海外の優れた製造業・多言語サイト
世界の秀逸なウェブサイトの特徴を解説!
国境を越えたデジタルコミュニケーションを実現する多言語サイトは、海外顧客と企業を結ぶ、とても重要な役割を果たしています。優れたユーザーエクスペリエンス(UX)は、見込み客を集め、信頼を構築し、リードを獲得することへと繋がり、ビジネスの新規顧客獲得に役立ちます。
顧客との接点がデジタル上へ移動した現在では、B2B企業であってもウェブサイトが企業のブランド・品質・企業理念を伝える重要なツールであり、海外進出の1歩として多言語ウェブサイト構築を強化する企業も増えてきました。
そこで今回は、海外の「製造業ウェブサイト」に焦点を当て、2022年、最新の優れた多言語ウェブサイトを、特徴と共に解説したいと思います。
ぜひ、貴社のサイト構築やサイト改修にお役立てください!
目次
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Yara International (ヤラ・インターナショナル)
Yaraはノルウェーに本社を置く、世界最大のアンモニア製造(肥料)メーカーです。Yaraのウェブサイトを分析してみると、訪問者数は1か月に約180万人ほどの流入があり、インド・ベルギー・米国・ブラジル・メキシコなど、世界中のユーザーが訪れていることがわかります。Yaraのグローバルサイトの特徴は、「シンプルで明確なナビゲーション設計」と「明確なメッセージング」にあります。
最上部に位置するメニューバー(赤枠)は「誰が・どこに行けば・何があるか」が、一目見ただけでわかるように配置されています。Yaraのウェブサイトは、非常に多くの情報・機能が必要となる世界最大級の肥料メーカーであるにも関わらず、ユーザーが欲しい情報をできるだけ分かりやすく配置し、スムーズに目的の場所まで誘導することができるように設計されています。
フッター部分には、「Sitemap」ページをがあり、徹底的に「明確なナビゲーション」を追求していることが伺えます。加えて、サイトTOPに表示されるメッセージ(黄枠)は、Yaraの「M.M.V(Mission,Vision,Value)」を明確に反映している優れたコピーであり、多くの人々の心を捉える、素晴らしいB2B多言語ウェブサイトと言えるでしょう。
また、世界各地から訪れるユーザーに対応するため、非常に多くの言語に対応しています。
- ヨーロッパ:28か国
- アメリカ・南米地域:14か国
- アジア・オセアニア地域:11か国
- アフリカ地域:9か国
The Dow Chemical Company(ダウ・ケミカル・カンパニー)
https://www.dow.com/en-us.html
ダウ・ケミカルは1897年にアメリカで創業された、世界最大級の化学製品の製造や販売、研究開発を行う化学メーカーです。ダウ・ケミカルのグローバルサイトの特徴は、サイト訪問者がすぐに情報にたどり着けるように誘導する「検索ボックス、行動を促す最適なCTA、・ダウンロード可能な豊富なコンテンツ」ではないでしょうか。
ウェブサイトがどんなに美しくデザインされていたとしても、目的地にたどり着けないと、ユーザーはすぐにサイトを離脱してしまいます。ダウ・ケミカルのTOPページには「検索ボックス」が2つも設置されているため、サイト訪問者は必要なものを簡単に見つけることが出来るようになっています。
また、整理されたデザイン設計に「行動を促す最適なCTA」を効果的に配置することで、優れたユーザービリティを実現しています。それに加え、各セクションごとに豊富なコンテンツを提供しており、数多くのダウンロード可能な製品情報や研究資料などの有益な情報を顧客に提供し、顧客との関係構築を図っています。
対応言語は、英語・中国語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語の6言語に対応しています。
Dupont(デュポン)
総合化学製造メーカーのデュポンのウェブサイトを分析してみると、訪問者は1か月に約78万人ほどの流入があり、米国・ドイツ・インド・メキシコ・中国など、世界中のユーザーが訪れていることがわかります。
デュポンのウェブサイトは十分な余白と広いマージンを取り、装飾や華美な要素をできるだけ取り除いた美しいウェブサイトになっています。シンプルな配色・整理された外観・美しく最小限の画像と明確なキャッチコピーで、ユーザーをコンテンツに没入させるよう構成されています。
また、ナビゲーションもシンプルに設計されているため、ユーザーを最小限のアクションで目的地に導き、ユーザーの離脱を防いでいます。
製造業であるにも関わらずブランドイメージを壊すことなく、まるでAppleのような美しいデザイン・設計を実現している秀逸な多言語ウェブサイトです。
言語は、33か国に対応しています。
Avient Corporation(アビエント・コーポレーション)
https://www.avient.com/company
アビエント・コーポレーションは米国に本社を置き、特殊ポリマー素材を提供するグローバルメーカーです。
アビエントのTOPページでは、動画や高品質なグラフィックを効果的に組込み、情報を正確に届けると共にユーザーとの信頼関係構築に努めていることが伝わってきます。
また、最上部ナビゲーションメニューの「Resourse」には、企業情報パンフレットを始め、テクニカルデータシート、安全データシート、ウェビナーや動画など、豊富なコンテンツが用意され、検索可能な機能を組み込むことで、誰でも容易に必要な情報を探し出せるように設計されています。
アビエント・コーポレーションのウェブサイト内には商品ページが大量にありますが、ユーザーが欲しい情報をできるだけシンプルに検索できることを優先に考えられたウェブサイトになっています。
対応言語は、英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・ロシア語・日本語の6言語に対応しています。
Carerpillar(キャタピラー)
キャタピラーは、建設機械、ディーゼルおよびマイニングエンジン、産業用タービン、ディーゼル天然ガス電気機関車などの製造メーカーです。
色はブランド構築に大きく影響していて、ユーザーの第一印象の約9割は、色によって決まるとも言われています。キャタピラーのウェブサイトは、黒・黄色・白を使用し、色のコントラストをうまく活用することで、メッセージやCTAを際立たさています。ユーザーに注目してもらいたい情報やユーザーの行動を促したい部分には、色のコントラストやタイポグラフィ・鮮明な画像・空白などを上手く活用しており、ユーザーに的確なメッセージを届けています。
また、特筆すべき点としては、ウェブサイト上で製品の「購入」まで出来てしまう機能を実装していることです(外部サイトへは飛びません)。非常にニッチな製品を扱っているにも関わらず、ログインをすれキャタピラーが取り扱うほぼ全ての製品の価格が明確に提示されます。ダイレクトで購入が難しい場合でも、近くの取り扱い業者まで明確に提示できるような非常に優れたユーザビリティを提供しています。
対応言語は英語・スペイン語・中国語・韓国語を始め、アラビア語、スウェーデン語、ロシア語など様々な言語に対応しています。
さいごに
コンバージョン数を増やし、ビジネス上の成果を出すために、多言語ウェブサイトの設計やデザインは重要な役割を果たします。これから少子化と高齢化がダブルで加速し「市場規模が大幅に縮小する」と言われている日本では、商品を購入するユーザー数が確実に減る時代が、間もなく訪れます。海外ユーザーを惹きつける、魅力的なウェブサイトはもちろんのこと、B2B企業にとって、長く複雑な購買サイクルを通じ、いかに世界の顧客を獲得していくかは、B2B企業の大きな課題の1つとなっています。
日本が誇る「ものづくり企業・製造業」のグローバルB2Bマーケティングは、インフォキュービック・ジャパンにぜひ、お任せください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。