日本人があまり知らない⁈
「韓国で愛用されるモバイルアプリ6選」
先日、東京オリンピック・パラリンピックが無事に閉幕しました。渡航制限など異例尽くめの開催でしたが、世界中から参加した選手の活躍はやはり胸躍るものがありました。
2018年にも韓国で冬季オリンピック・パラリンピックが開催されました。極寒の地で開催となった平昌オリンピックでしたが、開会式で韓国が世界に発信したメッセージのことをご存知でしょうか?
韓国は長年、外国人の「韓国への移住」について消極的な態度をとってきました。しかし、開会式で歌唱した子供たちは、全員が韓国人と外国人の国際結婚により生まれた「ハーフ」の子供たち。韓国は平昌オリンピックの開会式で「世界の多様性を認め、グローバル化を積極的に受け入れていくこと」を世界に宣言したのです。
2020年10月韓国行政安全部が発表した資料によると、韓国在住外国人は221万人を突破。そのうち日本人は4万人超と言われており(外務省:外界在留邦人数調査統計令和3年版)、コロナの収束とともにさらにグローバル化が進むと予想されています。
そこで今回は「韓国に住む外国人や地元の韓国人が愛用する韓国発モバイルアプリ6選」をご紹介します。
Kakao Talk(카카오)
< Kakao>
「Kakao Talk」は、韓国で携帯電話・スマホを所有している人であれば誰もが使っている、といってよいほどの人気モバイルアプリです。日本でいう「LINEの韓国版」と考えればわかりやすいでしょうか? 子供からお年寄りまでが「Kakao Talk」を利用してコミュニケーションを図っています。ちなみに、韓国NAVERの100%子会社である「LINE」の韓国での普及率は20%程度にとどまっています。
「Kakao Talk」を利用することで、インターネット環境下であれば無料でメッセージのやり取りを行うことができます。グループチャット機能は、情報共有が容易にできるため非常に便利です。「メッセージや画像・動画の送信」「ボイストーク」「ビデオ通話」「オープンチャット」「グループ通話」「タクシー予約」「決済サービス」など多岐にわたる機能を利用することができ、韓国人にとってなくてはならないアプリの1つと言えるでしょう。
韓国で新しい人と出会った場合、彼らは電話番号ではなく、まずは「Kakao Talk」のアカウントを交換します。まさに韓国での生活に欠かすことのできない必須モバイルアプリです。
Yogiyo(배달요기요)
<Yogiyo>
インターネット大国の韓国で人気のフードデリバリーアプリといえば「Yogiyo(ヨギヨ)」です。忙しくて外食ができない韓国人や長期滞在の外国人に日々利用されている韓国発のアプリです。Yogiyoを使えばモバイル端末から簡単にフードの注文ができるため、韓国語のスピーキングが得意でない在韓外国人にも重宝されています。
実は韓国のフードデリバリー市場は世界で第3位の規模を誇ります。そのうちYogiyoは25%程の市場シェアを占めます。
使い方は非常にシンプルで「チキン・中華・ピザ・韓国料理・日本料理」といった料理のジャンルの中から、食べたいジャンルを選択します。その後、配達可能なメニューが表示されるので、オーダーを確定して最後にクレジットカードもしくは現金での支払い方法を選択すれば完了です。
コロナの影響もあり、今後もますます成長していくであろうアプリの1つといえるでしょう。
Korea, Seoul Metro Navi
「Korea, Seoul Metro Navi」は、ソウル市内の地下鉄の乗り換えを即座に調べてくれるモバイルアプリです。現在地の駅と目的地の駅をクリックするだけで、最短ルートを即座に表示してくれるので、ソウル市以外の大都市での乗り換えもマップを切り替えることで可能になります。
地下鉄の最終時刻を分かりやすく表示してくれるため、終電に乗り遅れる心配もなくなります。日本同様に生活のスピードが非常に速い韓国では、在住者・旅行者を問わず必須のアプリになります。
Kakao Bus
「Kakao Bus」は、すでにご紹介した「Korea, Seoul Metro Navi」のバス版モバイルアプリです。電車と比べて路線の複雑さから旅行者や外国人はもとより、普段バスに乗り慣れていない韓国人にとって少しハードルの高い韓国のバス。しかし、電車では行きづらいエリアをカバーする細かな路線網は、韓国に住む人々の足として根付いています。
「Kakao Bus」を使えば地図や、バス番号から簡単に現在地の近くのバス停を調べたり、目的地に行くための経路や最適な手段を見つけることができます。また、バスをよく利用する韓国人たちは「Korea, Seoul Metro Navi」と併用しながら目的地までの最適ルートを見つけるために活用しています。
NAVER Korean Dictionary(네이버 사전)
「NAVER Korean Dictionary」は、韓国のNo.1検索エンジン「NAVER」が提供する辞書モバイルアプリです。単語の意味や使用例の検索では、検索した単語を使用した多くの例文が表示されるため、困ったときに頼れるモバイルアプリとして韓国在住外国人からの信頼を獲得してきました。
また都市部で生活をする韓国人であれば、外国人と接する機会も多くなるため、「手書きでの単語検索」「音声による単語検索」などの機能も非常に役に立ちます。「日⇔韓翻訳機能」はもちろん「英語⇔韓翻訳」などの機能も含まれており、他言語を学びたい韓国人や、韓国語を学びたい韓国在住外国人などに愛用されています。
Visit Seoul
< Visit Seoul >
韓国の首都であり、最大の観光都市のソウル市政府の公式旅行モバイルアプリ「Visit Seoul」。ソウル市内のすべての観光スポットの詳細と位置情報を提供しており、海外からの旅行者はもちろん、コロナ禍の現在では地方都市からの旅行者に人気のアプリです。
ソウルの観光スポット以外にも、ショッピングスポット、レストラン、ホテルなどの情報が掲載されているだけでなく、天気情報・交通情報・観光案内所など、ソウルを観光する旅行者にとって必要な情報が詰め込まれたアプリです。さらには「初めてのソウルでどこを観光したらいいか分からない」「滞在期間が短いけど効率よく観光がしたい」という旅行者のために、プロが教えるおすすめコース&スペシャル観光コースが見れたり、気になる観光地の本音レビューを見ることもできます。
まとめ
いかがでしたか。韓国の人気モバイルアプリは、日本や世界で人気のアプリと傾向は似ていますが、Kakao TalkやNAVER系のアプリに代表されるように、同じような機能を備えつつもオリジナルのテイストを加えることで、国民の支持を得ているものが多いようです。
デジタル先進国である韓国では、市民が利用する行政サービスの大半はオンライン・モバイルから利用できます。「グローバル×デジタル化」が急速に進む韓国。的確なデジタルマーケティング施策に繋げるために各地域独自のデジタル文化をしっかりと理解する必要があるでしょう!
日本とは異なる世界のデジタル事情を理解したグローバルマーケティング施策でしたら、ぜひ私たちにお申し付けください。
シン ギョンラン
1994年韓国生まれ。韓国の慶北大学で日本語と経営を専攻。2014年長崎大学経済学部で一年間交換留学。学校で受けた授業をきっかけにマーケターとして活躍したいと思い、株式会社インフォキュービック・ジャパンにてインターンを経験。その後、2017年入社。現在はDigital Marketing Team Consultant として奮闘中。趣味は映画観覧。