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2025年02月19日

ウェブサイトのエンゲージメントを向上させる7つのヒント
~エンゲージメントを計測する重要指標~

ウェブサイトのエンゲージメントを向上させるヒント KV

ウェブサイトは、BtoC・BtoBに関係なく、潜在顧客との接点を生み出す重要な役割を果たしています。しかし、”魅力的なウェブサイト”がどういうものなかが判断できずに、多くのビジネス機会を失っているケースも少なくありません。

特に海外からの集客を目指す場合、文化や言語、さらには市場特有のニーズを考慮する必要があり、単に訪問者を増やすことだけでは十分ではありません。いかに訪問者と積極的に関わり、最終的に見込み客へと転換するかがカギとなります。

エンゲージメントが高まることで、サイトの滞在時間が延び、リピーターの増加や最終的なコンバージョン率が高まることが期待できます。本記事では、ウェブサイトのエンゲージメントを向上させるための有効な施策をご紹介します。これらを取り入れることで、訪問者の関心を引き、コンバージョン率の向上が期待できますので、ぜひ参考にしてください。

 

目次

 

ウェブサイトのエンゲージメントとは?

ウェブサイトにおけるエンゲージメントとは、ウェブサイト訪問者がどれほど積極的に関わっているかを示す指標です。エンゲージメントが高い状態とは、サイト訪問者がウェブサイトに積極的にアクセスし、リンクをクリックしたり、コンテンツを共有したり、資料ダウンロードを行う状態を指します。

このようなユーザーの特定の行動を定量的に可視化することで計測することができます。 魅力的なサイト運営によって顧客エンゲージメントが向上すれば、自社サービスへの理解や信頼が深まり、結果として売上向上や契約獲得につながる可能性が高まります。

 

ウェブサイトのエンゲージメントの重要性

ウェブサイトのエンゲージメントは、サイト訪問者がどれほど関わり、ウェブサイトのコンテンツに対する興味関心の度合いを示す指標です。”エンゲージメントが高い”ということは、訪問者が積極的にコンテンツに関与し、ブランドやサービスに対する関心が強いことを示しています。

エンゲージメントの高いウェブサイトは、ファネル全体を通して、顧客を導き、顧客の抱えている課題解決に役立ちます。ウェブサイトを通した顧客との有意義な関わりは、単なる取引を超えた、より深いつながりを育みます。顧客との強固な関係は、忠誠心を育み、顧客をブランドの”支持者”に変えるため、顧客生涯価値(LTV)が高まります。

また、訪問ユーザーがウェブサイトに長く留まり、コンバージョンが多く発生するウェブサイトは、Googleから検索意図が満たされたと認識され、検索結果で高い評価が与えられるため、自然と質の高いトラフィックが生まれ、結果的に収益の増加につながります。

 

エンゲージメントを計測するための指標

ウェブサイトのエンゲージメントとは、訪問者がウェブサイトとどれくらい積極的に関わっているかを示す指標です。Googleは2016年から「エンゲージメント」を重要視しており、Googleの検索アルゴリズムの重要な要素の一つです。

GA4 では、トラフィック獲得セクションでさまざまなユーザー エンゲージメント指標を確認できます。主なウェブサイトのエンゲージメントを把握する指標としては、以下を定期的に確認することが重要です。

エンゲージメント率

エンゲージメント率は、エンゲージメントのあったセッション数をセッション数で割った割合で、サイト上で訪問者が何等かの意味のあるサイト行動があった割合を示します。
エンゲージメント率としてカウントされるのは、以下の基準を満たすセッションです。

  • セッションが10秒以上継続する
  • 2ページ目に訪問する
  • CVなど重要なイベントが計測されたユーザー行動の数

lightbulb- idea エンゲージメント率が低いページは、ウェブサイト全体、特定のチャネル、特定のソース/メディアが低いのかなどを詳しく調査し、どの要因が原因なのかを確認しましょう。

エンゲージメントセッション数

単にセッション数だけでなく、ユーザーとウェブサイトの積極的な関わりを可視化した指標です。エンゲージメントセッションは、10秒以上継続したセッション、または、コンバージョンイベント、ページビューまたは、スクリーンビューが2回以上発生したセッションを指します。

lightbulb- idea ページを開いてすぐに離脱した場合はカウントされないため、サイト上での積極的なユーザーアクションが行われたかを把握する重要な指数です。

平均エンゲージメント時間

「平均滞在時間」の代わりにGA4で導入された平均エンゲージメント時間は、ユーザーがサイト上で何らかのアクションを取っている時間です。この指標は、ページのコンテンツやメッセージが顧客の関心を集めているかどうかを判断するために役立ちます。

ページの読み込み時間や何もアクションを行っていない状態は含まれないため、この時間が長いほど、ユーザーエンゲージメントが高いことを指しています。

lightbulb- idea Googleが発表している適切な平均エンゲージメント時間は、31秒~1分37(平均52秒)です。

セッションあたりの平均エンゲージメント時間は、顧客のエンゲージメントを理解するための重要な指標の一つです。セッションあたりの平均エンゲージメント時間が短いページは、優先順位をつけ、原因を追究し取り組みを強化する必要があること示しています。

ページあたりのエンゲージメント時間

ページあたりのエンゲージメント時間は、ユーザーがページで費やした合計時間をページの訪問者数で割って計算します。

lightbulb- idea ページのエンゲージメント時間が長いページの場合、人気があり魅力的なコンテンツ、キャンペーンの有効性などを評価するのに役立ちます。

イベント数

イベントは、ユーザーが特定の行動を起こした回数のことです。

ユーザーがウェブサイト上でどのような行動をしたのか、より詳細なデータを取得できるため、エンゲージメントを計測する上で重要な指標の一つです。「ボタンクリックした、動画視聴した、フォームを送信した、資料をダウンロードした」など、具体的なアクションをイベントとして計測することで、ユーザーの興味関心や行動パターンを深く理解することができます。

lightbulb- idea 良く読まれているコンテンツや良くクリックされるボタンなど、コンテンツの改善やUI/UXの改善に役立てることができる指標です。

 

ウェブサイトのエンゲージメントを高める7つのアイデア

ウェブサイトに訪問者が来たら、サイト上で多くの時間を費やしてもらい、より多くのページに遷移してもらう必要があります。実際にウェブサイトのサイトエンゲージメントを高め、コンバージョン率を高めるためのアイデアをご紹介します。

1.ウェブサイトの読み込み速度を上げる

王道施策ではありますが読み込み速度の改善は、ウェブサイトのエンゲージメントを高めるうえで有効な改善施策の一つです。

ページが表示される速度は、1秒遅れるとコンバージョン率が7%下がるとの調査もあるほどです。また、ウェブサイトを訪れるユーザーの55%は、滞在時間がたった15秒未満と言われています。

ユーザーの興味や関心を保ち続けるためには、訪問者の求める情報をいかにスムーズに提供できるかが重要な観点となります。まずは、ウェブサイトの平均読み込み速度を把握して、改善ページの優先順位をつけましょう。

lightbulb- ideaウェブページの読み込み速度を上げるには、以下の方策が有効です。

  • 画像や動画ファイルを最適化する
  • コードを最適化する
  • リダイレクトを減らす
  • キャッシュヘッダーを調整して、データ取得を減らす

 

2.魅力的で関連性の高いコンテンツを提供する

ウェブサイトに訪れた人には解決したい悩みがあり、関連するキーワードで検索を行い、ウェブサイトにたどり着いています。「検索した先」に有益な価値のあるコンテンツがあれば、そこから新たなアクションを起こす可能性が高まります。

まずは、ターゲットニーズや興味、抱えている課題などを洗い出し、制作するコンテンツのテーマを考えましょう。また、ターゲットのニーズは日々変化するものと想定し、多角的な視点からさまざまなコンテンツを用意します。コンテンツは、ユーザーの具体的なニーズを満たす「見るべき価値あるコンテンツ」でなければいけません。

lightbulb- idea ターゲットにとって魅力的なコンテンツとは?

  • 関連性が高いコンテンツ
  • ターゲットユーザーの課題を解決するコンテンツ
  • 購買ファネルにマッチした多様な形式のコンテンツ
  • 業界の最新情報を得られるコンテンツ
  • 抱える業務の課題を解決できるコンテンツ

 

3.実績や社会的証明を掲載する star logo

実績や社会的証明とは、企業や自社サービスに対するカスタマーレビューや公式な推薦文、ケーススタディ、星評価のことです。これらは社会的な証明として機能し、人々の行動に影響を与え、ウェブサイトの信頼性を高める役割を果たします。

近年の消費者行動は、B2Bビジネスであっても事前に検索やSNS調査、口コミサイトなどで評判を確認する傾向にあります。特に海外市場では「社会的信用」がより強く求められる傾向があります。

企業やサービスの社会的証明は、ウェブサイト内にレビューを組み込むことで行えます。購入者へのインタビュー内容の掲載や、サービスに関するSNS投稿を埋め込むのもよいでしょう。

 

4.ウェブサイトのナビゲーションを直感的にする

ウェブサイトのエンゲージメントを高めるには、ユーザーインターフェースとナビゲーションの強化も必要です。ウェブサイトを訪れた際に直感的に「コンテンツとレイアウトが魅力的でない」と感じた場合、38%以上の人が即離脱するそうです。

いくら企業理念やサービスがすばらしくても、ユーザーインターフェースが悪いと消費者には届きません。また、複雑なナビゲーションは、ユーザーを迷わせ、ストレスを与え、ユーザーが離脱する原因となります。ユーザーが欲しい情報を、できるだけ分りやすく見やすい場所に配置することで、スムーズに目的地まで誘導することが重要です。

 

5.パーソナライズされたコミュニケーションを実施する

ウェブサイトのエンゲージメントを高めるためには、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされた最適なコミュニケーションが不可欠です。

現代の消費者は、企業が自分たちのニーズを理解し、関連性の高い情報、製品、サービス、そしてソリューションを提供してくれることを期待しています。そのため、メッセージをパーソナライズすればするほど、顧客の心に響き、行動を促す可能性が高まります。

マーケティング自動化ツール、特に高性能なAIチャットボットや最先端の拡張現実(AR)技術を活用することで、訪問者が見たいコンテンツを最適なタイミングで提供することが可能になります。

lightbulb- ideaコンテンツをパーソナライズするためには?

  • データを分析して、顧客のニーズを理解する
  • パーソナライズされたメールやSNS投稿を行う
  • AIツールを活用して、顧客の購買行動に基づいたタイミングで、製品やコンテンツを推奨する

 

6.インタラクティブなコンテンツを活用する

ウェブサイトのエンゲージメントを高めるには、一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションが重要です。そのため、サイトを訪れたユーザーを受動的な訪問者として捉えるのではなく、積極的に参加してもらうような工夫を取り入れましょう。

クイズ、アンケート、ゲーム、投票などを通じて、ユーザーは楽しみながらウェブサイトに関わることができます。

効果的なコミュニケーションは、信頼を築き、顧客エンゲージメントを維持するための鍵となります。

 

7.オムニチャネル戦略を取り入れる

オムニチャネルとは、企業が顧客との接点となる様々なチャネル(店舗、ECサイト、SNS、アプリなど)を連携させ、顧客体験を向上させるための戦略です。

例えば、「SNSの投稿で商品を知り、実店舗で商品を見て、ECサイトで購入する」という流れです。複数のチャネルを統合することで、顧客はどこからでもシームレスに情報にアクセスでき、ブランドとの接点が増加します。これにより、顧客の関心を引きつけ、ウェブサイトへの訪問頻度が高まります。さらに、ウェブサイトに限らず、SNS、メール、アプリなどでのエンゲージメントを促進することが可能です。

顧客の行動データを収集・分析し、どのチャネルでも関連性の高い情報やオファーを提供することで、ユーザーの関心を維持し、ウェブサイトの訪問者がより長く、より深く関わるようになり、最終的にはコンバージョン率の向上にも繋がります。

 

さいごに

強力な顧客エンゲージメント戦略は、企業の成長を支える重要な要素です。特に海外市場では、文化や価値観の違いが影響するため、顧客との信頼関係を築くためには現地に適したアプローチが必要です。エンゲージメントを高めるためには、単に製品やサービスを提供するだけではなく、顧客がブランドと深くつながり、共感を感じることが重要です。

海外マーケティングでは、現地市場に適応した戦略を練ることが成功のカギを握ります。もし海外マーケティングに関してお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。経験豊富な専門家が、最適な戦略をサポートいたします。

ホワイトペーパー_厳選!お客様事例集

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。