2024年に注目すべきGoogle広告の統計データ
「Google」は世界で最も利用されている検索エンジンの1つであり、世界中の多くの企業がデジタルマーケティング施策として活用しています。Googleの検索エンジンは、世界の検索エンジンシェアの90.5%を占め、必要不可欠なツールとして私たちの日常に浸透しています。
2000年からGoogle Adwordsとして立ち上がったGoogle広告は、低コストから始めることができ、自分が狙ったターゲットにピンポイントでアプローチすることができるため、オンライン上で自社のビジネスを宣伝するための優れた方法です。
今回の記事では、正確なターゲティング・費用対効果の高さ・優れた顧客接点の構築に優れているGoogle広告が、企業にとってどれほど有益であるかをより深く理解できるよう、Google広告の統計データをまとめました。最新のデジタル広告市場のトレンドなど最新データから将来の可能性などを考察します!
目次
Google広告とは?
ほとんどの方はご存知かと思いますが、Google広告はその名の通りGoogle.comが提供している広告プラットフォームの名称です。
Google広告を活用することで、Googleの検索結果ページに表示させるリスティング広告やYouTubeなどへの動画広告、その他、Googleと提携している世界中のウェブサイトやアプリ内などにさまざまなフォーマットの広告を出稿することができます。現在、世界中の200万以上の提携サイトへの広告配信が可能で、インターネットユーザーの90%以上にアプローチが可能です。
Google広告では、特定のキーワードをターゲットにして、そのキーワードに対して入札単価を設定します。入札単価は上限を設定することで、支払う金額を設定し調整することができます。「ユーザーが広告をクリックした分だけ料金を支払う」クリック単価(CPC)や、「1000回の広告表示ごとに料金を支払う」インプレッション単価(CPM)など、広告の種類によっていくつか異なる支払い方法が存在します。
代表的なGoogle広告、4つの種類
Google広告は、大きく4つのタイプに分類できます。
リスティング広告 /検索連動型広告
リスティング広告は、Googleの検索結果ページにテキスト表示される広告のことです。ユーザーが入力した検索キーワードに関連する広告が表示されることから、検索連動型広告とも呼ばれています。
リスティング広告のクリック単価は、競合状況や広告の品質、キーワードボリュームやキーワードと広告の関連性などさまざまな要因によって都度、変動します。テキスト文字のみで表示され、画像や動画などは使用できません。適切に運用することで、Google検索結果ページの最上位に表示されるため、クリック率が高いのがリスティング広告のメリットです。
ディスプレイ広告(GDN広告)
ディスプレイ広告は、サイト内の各所に表示され、動画や画像・テキスト形式を活用した広告です。Google広告で配信するディスプレイ広告は、GDN(Google Display Network)と呼ばれる、Googleが提供しているYouTubeなどのサービスサイトや提携する世界200万以上のWebメディアなどで広告が表示されます。
ディスプレイ広告では、「ユーザーが過去に訪問したサイト」などユーザーの行動履歴に関連した配信や細かなターゲティングが可能です。「商品やサービスを想起させる目的」などブランディング・認知拡大を目的として活用すると効果的である一方、ニーズが顕在化していないユーザーにアプローチするのでコンバージョンをさせるためには向いていない施策と認識されています。
アプリプロモーション広告
アプリプロモーション広告は、モバイルデバイス向けアプリのインストールを促すことを目的とした広告です。
表示場所は、検索結果ページやGoogle Playストア内、YouTubeに加え、設定によってGDN内で表示することもできます。アプリプロモーション広告では、広告をクリックし、実際にアプリのインストールまでを完了したユーザーを追跡し、アプリの使用頻度や実行内容などのデータを収集できるため、アプリ開発や販売における戦略策定や効果測定に役立てられるというメリットがあります。
ショッピング広告
ショッピング広告は、ECサイトで販売している商品の情報を、検索結果ページ上部に表示する、主に小売業者向けの広告です。ユーザーが入力した検索キーワードに連動して、関連する商品の画像と価格が表示されることから、クリック率が高く、ECサイトへの流入や売上が増えるといったメリットがあります。
注目すべき「Google」統計データ
デジタル広告市場において圧倒的なシェアを誇るGoogleは、さまざまな調査によって広告の有効性の高さが証明されています。ここからは、Googleを活用していくために注目すべき、「Google」統計データをご紹介していきます。
検索エンジンの市場シェア1位は、やっぱり「Google」
1997年にGoogle検索サービスが開始されて以降、Googleは世界のトップを走り続けています。以下は、2023年9月時点の世界の「検索エンジン市場シェア」は、以下の通りです。(デスクトップ)
- Google 91 .58 %
- bing 3.01 %
- Yandex 1.81 %
- Yahoo! 1.24 %
- Baidu 1.0 %
- DuckDuckGo 0.58 %
2022年末には84%のシェア率を獲得していた Google は、2023年現在でも市場シェアを伸ばす一方で、一部の国や地域ではGoogleが利用できないため、その国や地域独自の検索エンジンが使用されていたりと、Google一強というわけではありません。さらに、日本やメキシコはGoogleとYahoo!を使い分ける傾向があるなど、その国で定着している検索エンジンの種類や活用法には偏りがあるため、自社ターゲットに最適な検索エンジンを選ぶことがとても大切です。
世界のデジタル広告収益の39%は、Google広告が占める
Statistaによると、2023年世界中のデジタル広告収益に占めるGoogleの割合は39%に達すると予測されています。続いて、Facebookが18%、Amazonが7%となっており、Googleは収益においても圧倒的なシェアを誇っています。
SNS広告が人気を増している昨今でも、まずはGoogle広告は押さえておくべきデジタル広告であると言えるでしょう。
最もアクセスが多い国は「アメリカ」
2023年10月時点で、”Google.com” へのトラフィック量が最も多い国はアメリカであることが分かりました。全体の27%以上がアメリカからのトラフィックで、次いでインド、ブラジル、英国と続きます。日本も3.87%と5位についています。(Similarweb調べ)
- アメリカ:27.21 %
- インド:4.54 %
- ブラジル:4.33 %
- 英国:3.91 %
- 日本:3.87 %
男女比率は、女性:42.95%、男性:57.05%
Googleプラットフォームには、男性ユーザーの方が多い傾向にあります。
18~34歳までの若者ユーザーが、49.7%を占める
Googleを訪問するユーザーの年齢層は、25~34歳までの若者層が28.1%と最も多い傾向です。次いで、18~24歳が21.68%を占めており、全体的に “若者ユーザー” が半数近くを占めています。(デスクトップに限る)
Google「広告」に関する統計データ
グローバル企業の80%以上はGoogle PPC広告を活用している
さまざまなエンタープライズアプリに関する情報発信を行っているEnterpriseAppsTodayによる調査では、PPC(ペイ・パー・クリック)キャンペーンに対し、グローバル企業の80%以上がGoogle広告を選択していることが示されています。
世界中のインターネットユーザーへアプローチできるシェアの大きさに加え、的確なターゲティング、デジタル広告市場においてもトップクラスのコンバージョン率やクリックスルーが、多くの広告主に選ばれている理由の1つです。
63%の人がGoogle広告をクリックしたことがある
HubSpot「Annual State of Marketing Report」調査レポートによると、Google広告をクリックしたことがある人は、調査対象の63%であったそうです。
広告配信の目的が、「広告をクリックして指定したURLにユーザーを遷移させること」であることを考慮すると、この”63%”という数値は非常に効果的な施策であることを意味しています。
Google検索広告は他の検索エンジンより「4倍」クリックされやすい
米ワシントンのマーケティングリサーチ会社 Clutch が実施した調査(過去1か月で有料検索広告をクリックした506名を対象)によると、Clutchが質問した他のどの有料検索広告よりも、Google広告をクリックする可能性が大幅に高くなると回答しています。
63%のユーザーはGoogle広告をクリックすると回答した一方で、Amazon広告をクリックすると回答したユーザーは15%、YouTube広告をクリックすると回答したのはたったの9%、Bingは6%と、他を大きく引き離しました。
有料検索広告をクリックする理由は?!
マーケティングリサーチ会社 Clutch の実施した調査(過去1か月で有料検索広告をクリックした506名を対象)によると、33%のユーザーはオンライン検索広告が「適切な回答を提供する有料検索広告をクリックする」と回答しました。
ユーザーは何か特定の情報を見つける意図を持って、オンライン検索を行います。そのため、ユーザーの疑問・質問を満たすものがクリックされる傾向にあることがわかりました。「魅力的なタイトル、ディスクリプションやイメージ画像があるから」と回答した人は、わずか19%という結果になりました。
Google検索広告は「ブランド認知拡大」にも効果的!
検索広告は商品の購入やサービスの申し込みやお問い合わせなど、ユーザーのアクションを促すダイレクトレスポンスであることは一般的に知られています。しかし、Googleの調査により、例えCVに至らなかった場合でも、検索広告がブランディングにも強力な効果を発揮していることがわかりました。
自動車や小売り業など12業種、800人の有識者を対象として行われた調査では、平均して認知度が6.6ポイント増(=平均80%の認知度アップ)となりました。例え、検索広告経由のCVに至らなかったとしても認知拡大に寄与しているハズ!と、ポジティブに捉えても良い(かもしれません)。
平均CPCが最も高い業界は、 「法律業界」
米国のマーケティング会社 WebFXによる調査では、米国の法律業界におけるGoogle広告の平均CPCは8.67ドルで、他の業界と比較しても最も高額であることが明らかになっています。
加えて、法律業界は、リード獲得単価においても73.70ドルと全業界最高額となっており、顧客獲得のために広告費用を含むデジタルマーケティング施策に多くの資金を投入する傾向が強いことが、同調査にて報告されています。
ちなみに最も安い業界は不動産業界で、平均CPCは1.40ドルとなっています。(WorrdStream)
Google検索広告の平均クリック単価は 2.69 ドル
米国のデジタルマーケティング会社 Digital Third Coastは、米国Google検索広告の平均クリック単価が2.69ドルであるという調査結果を発表しています。
Google広告の平均クリック単価は、業界やビジネスの競合の多さによって大きく異なり、EC業界が1.16ドルと最も低く、最も高いサービス業界や法律業界では、平均クリック単価は7ドルに迫る額になっています。
Google検索広告の平均CTRは、3.17%
Google検索広告の平均CTRは業界によって大きく異なります。WordsStreamの2023年最新レポートによると、業界別平均CTRは以下の通りです。
- デート・出会い系 : 6.05 %
- 旅行・ホスピタリティ : 4.68 %
- 権利擁護(Advocacy): 4.41 %
- 自動車: 4.0 %
- 教育: 3.78 %
- 不動産: 3.71 %
- 医療・健康: 3.27 %
- 金融・保険: 2.91%
ちなみに、Googleの検索結果で1位を獲得した場合のCTRは、驚異の39.8%、2位でも18.7%であることが分かっています。(英語での検索結果+動画、画像、地図、ショッピング結果がない場合)
ディスプレイ広告の平均CTRは、0.46%
Googleディスプレイ広告の平均CTRも業界によって大きく異なります。また、ニーズが顕在化していないユーザーにアプローチするディスプレイ広告は、「コンバージョン発生確率が低い施策」として知られています。WordsStreamの2023年最新レポートによると、Googleディスプレイ広告の業界別平均CTRは以下の通りです。
- 不動産:1.08 %
- デート・出会い系:0.72 %
- 自動車:0.46 %
- 利権擁護(Advocacy):0.59 %
- 人材サービス:0.59 %
- 医療・健康:0.59 %
- 法律:0.59 %
- 教育:0.53 %
Google検索広告・ディスプレイ広告ともに数年前よりもCTRは高くなっています。
Google「ショッピング」に関する統計データ
コロナ禍の後押しもあり、ネットショッピングが世界中の人々の生活に定着したことで、ネット上のショッピング広告の影響力も増大しています。11月、12月はショッピング需要が拡大する今、注目すべき「ショッピング広告」に関する統計データをご紹介します。
調査対象者の98%が「オンラインで買い物をしている」と回答
Googleが、米国、カナダ、日本、イタリア、フランス、メキシコ、ベトナムなどの14,000人以上を対象に実施した調査によると、調査対象となった世界中の消費者のうち98%が「オンラインで買い物をした」と回答しています。
同調査による統計データは、商品の閲覧から検索・調査、購入までのアクションが含まれた数値となっているものの、多くの消費者が何らかの購買行動を起こす場としてオンライン上を選んでいることがわかっています。
オフラインよりもオンラインショッピングが好き♡
Googleは、買い物客の66%がオンラインでの買い物を好むのに対し、オフラインでの買い物を好む買い物客は27%にとどまっているとのデータを公表しています。(米国、8,488人を調査)
加えて、総務省が2022年に発表した世界のBtoCのEC市場規模は、2025年には7.39兆ドルにまで伸びると予測されており、オンラインでの買い物を前提としたデジタル広告施策を早急に進めていくことが2023年の大きなポイントであることがわかります。
ユーザーの73%が、ショッピング前に「事前調査」を行う
Googleがホリデーシーズンに実施した世代別ショッピング調査によると、購入前は、” 全世代 ” で 73% ほどショッピングの事前調査を行っていることがわかっています。Z世代やミレニアル世代同様に、ベビーブーマー世代であっても、購入前にオンライン上で事前調査を行っていることは驚きのデータです。
有料広告をクリックしたユーザーは購入率が50%向上
カナダのオンラインビジネス向けマーケティング会社 unbounceは、有料広告をクリックしてサイトにアクセスしたユーザーは、オーガニックリンクからの訪問者に比べて、購入する確率が50%高くなると明言しています。
この統計データは、デジタル広告がユーザーの購買意欲を喚起するうえで大きな効果があるということを示唆しており、商品やサービスをオンライン販売している企業のマーケティング施策において見逃せないデータです。
Googleユーザーは商品検索から5日以内に購入する
米国マーケティングリサーチ会社 eMarketerは、商品検索にGoogleを使用したユーザーの多くが、商品検索から5日以内に購入に至るとの調査結果を報告しています。
同調査では、商品やサービスをオンラインで購入するデジタルショッパーの多くが利用しているAmazonの場合、ユーザーが商品検索から購入に至るまでの期間が平均25.9日という結果も示しており、Googleのショッピング広告の有効性が分かる結果となっています。
有料広告のROIは200%
米国システム開発・コンサルティング会社 Tech Julyは、有料広告のROIが200%であるとし、PPC広告の費用対効果の大きさに関するデータを発表しています。
同社のデータによると、PPC広告はSEOの約2倍のサイト訪問者を生成し、顧客の65%がPPC広告をクリックしていることから、自社ビジネスに適したクリック単価を設定できるGoogle広告であれば、さらにROIを高める効果が期待できるでしょう。
さいごに
今回は、近年の消費者動向とインターネットユーザーの動向の2つの視点から、Google広告の有効性やデジタル広告市場における優位性を示す統計データを紹介してきました。
Google広告は、オンラインで新規顧客獲得を目指す上で必要不可欠な施策の1つです。短期的な集客には「Google広告」、中長期的な施策として「SEO対策」を同時に実施していくなど、どちらか1つの施策を選ぶのではなく、企業の状況・戦略に合わせて併用していくことをおススメしています。
日本の国内市場内ではもちろん、世界シェアの高さから、Google広告は海外ユーザーへのアプローチにおいても高い広告効果を生み出すことができるため、来年度のマーケティング施策として是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。