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2024年11月21日

中国人観光客が利用する「Qunar(チューナー)」とは?
~中国で人気の旅行サイトで効果的にアプローチ~

2023年、訪日旅行客の消費額はインバウンド最盛期であった2019年を超え、訪日旅行客数も2019年の約8割まで回復しました。パンデミック収束後、アジア諸国や欧米からの訪日旅行客が増加する一方、2019年に全体訪日旅行客数の約3割を占めていた中国からの旅行客は、2023年に全体の1割ほどでした。
2024年を迎え、中国の大型連休である春節(2月)や国慶節(10月)では、訪日中国人旅行客の回復を示す明るいニュースが多く報じられました。

今後、インバウンドを語る上で非常に重要になるのは、やはり”中国人観光客”の動向です。
2025年は中国人の海外旅行がパンデミック前のレベルに戻り「完全復活するのでは?!」と、世界中で中国人観光客の動向に注目が集まっています。

そこで本記事では、高いポテンシャルを秘めた中国インバウンドの最新動向とインバウンド対策として有力なOTA「Qunar(去哪儿旅行)」を併せてご紹介いたします。

 

目次

 

中国インバウンドの最新動向:押さえておくべき基礎情報

ここではこれまでの中国人向けにインバウンド対策を講じる上で、押さえておくべき情報・知っておくべき最新情報を紹介します。

来日旅行客数

2023年、中国が「ゼロコロナ政策」終了を発表し、日中間の出入国制限の撤廃、団体旅行ビザの緩和を経て、中国からの観光客数は回復傾向にあります。ALPS処理水に関連する日本産海産物の輸入禁止措置の影響はあったものの、観光客数には大きな変化は見られず、2024年は前年を上回るペースで増加しています。


JNTO「日本の観光統計データ」を元に作成、2024年は1月-7月まで数値

中国の海外旅行需要が回復されなかった大きな理由は、2つとみられています。一つはパンデミックによる中国国内の経済への打撃や渡航先の高いインフレ率といった「経済的問題」と、ビザ申請の厳格化という「政策面での制約」です。

ビザ申請の厳格化に関して、パンデミック前には中国から日本への「15日間の短期ビザなし渡航」が認められていました。しかし、パンデミック中に停止され、2024年11月現在も未だ再開されていません。中国政府は、2024年11月中に日本向けに短期の「ビザなし渡航制度」を再開する可能性があると通知しており、今後の中国人観光客が急増するだろうと、注目が集まっています。

2023年7月、一足先に中国人のビザなし渡航が再開されたシンガポールでは、2月の春節休暇は中国人観光客数が前月比45%増(前年比388%)となりました。同様にビザなし渡航が可能となったタイ、マレーシア、UAEなども2019年に比べ中国人観光客数が 30%も増加しています。

訪日ニーズの移り変わり

社会現象にもなった中国人訪日旅行客による「爆買い」。2015年以前は、自国で入手困難な日本製品を購入する「モノ消費」が訪日の主な目的の一つでした。しかし、2016年以降はネット販売の増加・成長等により「モノ消費」の欲求が抑えられ、代わりに旅先でしか体験できない「コト消費」へとシフトしています。

日本政府観光局の統計によると、2023年第一四半期に中国人観光客は食品に最も多く支出したものの、化粧品や香水などのヘルスケア用品は、2019年47%以上減少。家電製品はトップ10にもランクインしませんでした。

訪日旅行前に役立った旅行情報源

日本政府観光局の調査によると、中国人が訪日旅行前に情報収集する方法は、以下の通りです。 

  1. SNS:30.5%
  2. 親戚・知人:22.6%
  3. 旅行会社のホームページ:19.9%

SNS、親族・友人からの体験情報(いわゆる口コミ)を重視することに加え、旅行会社から情報を得る傾向が見られます。これは、個人旅行の割合が大幅に増加していることに起因します。

中国・観光研究院の調査によれば、中国からの海外旅行者の大半は、22歳から41歳のミレニアル世代が83%を占めており、教育水準が高く、デジタルネイティブのためSNSやオンラインメディアを活用して効率的に情報を集めています。

チケット予約方法

2015年までは旅行代理店の店頭予約がWeb予約を上回っていましたが、現在ではWeb予約が約9割を占め、旅行予約の方法も大きくWebへシフトしています。この傾向は特に若い世代に顕著であり、訪日旅行の計画や予約方法では、オンライン旅行代理店(OTA)の役割が非常に重要になっています。

こうしたOTAの中でも、とりわけ中国人旅行者に広く利用されているのが、今回ご紹介する「Qunar(去哪儿旅行)」です。※ 読み方:「チューナー」

 

中国人観光客に人気のOTA「Qunar」とは?

Qunar(去哪儿旅行、以降 Qunar)は、2005年に設立されたオンライン旅行代理店(OTA)です。設立当初は中国初の航空券を検索し、価格を比較できるオンラインポータルサイトとしてサービスを開始しました。現在では中国で最も人気のあるOTAの一つとして幅広いサービスを提供しています。

※日本では楽天トラベル、じゃらん、るるぶトラベル等がOTAにあたります。

Qunarは、9,000以上の旅行代理店のWebサイトをリアルタイムで検索し、68万以上の国内外の航空券、ホテル、タクシー、レンタカー、列車、旅行プランの予約・購入から、旅行アドバイス、買い物情報まで、旅行に関するあらゆる情報収集と手続きを、オンラインで完結することができます。また、ユーザーは Qunarアカウントを作成し、旅行体験を公開したり、レビューを投稿することも可能。

中国を代表する旅行検索プラットフォームの一つであるQunarは、多くのユーザーに自社の製品やサービスを宣伝する機会を提供しており、中国人観光客をターゲットにする企業にとって魅力的なプラットフォームと言えるでしょう。

Qunarのユーザー統計・利用状況

Qunarアプリのダウンロード総数は20億以上、累計ユーザー数は、なんと 6億人に達しています。月間アクティブユーザー(MAU)は 1億人以上、日間アクティブユーザー(DAU)は1,000万人を誇ります。

さらに、ユーザー増加率は業界平均の1.4倍を記録。月平均利用回数は17回で、業界平均より20%多く、利用時間も35分以上と業界平均を40%上回っています。これらの流入数とユーザーロイヤリティの観点から、Qunarの今後の成長ポテンシャルが見て取れます。

利用者統計

Qunarの利用者層は、男女比率に大きな偏りがなく、35歳以下のユーザーが6割以上を占めています。テクノロジーに精通した若年層から強い支持を得ています。また、Qunarユーザーの多くは高学歴で高所得の傾向があり、質の良い旅行体験を求めていおり、旅行後はソーシャルメディアやオンラインプラットフォームで積極的に口コミを投稿する傾向があります。

地理分布

Qunarの多様なユーザー基盤は、一級都市から三級都市まで広がっています。

 

Qunar広告について

ここでは、中国人観光客に効果的な Qunarの人気の高い広告枠やタイアップ広告(記事広告)についてご紹介します。

Qunarのインバウンド案件で人気の高い広告枠

APPトップページバナー

Qunarアプリを起動すると、すぐに目に留まる広告枠です。
そのため、キャンペーン内容を問わず高い広告効果が期待できます。

APP航空券ページバナー

Qunarアプリの航空券検索ページに掲載される広告枠です。
行き先が確定しているユーザーが多いため、特に航空会社のキャンペーンに適しています。

APPホテルページバナー

Qunarアプリのホテル検索ページに掲載される広告枠です。
航空券購入済みの旅行確定ユーザーの利用が多いため、特に宿泊施設のキャンペーンに適しています。

ホテル決済ページバナー

Qunarアプリでホテル検索、予約、決済完了後に掲載される広告枠です。
旅行が確定したユーザー層が利用するため、特に観光施設のキャンペーンに適しています。

 

Qunar広告のターゲティング指定

Qunarでは、性別、年齢、中国居住都市、教育レベル、職業などの基本的なターゲティング以外にも、柔軟なターゲティング指定が可能です。例えば、日本行きの航空券や日本のホテルを購入した確定層や日本や特定の都道府県に関連する検索をした検討層等をターゲティングできます。

タイアップ広告(記事広告)について

中国のメディアは、一般的にタイアップ広告(記事広告)を提供していません。Qunarでタイアップ広告(記事広告)を実施する場合は、一定の金額で広告枠を購入すると、QunarドメインのHTMLページが提供され、それを活用してタイアップ広告(記事広告)を実施します。

Qunarの既存コンテンツ(航空券、ホテル予約、ユーザー投稿など)も利用可能です。ただし、広告主や代理店側で素材、テキスト、レイアウト構成、指示・説明書が必要となります。

 

まとめ

世界的なコロナパンデミック騒動は収束を迎え、2025年、中国インバウンドは本格的に復活するとみられています。多くの企業がこの機会に注目し、その需要を取り込むべく、さまざまなプロモーション活動を展開しています。

その中で、Qunar は中国インバウンド対策の効果的なアプローチとして注目を集めています。インフォキュービック・ジャパンは Qunarと良好な関係を構築しており、Qunarと連携したプロモーションでは、通常ハードルの高いタイアップ広告(記事広告)のバナーデザインやタイアップページデザインにも対応可能です。

インフォキュービック・ジャパンではQunarを含め様々な中国媒体を取り扱っています。ぜひ、お気軽にご相談ください!

ホワイトペーパー_中国人観光客の情報取得メディア

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。