海外向けDSP広告「Yahoo DSP」とは？
～インバウンド向けYahoo DSP広告戦略、4つの提案プラン～
デジタル広告の進化は目覚ましく、広告運用者にとって最も重要な課題の一つである広告効果の最大化を支える技術は、日々進化し続けています。広告主にとって広告効果の最大化は最も重要なKPIの一つです。そのKPI達成に一役買うのが、広告の買付から配信、効果測定を効率的に行うプラットフォーム「DSP広告」です。
前回の記事「海外向けDSP広告の基礎知識」では、DSP全体の仕組みや特徴、さらに海外市場で人気のDSPプラットフォームについてをご紹介いたしましたが、今回はその中でも特に海外で注目されている「Yahoo DSP」について詳しくご紹介します。
海外デジタル広告を検討している広告主の皆さま、違う方法を模索している広告運用者さまに向けて、その優位性や広告フォーマットや実際の運用プランをわかりやすくお届けします。
目次
「Yahoo DSP」とは？
Yahoo DSPは、Boundless社が提供している多機能広告ソリューションです。Boundless社は米国に本社を構えるYahooグループの日本法人であり、世界中の幅広いオーディエンスにリーチできる広告配信プラットフォームを提供しています。
Yahoo DSPの最大の特徴は、ディスプレイ、モバイルだけではなく、CTV（Connected TV）、DOOH（Digital OOH）などの多彩な広告フォーマット・配信先を活用して、米国をはじめ、ヨーロッパやアジアといったグローバルなターゲット市場に効率的にアプローチできる点です。日本から海外へ広告配信を検討している企業の課題やニーズを包括的に満たすことが可能な最新のデジタル広告です。
本記事では「Yahoo DSP」にフォーカスして紹介いたします。
※ Yahoo! JAPANはLINEヤフー株式会社が日本におけるYahooブランドの商標権を取得し、運営しています
※ Boundlessは米Yahooの日本法人であり、Yahooグループが運営するサイトへの純広告やタイアップの出稿も相談可能です
「Yahoo DSP」の優位性
Yahoo DSP が持つ最大の強みは、他のプラットフォームにはない独自のデータ活用と柔軟なターゲティングにあります。
豊富で信頼性の高いユーザーデータを保有
DSP広告は、プラットフォームが保有するデータの質・量によって広告のターゲティング精度に大きな影響があります。Yahoo DSP は、Boundless 社が米 Yahoo の日本法人である背景から、米 Yahoo が運用するサイト・コンテンツのユーザーデータを活用できる点が大きな特徴です。
このデータは、検索履歴や購買データ、コンテンツ閲覧情報などを網羅しており、Yahoo 会員のユーザープロファイルデータ（1st Party Data）を 6億2500万も保有しています。さらに、米 Yahoo 独自データを利用したカスタムターゲティングや、データベンダー（3rd Party Data）と連結することで、広告主の要望に合った柔軟で精緻なターゲティング設計が可能となります。
米 Yahoo の独自データを活用したカスタムターゲティング
Yahoo DSPで最も独自性が強く、他のDSPではマネできない特徴の一つは、Yahooメールのデータを活用したカスタムターゲティングです。
このデータは、Yahooが保有・運営するサイトやコンテンツのデータだけでなく、Yahooメールアドレスでログインしたユーザーから収集された、ドメイン情報、購買データや位置情報、閲覧情報を基にターゲティングが可能です。Yahooメールは、毎日40億を超えるメールが送受信されており、その90％以上が企業メールです。このデータを活用することで、ユーザーの興味関心・行動を把握し、広告主の目的に合わせて最適化された精密なアプローチを実現します。
「Yahoo DSP」広告の種類
Yahoo DSP広告では、ディスプレイ広告、動画広告、ネイティブ広告など、多彩な広告フォーマットでユーザーにリーチすることができます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、米Yahooのサイトやその他の関連ページに表示される視覚的なバナー広告で、ユーザーの興味に基づいたターゲティングが可能です。一般的なバナー形式の広告から、画面占有率の大きいプレミアムなフォーマットまで対応しています。
中には簡単なアニメーションに対応しているものや、ユーザーが操作することができるインタラクティブな広告フォーマットもあります。
動画広告
動画広告は、動画コンテンツ前に再生されるプレロール枠や、コネクテッドテレビ（以下CTV）広告などに配信が可能です。
特にCTV広告は人気のフォーマットの一つで、スマートテレビや外部ストリーミングサービスなどを通じて、インターネットに接続されているテレビに配信することができます。テレビの大画面を専有できるため視認性が高く、ブランディングに向いていることがメリットの一つです。
デジタル屋外広告（DOOH）
空港や駅など街中に設置にされている大型ビジョンや、店舗の中にあるようなディスプレイモニターに広告配信する、近年急成長中の広告フォーマットです。
Yahoo DSP では、DOOHの黎明期から先駆者の一つとして、世界各国のさまざまなDOOH配信枠を提供しています。
NYのタイムズスクエアのような有名な場所の大きなモニターから、店舗や駅などに設置されているモニターまで目的に合わせて配信可能です。
インバウンド向けYahoo DSP 提案プラン例
本章では、お客様の抱える課題別、Yahoo DSP の提案プランをご紹介いたします。特に訪日外国人をターゲットとした広告キャンペーンを検討されている官公庁、鉄道会社、商業施設、リゾート会社様に向けた具体的な提案プランです。
●●県で新たに大型テーマパークの開業が予定されている。日本国内でのキャンペーンに加え、XX空港に就航している米国、香港、台湾向けに認知度向上と来場促進を目的とした広告キャンペーンを展開したい。
訪日予定者や日本旅行に関心のある層をメインターゲットとし、テーマパークの来場促進を図る。同時に、将来の来日時の訪問候補として検討してもらえるよう、日本に興味のあるユーザー、旅行検討層、その他潜在的な顧客に対して、認知効果の高いタッチポイントで訴求する。これにより、効果の最大化を目指す。
提案プラン① ：オーディエンスターゲティング配信
台湾OR香港OR米国に住んでおり、且つ、羽田空港と成田空港着を中心に日本行きの航空券を購入したユーザーを抽出しターゲットを絞り広告を配信。
Yahoo DSPでは、Yahoo Mailよりユーザーの購入完了メールなどのデータを取得しており、プロモーション目的に沿ったセグメントを選択することが可能です。実データを元にしているので確度の高いターゲットに向けた広告配信が可能です。
提案プラン② ：コンテキストターゲティング配信
「 Japan travel、Kyoto、Mt.fuji 」など、日本旅行関心層が興味のあるKWを現地語にして設定。予め設定したKWが文中に入った記事に絞り広告を配信。
コンテキストターゲティングは、ユーザーが閲覧しているコンテンツと関連の高い広告が配信されるため、より興味喚起されやすいという特徴があります。また、コンテキストターゲティングによってリーチしたユーザーは、広告に対して興味を持ったユーザーがアクセスする傾向にあるので、クリックされたあとの滞在時間も長い傾向があります。
提案プラン施策③ ：日本旅行興味関心層へCTV配信
オンライン上での行動から、日本旅行興味関心層が高いユーザーを含む世帯のCTVに広告を配信。
テレビという大画面を通じて関心層にインパクトのある訴求が可能です。PC、モバイル向けの配信では得られにくいブランディング効果が期待できます。
提案プラン④ ：都市部でのDOOH配信
海外旅行はある一定の経済力が必要なため、都市部の大型ショッピングモールのスクリーンに広告を配信。
DOOHによる広告施策は、通常のインターネット広告配信とは異なり、ターゲットを絞りすぎないことが特徴の一つです。エリアを指定することで、ある程度の年収層を絞りつつも、今までターゲットとして想定してなかった層のユーザーにリーチが期待できます。
今回具体提案例として、ご紹介しているのはあくまで一例となります。BtoB系の案件、BtoCの案件、ブランディング、獲得系の案件など幅広く対応しております。より詳しい事例やプランのご紹介をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください
さいごに
Yahoo DSP は、米国をはじめ、ヨーロッパ、アジアなど世界中のオーディエンスにリーチできることに加え、CTVやDOOHなどの多彩なフォーマットに対応しており、ワンストップで対応可能となっています。
また、米 Yahoo は世界中で多くのユーザーを抱えているため、豊富なユーザーデータを活用することで、Yahooの1st Party Dataを用いた高精度な広告配信が可能です。また、Yahooが自社で保有・運営する様々なジャンルの媒体への配信もできるため、他のDSPとは異なる多くの独自要素を備えています。
DSPは配信効率、配信精度にも優れ、比較的少額の予算から配信を行うことも可能です。お試しから始めることはもちろん、現在実施中のキャンペーンの新たな選択肢としてご活用されてみてはいかがでしょうか。
弊社ではYahoo DSPを活用した配信も多数実施しており、効果の良い配信事例も続々と増えております！ご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。