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2021年08月04日

韓国で人気のSNS「BAND」とは?
~主要機能・LINEとの比較~

韓国BAND -KV

韓国で最も流行っているSNSは何だと思いますか?
Facebook? Instagram? それとも以前にご紹介したカカオトーク

実は、韓国では「BAND」というSNSが人気を集めています。日本ではあまり馴染みのないSNSですが、韓国ではカカオトークと共に誰もが知っているSNSの1つです。

韓国の市場調査会社、DMCメディアが2021年に発表した「2021年ソーシャルメディア市場と現況分析」によると、韓国におけるソーシャルメディアの利用率は、なんと世界で第2位! 世界平均の53%より圧倒的に高い、人口の89%の人々がSNSを利用しています。さらに世代別に見ると、10代~30代ではInstagramの人気が高く、30代以上のユーザー層にはBANDが支持される結果となりました。

korea-social-media-app-band-usage-by-age インフォキュービック・ジャパン作成資料
<出典:DMCメディア:資料を元にインフォキュービック・ジャパンにて作成>

今回は、韓国市場攻略するうえで知っておきたい人気のSNS「BAND」をご紹介します。

 

BANDとは?

韓国で人気上昇中のSNS「BAND」って?

<参照元:NAVER>

BANDは、韓国NAVERの子会社である「キャンプモバイル」が運営するソーシャルネットワークサービス(SNS)でしたが、2018年NAVERに合併・吸収されました。余談ですが、この「キャンプモバイル」はカメラアプリ「SNOW」をリリースするなど若い世代で人気のアプリを輩出している企業です。

2012年にメンバー同士の交流アプリとしてデビューしたBANDは、日本では2013年からサービスを開始。「バンドでグループを1つに束ねる」という意味からBANDと名付けられ、当初は大学生の様々なコミュニティ向けにアプリ開発されていった結果、次第に小規模コミュニティとして人気を集めました。その後、学校名を入力して同じ大学の友だちや母校の同級生を探す「同級生探し」機能が追加されると急激にユーザー数を伸ばし、ローンチ2年目の2014年に3500万件のダウンロード数を記録。現在では、ビジネスコミュニケーションツールとしても利用されています。

言語対応については現在、韓国語や英語などを含む7か国語でサービスされています。

BANDは最初「クローズド型SNS」としてスタートし、特定の人だけを招待して話せる仕様になっており、メンバーになるにはリーダーの承認もしくは既存メンバーからの招待が必要でした。しかし2015年の大幅な改編や検索機能が追加されることで、「NAVERカフェ」のようにBANDのユーザータイプが「非公開・BAND名公開・公開」に分岐し、代表ハッシュタグ(#)機能やメンバー管理機能の強化などオープン型SNSに改編されたことにより大幅にユーザー数を伸ばしました。

 

3つのBANDタイプ

check 非公開BAND

家族や友だち、会社の同僚など仲間同士の交流におすすめ。
参加するには招待が必要。メンバー同士でのコミュニケーションの目的でBANDを利用するケースに適しています。

check BAND名公開

招待したい人が多い場合におすすめ。
「BAND検索」でBAND名を探して参加できるので便利。BAND内の書き込みはメンバーのみ閲覧可能になっています。

check 公開BAND

共通の趣味や関心がある人同士の交流におすすめ。
誰もが検索・参加することができ、グループに参加する前でもBAND内の書き込みを確認することができます。また、BANDのURLを設定しておくとURLを経由して簡単にグループにアクセスすることができます。

 

BANDの主な機能

それではBANDの主な機能についていくつかご紹介しましょう。

check 掲示板

スレッド形式でやり取りでき、写真や動画、スタンプ、投票などが投稿できます。投稿は最新の投稿順に表示されます。WordやExcelなどの添付ファイルはプレビューが可能で、Dropboxとの連携によるファイル共有もできます。

check 投票

メンバーの投票による意見調整ができます。

checkトーク

BAND内でのトークや1対1でのトークが可能です。

checkメンバー

メンバー一覧の表示やアドレス帳の管理ができます。また、BANDに招待することもでき、LINEやカカオトーク、Facebookの友だちと連動し簡単に招待できます。メールでの招待も可。

check  予定表

メンバーの誕生日や記念日、イベント、ミーティングなど共有したい予定をカレンダーに記入し共有できるグループカレンダー機能を提供。また、「出欠管理」でスケジュール管理をしたり、時間を設定し通知することもできます。

checkアルバム

メンバー同士で思い出の写真を共有したり、アルバムを作成することができます。写真は一度に100枚までアップできます。

 

アジアで人気の「LINE」との違いは?

韓国BAND

BANDと同じ緑色のアイコンで、日本でもお馴染みの「LINE」。親会社は(BANDは完全吸収されていますが)同じNAVERですが、機能としてはどのような違いがあるのでしょうか?

LINEとBANDの違いとして、認識しておくべきところは、以下の点です。

check LINE個人と個人の非公開コミュニケーションツール

check BANDグループでのコミュニケーションに最適

LINEのグループトークは、メンバー同士の非公開コミュニケーションの場です。トークには最初にID交換や招待が必要です。一方BANDはID交換が一切不要であり、非公開に設定しているコミュニティを除けば基本的に全ての人に公開されます。また、検索機能を使ってコミュニティに参加したり、趣味や仕事、勉強会、情報共有など目的に合わせBANDを新設しメンバーを集めることもできます。さらに写真やスケジュール管理、トーク履歴などを過去に遡って探さなくても簡単に確認することが可能です。

 

まとめ

「共通の趣味」や「情報共有」の場として人気の高いSNS「BAND」は、マーケティングを展開する上でもターゲットを絞りやすいため、効果が期待できるでしょう!

世界的に人気のSNSといえば「Facebook・WhatsApp・Instagram」などが挙げられます。しかし一方で、アジア地域に目を向けてみると、そこには独自の発達を遂げるローカルプラットフォームが多数存在します。的確なデジタルマーケティング施策に繋げるために各地域独自のデジタル文化をしっかりと理解する必要があるでしょう。日本とは異なる世界のSNS事情に関わるグローバルマーケティングでお困りのことがありましたら、ぜひ私たちにお申し付けください。

シンギョンラン

シン ギョンラン 

1994年韓国生まれ。韓国の慶北大学で日本語と経営を専攻。2014年長崎大学経済学部で一年間交換留学。学校で受けた授業をきっかけにマーケターとして活躍したいと思い、株式会社インフォキュービック・ジャパンにてインターンを経験。その後、2017年入社。現在はDigital Marketing Team Consultant として奮闘中。趣味は映画観覧。