SNS戦略に必要な「ソーシャルリスニング」って?
~効果的に活用するために必要なポイント~
近年、SNSマーケティングの重要性が高まっていますが、それと同時に注目が集まっているのがソーシャルリスニングです。本記事では、今後さらに重要性が高まると考えられるソーシャルリスニングについて紹介していきます。ソーシャルリスニングの重要性について見ていきましょう。
ソーシャルリスニングとは?
「ソーシャルリスニング」とは、ソーシャルメディアから消費者の生の声を「収集・分析」→マーケティングに役立てる手法です。消費者が日常的に企業や製品に対して発信する「評価」や「批判」を追跡することで、顧客がブランドに対してどのように考えているのかを適格に把握することができるのです。
よく混同されがちなのが、ソーシャルメディアの「モニタリング」です。「モニタリング」はデータの収集に主眼が当てられており、定量的なデータによって評価が行われるのが常です。
「ソーシャルリスニング」は、量的なデータだけでなく、個々の消費者がどのような意図で話題を投稿したのかといった質的なデータも大切にしている点で大きく異なります。また、ソーシャルリスニングは、データの分析とともに、次のアクションをどのように起こすかという「行動」と強く繋がっていることも特徴として挙げられます。
ソーシャルリスニングを行うことで、ブランドと顧客の関係性を可視化することが可能になるのです。
ソーシャルリスニングの重要性
現在、SNSは企業や製品に対する「評価」で溢れています。よい評価に対しては、その発信に対してポジティブなアクションを起こすことで、より大きく拡散する可能性があります。また、否定的な発信は、そのままにしておけばブランド価値を大きく下げることに繋がります。
「適切な対応」をとることにより、悪い評価の拡散を防ぐことができることに加え、一度は顔をそむけてしまった顧客を再度獲得することができるかもしれません。
【企業例】
コカ・コーラ
世界を代表する企業であるコカ・コーラ社は、Twitter上での自社製品に対するツイートを注意深く観察し、顧客との関わりを積極的に持つようにしています。
The only thing left to do is make it count. #CokeEnergy #ShowUp pic.twitter.com/KZXUiWhNwZ
— Coca-Cola (@CocaCola) January 29, 2020
バスケットボールの試合中に、Nikeのシューズが突然壊れるというハプニングが発生しました。この試合は全国放送されていたことに加え、選手が事件に対する不満をツイートしたことから、Nikeの株価は急落しました。しかし、Nikeは、Twitter上で問題の究明にすぐに着手することを伝えるとともに、当該選手に対して仕事の依頼をするという「全く予想外のアクション」を起こすことで、当選手やアメリカ国民の理解を得ることに成功し、窮地を脱したのです。
Nike’s stock fell after Duke star Zion Williamson’s shoe exploded on the court during a game. @ChristineRomans reports on the fallout: https://t.co/FWzAQXME86 pic.twitter.com/oLSGZqKAW8
— CNN (@CNN) February 22, 2019
また、顧客による評価の中には、ブランドの未来に繋がる有益な情報が多く含まれていることもあります。このような声を活かさない手はないでしょう。
ソーシャルリスニングを効果的に活用する!
「押さえておきたい、5つのポイント」
では、ソーシャルリスニングを効果的に活用するためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。ソーシャルリスニングを成功させるための5つのポイントについて紹介します。
多様なプラットフォームからの情報を活用する
様々なSNSを観察することが重要です。例えば、LinkedInとTwitterでは、プラットフォームの利用者層が全くもって異なるため、異なる評価がされることが多いです。1つのプラットフォームの意見に固執してしまうと偏った見方しかできなくなりますので、複数のSNSから情報を得るようにしましょう。
競合他社のSNSアカウントから学びを得る
競合他社のアカウントの成功や失敗をよく分析することで、あなたの企業がすべきことが見えてきます。また、人々がこれら競合他社の企業に対して行う評価は、あなたの企業にも同様の意見を持っている場合が多いと考えるべきです。中でも、競合他社が行った「失敗」体験には、あなたの企業が学べることが詰まっているといえます。自分の企業の失敗では落ち込んでしまいますが、競合他社が犯した失敗であれば、前向きに分析に取り組めるのではないでしょうか。
ソーシャルリスニングで得られたことを会社全体に共有する
ソーシャルリスニングで得られた学びは、会社全体にとって大きな利益になるものばかりです。しかし、これらの情報が一部の人にしか共有できていない会社がなんと多いことでしょう。ソーシャルリスニングで恩恵を受けるのは、会社のカスタマーサービスから始まり、マーケティングチーム、商品開発チーム、経営者まですべてです。情報をしっかりと共有し、会社全体のために活かしていくことが重要です。
ソーシャルメディア上での変化の波を掴む
継続してソーシャルリスニングを実施していると、顧客がどのように感じているのかを理解する感覚が備わります。この感覚が養われるようになると、ポジティブな波に乗ることが比較的容易になります。すると、自社ブランドに対する評価の波が大きく変わるタイミングに気づくことができるようになってきます。SNS上の大波を読み、それにのっかることがSNSマーケティングを成功させる大きなポイントです。また同様に、自社ブランドのネガティブな波を予想できるようになれば、その危機を未然に防ぐことができるようになるでしょう。
分析を基に行動を起こす
既に述べたように、ソーシャルリスニングは実際にアクションを起こすことが重要となります。分析をしているだけでは、それはモニタリングです。個々のコメントにとらわれるのではなく、時間の経過に伴うパターンと傾向の把握に務めて、それを基に行動に移してください。
さいごに
これからSNSマーケティングを取り入れようと考えている企業は、ソーシャルリスニングについても学ぶことが重要です。ソーシャルリスニングを効果的に取り入れれば、SNSマーケティングの成果を何倍にも伸ばすことができるでしょう。
インフォキュービック・ジャパンでは、Facebook・LinkedInをはじめとする有力SNS媒体を用いたグローバルSNSマーケティングを得意にしております。日本から世界に向けたデジタルマーケティングでお困りごとがございましたら、お気軽にお申し付けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。