

LinkedInターゲティングオプション例
<LinkedInターゲティングオプション_例>

ユーザーのリアルな声が聴ける!

ソーシャルメディア上には企業や製品に対する「評価」で溢れています。リアルなインサイトを得ることができるのも、ソーシャルメディアマーケティングに取り組む重要なメリットの1つです。

企業はブランドはソーシャルメディアプラットフォーム上でアンケートを投稿したり、質問や話題を投げかけることで、消費者の声をリアルタイムで把握できるうえ、市場の動向や自社の改善点など、より深い視点で理解することができるようになります。

ソーシャルリスニングツールなどを活用すれば、消費者が企業や製品に対して発信する「評価」や「批判」を追跡することができるうえ、市場の動向やエンゲージメント、パフォーマンスといった定量的なデータだけでなく、消費者の感情的分析や競合への言及なども可視化することができます。

進化するソーシャルメディア

世界で利用されている主要ソーシャルメディアは、ライブストリーミングやソーシャルコマースなど、エンゲージメントの高い機能を続々と実装しており、単なるコミュニケーションツールから日常生活に欠かせないデジタルツールへと進化しています。


<Facebookショップ >

ライブストリーミングを見ながら商品の検索~購入までが行える FacebookショップInstagramショッピング機能TikTok shop TikTokショーケース 、Pinterestピン機能など、世界中で人気の高いプラットフォームは次々にソーシャルコマース分野の開発に注力しています。2022年世界のソーシャルコマース市場規模は9,920億米ドルでしたが、ユーザー数の増加やライブコマースからの購入が増加が見込まれており、2030年までに8兆5,000億米ドルの規模にまで成長すると予想されています。

※ 2024年現在、TikTok shopが利用できる国は、インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム・イギリス・アメリカで利用可能です。


2024年 最新の世界SNS利用状況

ここでは、最新のデータから2024年の世界のSNS利用状況を見ていきましょう。

SNSユーザーは53億人を突破!

世界中のモバイルデータを分析するDateReportal の最新のデータによると、2024年 世界で53億人がインターネットを利用し、そのうちの50億人はソーシャルメディアのアクティブユーザーです。

さらに、既にこれだけ普及しているソーシャルメディアですが、去年1年間で新規ユーザーは2億6,600万人も増加しました。

 

世界のソーシャルメディアアクティブユーザー数

アクティブユーザー数が最も多いプラットフォームは、Facebookで、全世界人口の約40%をカバーしています。Facebook・Instagram(Meta)は海外ユーザーと企業繋ぐ重要なSNSプラットフォームであることは言うまでもありません。

  1.  Facebook   30.5 億人
  2.  YouTube    24.9 億人
  3.  WhatsApp     20 億人
  4.  Instagram     20 億人
  5.  TikTok      15.6 億人
  6.  WeChat    13.4 億人
  7.  Facebook Messenger 9.79億人
  8.  Telegram    8 億人
  9.  Douyin      7.52 億人 
  10.  Snapchat    7.5 億人 

< DataReportal_2024>

 

ソーシャルメディア上で過ごす「時間」

2023年のデータになりますが、以下のはAndroid端末を対象とし、ソーシャルメディアアプリの累計利用時間(1か月)を調査した結果、最も利用時間が長いソーシャルメディアは以下の通りでした。

  1. TikTok        23 時間 28 分
  2. YouTube    23 時間 09 分
  3. Facebook      19 時間 43 分
  4. WhatsApp    17 時間 20 分
  5. Instagram    12 時間
  6. LINE        10 時間 59 分
  7. X(Twitter)  5 時間 28 分
  8. Telegram    3 時間 57 分
  9. Snapchat       3 時間 10 分
  10. Facebook Messenger 3 時間 7 分

<DataReportal_2023>

YouTubeは、「動画の視聴」が主体となるため、必然的に滞在する累計時間が長くなる傾向があります。そんな中、最も利用時間を伸ばしたのは「TikTok」でした(19時間から23時間へと大ジャンプ!)。他のプラットフォームが微増であった中、4時間も利用時間を伸ばしたTikTokは、世界中の若者から支持を獲得しています。

 

「企業・ブランド」を調べる時に利用するチャネル

16歳から64歳までのインターネットユーザーを対象に、ソーシャルメディア上で「企業やブランド」に関する情報を調べる際に利用するソーシャルメディアチャネルを調査した結果は次の通りとなりました。

  1.   8個のプラットフォームのいずれか  ‐  82.7%  (+0.4)
  2.   Instagram   ‐ 62.7% (+1.8)
  3.   Facebook     ‐ 54.3%(+16.2)
  4.   TikTok    ‐ 44.9%(+7.4)
  5.   Pinterest      ‐ 36.6%(+19.4)
  6.   X(Twitter)  ‐  35.7%(-2.2)
  7.   Reddit      ‐ 28.7%(-1.9)
  8.   LinkedIn    ‐ 24.1 %(-3)

DataReportal_2024>

特定のチャンネルではなく複数のSNSを横断的に活用するという傾向が最も多く、80%を超えていることがわかります。加えて、InstagramやPinterestなど視認性の高いプラットフォームがランクインしている傾向が見てとれます。


海外向けSNSマーケティング、5つの施策

海外進出の第一歩!海外SNSマーケティング成功のヒン2024年 世界のSNS利用状況
では、ソーシャルメディアを使った具体的な施策はどのようなものなのでしょうか?

check SNSアカウントの運用

SNSマーケティングの中でも、一般的に行われている手法がSNSアカウントの運用です。

海外進出する企業が現地のユーザー向けに公式アカウントを開設し、情報発信やキャンペーンの実施などコミュニケーション戦略の一環として長期的に運用していきます。

海外におけるインターネットユーザーの76%以上は「企業・ブランド」を調べる際に、SNSで何らかの検索行動を行います。テキストだけでなく画像、動画、ライブストリームなどさまざまなフォーマットを活用して、自社のターゲットユーザーの役立つ価値のあるコンテンツを投稿しましょう。有益なコンテンツは口コミの形成を促し、情報拡散のきっかけを作り出すことができるため、効果的な戦術の一つです。

SNSアカウントを開設する際は、ターゲットユーザーが最も利用しているSNSプラットフォームを優先的に活用します。投稿するコンテンツは、現地の文化やコンテキスト理解を前提として作成し、”現地語”にも対応していることが望まれます。

check SNS広告の活用

マーケティング予算に余裕がある場合は、SNS広告は試してみる価値があります。

SNS広告のメリットは大きく二つ。一つ目はこれまでリーチできていなかった潜在顧客に対してアプローチできること。二つ目はプラットフォームが持つ広告配信アルゴリズムを理解した運用を目指すことで、費用対効果の高い効率なアプローチができるという点です。

SNS広告では、自社商品を認知していなかった新規顧客へのアプローチや既存顧客に対して再度認知を図ることも可能です。SNSプラットフォームに登録している膨大なユーザー数の中から、「年齢・趣味・嗜好・地域・職業・スキル」など、セグメント化した広告配信や広告の効果測定までが行えるため、このような機能をしっかりと理解し、効果的に活用することで、広告予算を適切に使用し最適化することが可能です。

check インフルエンサーマーケティング

SNSアカウントへの投稿を通じて認知を広めようとしても、フォロワーが増えない限り、認知拡大や実際の購入へ繋げるには大きなハードルがあります。インフルエンサーマーケティングでは、企業と親和性の高く影響力のあるインフルエンサーと協力して、自社のブランドや製品の露出を増やすことを目指します。

企業からの情報発信ではなく、第三者視点で商品・サービスの魅力を解説してもらうことで、抵抗感なく購入を促す効果があります。しかし、製品やサービスとインフルエンサーとの相性が悪い場合、悪影響を与えるリスクがあるため、注意が必要です。

check 市場調査 mobile lgoo

ソーシャルメディアはフォロワーが増えるにつれて、自社に関する話題も増加していきます。そのため、市場調査を行ううえで非常に強力なツールとなります。

ソーシャルメディアを使った市場調査は、世界中の人々に向けた幅広い層に調査を行うことができるうえ、アンケートやインタビュー調査といった従来の方法と比較しても低コストで調査を行うことができる優れた方法です。

市場のトレンドやニーズを迅速かつ詳細に把握できるため、質の高いデータ収集が可能になります。競合の動向や顧客とのコミュニケーションも把握できるため、自社の戦略を立案するために役立てることもできます。

※ソーシャルメディアを活用した市場調査方法は、近々ブログで公開する予定です。ご興味のある方はプログトップの右上のブロマガ登録をお願いします。有益なコンテンツをメールマガジンにてお届けします!

check カスタマーサポートとしての活用

ソーシャルメディアは企業とユーザーを強固に繋ぐツールの1つとして認識されています。情報発信としても有効ですが、広報やカスタマーサービスとしても機能します。

海外では既に多くの企業がカスタマーサポートとして、ソーシャルメディアの運用を行っており、今後も継続してソーシャルメディアを利用していくと見られています。ソーシャルメディアを活用して、優れたカスタマーサポートを提供することで、顧客満足度や収益、ユーザー定着率を高めることがわかっています。

 

海外SNSマーケティングで期待できる効果

海外進出の第一歩!海外SNSマーケティング成功のヒント海外SNSマーケティングに取り組む前に知っておくべきこと

インターネットユーザーの多くが情報収集やコミュニケーションツールとして、SNSを活用している現在、適切な海外SNS戦略を実施することで、多岐にわたる効果が期待できます。いくつか具体的に見ていきましょう。

check ブランド認知の向上

インターネットユーザーの多くは、ブランドや商品に関する情報を仕入れる際にSNSを活用しています。SNS上で「ハッシュタグ」を使用した検索や自分がフォローしているユーザーからの「口コミ・拡散」をベースに、ブランドに関する認知が自然と派生していきます。結果として、自社SNSアカウントの新たなフォロワーを生み出しブランド認知が少しずつ形成されていきます。

ブランド認知は一朝一夕で劇的に向上させることは難しいため、中長期的な戦略を構築し、ブランド認知を少しずつ拡大することを念頭に置き、コンスタントにコンテンツを投稿していきましょう。

check 効果的なブランディング

自社の目的に沿ったソーシャルメディアを選択し、ブランディングに重点を置いたコンテンツを投稿することで、ブランドが持つイメージや価値観をフォロワーに対して浸透させることが可能となります。SNSでは画像や動画のようなクリエイティブを活用することでブランディングにおいて最も重要な「感情面での訴求」を、うまく実現することができるでしょう。

check ターゲットを絞った費用対効果の高い宣伝

ソーシャルメディア広告では狙ったターゲットにだけ広告を配信することが可能なため、テレビ・ラジオ・看板といった従来の広告手法のように莫大なマーケティング予算をかけることなく、費用対効果が高い施策です。

ユーザーの性別・居住地・学歴・スキル・興味関心など、優れたターゲティングが可能となります。また、広告単価の調整、開始・停止が即作動するなど、無駄のない運用ができるため、限られた予算で大きな効果を上げることができるのも、ソーシャルメディアマーケティングの魅力の1つです。

ソーシャルメディアマーケティングは、アウトバンドマーケティングと比べて、リード獲得から制約までの率が100%高く、ソーシャルメディアマーケティングに取り組むマーケターの66%がその効果を実感しています。

check 顧客エンゲージメント強化

企業はSNSを媒介としてフォロワーと関係性を強化することにより、ブランドに対して高い好感度を持つユーザーを増やすことができます。自社商品に関するユーザー投稿を自社SNSアカウントが「いいね!」「シェア」、インセンティブをユーザーに付与することがその例として挙げられます。

SNSを活用することで、企業とユーザーが相互にコミュニケーションを図ることができるようになります。SNSが登場する前は、企業に直接電話をかけたり、ウェブサイトの端にある「お問い合わせフォーム」しかなかったことを考えると、想像もできなかった新しいコミュニケーションツールが登場しました。

SNSを通じたロイヤリティの向上はブランド好感度を上げるだけでなく、ブランドとの長期的な関係性を期待できるため、顧客生涯価値(LTV)を高める効果もあります。

check コミュニティの構築

SNSの爆発的な普及によって、個人の発信力が大きな影響力を持つようになったことに加え、ソーシャルメディア上では同じような興味・関心・価値観を持つ人たちが集まりやすい環境のため、共通の関心事項を持つユーザーを集めて、オンラインコミュニティを形成することができます。

優れたコミュニティはブランドの評価や顧客ロイヤリティを高め、同時にユーザー同士の強い繋がりを構築するため、長期的なブランド戦略には最良の方法の1つと言えるでしょう。


海外SNSマーケティング担当者が直面する課題

サイトリニューアル時の注意点やチェックリスト

メリットの多い海外向けSNSマーケティングですが、目標を定義して戦略的に運用しないと、「効果がイマイチ」という施策になりかねません。そこで、海外向けSNSマーケティングに取り掛かる前に、担当者が直面するであろう課題と「成功へのヒント」をご紹介します。

目標達成には想像以上に時間がかかる

早い段階でソーシャルメディアに参入した一握りの企業は、すぐに沢山のフォロワーを獲得できた時代もありました。しかし、既に多くの企業が参入する現在では、コンテンツに対するユーザーの目もますます厳しくなっており、フォロワーを獲得するために試行錯誤を繰り返す必要があります。

「工夫を凝らしたツイート」
「話題のハッシュタグ」
「人々の心に訴えかけるコンテンツ」

SNSマーケティングを成功させるためには「長期的な努力と試行錯誤の連続と戦略的な投資」が必要です。SNSマーケティングの戦略案を作り、PODCAを回し、定期的に戦略を見直すことを心掛けましょう。 新しいキャンペンーンがあるときだけ投稿し、それ以外はアカウントを放置するなんてことは厳禁です。

 

簡単に売上には繋がらない

ご存知の通り、魔法のように売り上げに繋がる仕組みはSNSマーケティングだけではなく、どんな施策にも存在しません。それでも、そのような楽天的なことを期待してしまう人や、心のどこかでそう願っているSNS担当者も少なからずいるのではないでしょうか?

ソーシャルメディアはユーザーとのコミュニケーション、信頼関係の構築、売上に繋がるリードの獲得など、適切な戦略を実施すれば、確実に実を結ぶはずです。そのためには、正しくゴール設定を行い、目標に対する適切な指標を必ず観測・分析を行いましょう。ビジネスモデルがBtoBもしくは、BtoCであるかによって、「目標設定」は大きく異なります。

BtoB

BtoBビジネスでは、「販売サイクル」が長いため、潜在的な顧客との繋がりを可視化する指標である「エンゲージメント(顧客との関係性)、ブランドの認知度」といった要素を重要視します。そのため、「リード数・ウェブサイトのトラフィック・ブランド認知度・シェア数の増加」などをKPIとして設定します。

BtoC

販売サイクルが短く、顧客と1対1で対峙するBtoCビジネスの場合、できるだけ多くの潜在顧客の目に留まりコンバージョン(購入)を増やすことを目指しましょう。「認知・エンゲージメント・コンバージョン」を重要視します。

 

興味・関心を示す人は、思ったほど多くない!

世界中の全てのユーザーの心を掴むことは不可能です。しかし、実際に担当者が期待を膨らませ「自分のビジネスが得るべきエンゲージメント数を過大評価してしまう」ということは、しばしばあるのも事実です。SNSマーケティングは長期戦です。一喜一憂せずに、黙々とPDCAを繰り返しましょう。

lightbulb- idea 対策:ターゲットユーザーを洗い出し、一点集中

プラットフォーム上の全ユーザーに対しての投稿ではなく、自社のビジネスにとって重要な人、つまり顧客、見込み客、ブランドのファンにしっかりと焦点を当てましょう。投稿に反応してくれるユーザーを分析し、関係を強化できる施策や、ユーザーが興味を示したコンテンツを増やすことに注力します。まずは「ターゲットとなるユーザーが、SNS上でどんな行動を取っているか」に徹底的にフォーカスしてみましょう。

lightbulb- idea 対策:より良いコンテンツを提供する

ユーザーがビジネスアカウントをフォローするということは、貴重な「SNS個人フィード」への入場券を渡すようなものなのです。

  • ユーザーにとって価値があり、魅力的な投稿ですか?
  • ぼんやりとしたビジネスの売り込みになっていませんか?

コンテンツのクオリティーをチェックする簡単な方法は「もし私は一般のユーザーなら、このアカウントをフォローしたいと思いますか?」という質問を常に、毎回問いかけることが大切です。

 

オーガニック投稿だけでは効果が出ない

ソーシャルメディアもかつては黄金時代がありました。かつては広告の力を借りなくてもコンテンツを投稿するだけで高い効果が得られていた時期がありました。しかし、数え切れないほど数多くのコンテンツが投稿されている現在では「オーガニックリーチ数」は著しく低下しています。

ほとんどのSNSは、非常に高度なアルゴリズムにより、全ての投稿を単にフィードに表示するのではなく、表示させるコンテンツを「選別」しています。したがって、投稿をできるだけ多くのユーザーに届ける一番効果的な方法は、プロモーションやSNS広告に投資することかもしれません。

lightbulb- idea 対策:SNS広告を試してみる

お金を出して投稿を拡散することは、「予算のある大きなブランドしかできない」というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、戦略を持ちターゲティングやキャンペーン設定をしていれば、少額でも驚くべき効果を得られるケースも少なくありません。余裕があればぜひ少額でもいいので試してみてください。

 

海外向けSNSマーケティングは想像以上にハードワーク

SNSマーケティングを成功させることは、想像以上に多くの努力と時間を要します。さらに、長期の戦略立案、コピーライティング、編集、適切なデータ分析…など、多くのスキルが必要になります。

「必要なスキルすべてを持ち合わせた担当者が、いれば問題解決!」
「AIが全て解決してくれる!」

と言いたいところですが、ほとんどの企業は社内でソーシャルメディアチームを立ち上げることは難しく、クリエイティブ制作と戦略立案をできる適任者を1人アサインするだけでも一苦労。というのが現状です。AIをうまく活用していくことは不可避ではあるものの、グローバルビジネスのSNSアカウント運用となると、「各言語・文化・宗教・価値観」などを理解しておく必要があります。そうなると、適任者はさらに限られてきてしまいます。もちろん、AIを活用することで業務が軽減できる範囲は増えてきているものの、最新の注意を払っていたとしても” トラブル・炎上 “が起こってしまうのが「海外」です…

リスクを明確にして、ソーシャルメディアポリシーやガイドラインなどを作成して、運用に取り組むことを”強く”おすすめします。

 

さいごに

購買層が大きく減少すると予測されている日本と比較して、若者層の人口増加が見込まれている海外は魅力的な市場です。

海外顧客の獲得を目指す企業にとって、SNSマーケティングでは必要不可欠な施策の1つです。SNSマーケティングは、プラットフォームの特性をしっかりと理解した活用をすることで、ビジネスを大きく発展させるきっかけを作ることができます。「目標設定、戦略、そして最適なコンテンツ」を踏まえてSNSをマーケティングにフル活用しましょう。

日本よりも海外市場の方がSNSマーケティングは大きな効力を発揮しうる可能性を秘めています。もしSNSを活用した効果的な海外マーケティングをご検討でしたら、ぜひ、私たちにお申し付けください!

ホワイトペーパー_海外SNSマーケティング入門

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。