韓国の検索エンジン「NAVER」とは?
機能・特徴・マーケティング活用法を解説!
韓国の検索エンジン「NAVER」とは?
機能・特徴・マーケティング活用法を解説!
2023年3月、韓国からのインバウンド客は46万人を超え、多くの韓国人観光客が来日するなか、韓国向けのプロモーションを検討されているマーケターの方なら、まず最初に検討するのが「NAVER」を活用したマーケティング施策ではないでしょうか?
韓国では近年Googleのシェアも高まってきていますが、依然、「NAVER」の人気は根強く、韓国人は日常生活の一部として「NAVER」を利用しています。
そこで今回は、NAVERを韓国デジタルマーケティング施策に活用するために、「NAVERとは何かという「NAVERの基本」から、どのようにビジネスに生かせるかなど、詳しくみていきたいと思います!
目次
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韓国の検索エンジン「NAVER」とは?
NAVERは1999年に誕生した、ウェブポータル及び検索エンジンプラットフォームです。「検索エンジン」と聞くと日本ではGoogleやYahoo!をイメージしますが、韓国では、検索エンジンといえば、NAVER」と言っても過言ではないほど、韓国では昔からNAVERが定着しています。登録ユーザーは4,200万人以上、毎日1,600万人がアクセスする韓国№1のインターネット検索ポータルです。
実際、社内韓国人スタッフに聞いてみても、Googleをスマホで利用する機会は増えてきたものの、日々の生活ではほぼ「NAVER」を利用しているそうです。INTERNET TRENDで調べてみると、2023年6月時点のNAVER検索エンジンのシェア率は55.54%、Googleが35.4% であることを考慮するとNAVERの人気が非常に高いことが伺えます。近年、徐々にGoogleのシェア割合が増加してきていると言われていますが、それでもNAVERは韓国で根強い人気の検索エンジンです。
<INTERNET TREND:검색엔진 韓国における検索エンジンシェア>2002年にサービスを開始した「知識iN(=日本のYahoo!知恵袋のようなサービス)」で、検索エンジン上で自分が持つ情報をNAVERに提供するという仕組みで、大ヒットしました。日本では2020年9月まで「NAVERまとめ」というキュレーションサービスを提供していました。「NAVERまとめ」は、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
NAVERはもともとLINEの親会社でもありました。2019年11月にLINEはYahoo!との経営統合が発表されたニュースをご存じの方も多いと思いますが、LINEとYahoo!は経営統合をしたあと、新会社を設立しソフトバンクとNAVERの傘下へ入っています。
NAVERの主な特徴と機能
NAVERはGoogleとは異なり、韓国独自の検索エンジンです。特徴や機能を理解しましょう。
独自のインターフェイス
まず、NAVERの最大の特徴と言えば、やはり独自のインターフェイスです。
NAVERはGoogleとは異なり「ポータルサイト型」のため、Yahoo!Japanと似たデザインで構成されています。最新のニュースや天気、株価、動画、ショッピングなど、約50近くのカテゴリーに分類されています。
モバイルアプリもデスクトップ同様のインターフェイスを提供しています。
独自の検索結果(SERP)NAVERでの検索結果は、GoogleやBingなどと大きく異なり、NAVERプラットフォームを通じて作成されたコンテンツをより重視して上位表示します。そのため、NAVER広告やNAVERコンテンツ(NAVERブログやNAVERCafe、NAVER iNなど)が、優先的に上位に表示されるため、一般的に企業のホームページなどがオーガニックで上位表示されることが難しい仕組みです。
検索結果の構成は検索するユーザーの検索意図によって異なり、Googleなどで行うSEO対策などはNAVERには通用しないため、注意が必要です。
検索以外の独自サービスNAVERは単なる「検索エンジン」だけではなく、韓国の消費者に焦点を当てたさまざまなサービスを提供するプラットフォームとして、韓国人から支持を得ています。NAVERが提供する多様なサービスは、次のようなものがあります。
- NAVERブログ(韓国版アメブロ)
- NAVER Cafe(韓国版Reddit)
- NAVERポスト(韓国版Steemit)
- NAVERショッピング(韓国版楽天ショッピング)
- Naver Smart Store(韓国版Amazon)
- NAVER Knowledge iN(韓国版Yahoo!知恵袋)
- NAVER百科事典(韓国版Wikipedia)
- NAVERニュース(韓国版Yahoo!ニュース)
- NAVERメール(韓国版GMail)
- NAVERマップ(韓国版Googleマップ)
- Naver Band(韓国版MeetUp)
- NaverPay(韓国版PayPal)
- Whale Browser Naver(韓国版Google Chrome)
- NAVER Webtoon(ウェブコミックプラットフォーム)
NAVERでは数えきれないほど多くのサービスを提供しています。
NAVERを韓国マーケティングに活用するには?
NAVERはビジネスを成長させるために役立つさまざまな機能を提供しています。NAVERを活用した施策は次のようなものがあります。
1.NAVER広告でプレゼンスを高める!
先述したようにNAVERの検索結果ページ(SERP)は、Googleの検索結果とは全く異なり、NAVER広告やNAVERコンテンツを上位表示させます。特に、検索広告(リスティング広告)は最大で20個まで表示され、検索結果ページに色で区別されて表示されるため視認性が高く、クリックされる可能性が高まるため、新規ユーザーの獲得が見込まれます。
さらに検索広告以外にもウェブサイトやブログ投稿を上位表示させるためのパワーコンテンツ広告などさまざまな広告オプションがある他、場所・年齢・性別・興味・関心事項などに基づいてターゲティングできるため、ターゲットを絞った効果的な広告キャンペーンを作成することができます。
2. NAVERブログで情報を発信する
NAVERブログ(네이버 블로그)とは、韓国の検索ポータルサイトNAVERが運営する、韓国最大のブログサービスです。個人・企業・団体を問わず、NAVERアカウント登録しログインするだけで無料でブログを開設できます。企業やブランドは、NAVERブログを活用して、ブランドストーリー、商品やサービスなどの情報をユーザーに発信することができます。
先述したように、NAVERではそもそも企業のウェブサイトは上位表示されにくい仕組みを採用しているため、企業のウェブサイト内でコンテンツマーケティングを実施しても効果が見込めません。NAVERブログを活用して、ユーザーが検索しそうな関連キーワードを含むクエリなどを含めることで、ブログコンテンツを検索結果に表示させましょう。他のブログと同様に適切なキーワードで一貫したコンテンツを投稿していくことが大切です。
NAVERブログはマーケティングのツールとして効果が高く、口コミが大きな影響を及ぼす韓国では、NAVER内で上位表示が狙えるNAVERブログが韓国マーケティング施策の一つとしてさまざま企業などから広く活用されています。
3. NAVERカフェでユーザーとコミュニケーションを取る
NAVERが提供するサービスの中で、NAVERブログとともに広く使われているのが、「NAVERカフェ」という韓国最大のコミュニティサイトです。日本人の方にはあまり馴染みがありませんが、Facebookグループに似たプラットフォームとして、韓国では最大のコミュニティサイトであり大きな影響力をもっています。
時間や場所、趣味など幅広い分野で情報交換できるコミュニティサイトとして知られており、2019年までに開設されたNAVERカフェは1000万件を超えています。
<NAVERカフェイメージ>NAVERカフェを開設すると、開設者が카페 매니저(カフェマネージャー)となり、掲示板と作成します。興味のある人達はカフェメンバーとなり、それぞれの掲示板で自由にコミュニケーションが取れる仕組みとなっています。カフェ利用は無料で、参加や開設、投稿にはNAVERへの会員登録が必要です。短いテキストの他に画像や動画、位置情報などが投稿できます。
3. NAVER Knowledge iNに投稿する
NAVER Knowledge iN は、日本のYahoo!知恵袋、海外で言えばQuora(クオーラ)のようなもので、ユーザーが質問すると、他のユーザーが回答するQ&Aサイトです。自社のビジネスに関連する悩みやキーワードに対して積極的にユーザーの悩み・問題を解決することで、NAVERKnowledge iNの特定のキーワード内で強い存在感を示すことができるようになります。
4.NAVERビジネス向けテクノロジーを活用する
NAVERエコシステムには、多くのユーザーにリーチするために活用できるビジネス向けサービスが多く用意されています。自社のビジネスに合うサービスは積極的に活用しましょう。
NAVER Smart Store(スマートストア) eコマースプラットフォームと同様に機能し、企業が簡単にオンラインストアを立ち上げることができます。プラットフォーム上で、商品を出品、宣伝、取引を実行することができます。
NAVER Smart Place(スマートプレイス) 実店舗を持つオーナーが場所、営業時間、連絡先詳細などを追加するのに役立ちます。さらにNAVERユーザーにリーチし、顧客として獲得します。これにより、ローカル検索での視認性を高めることが出来ます。
NAVER Tok Tok(ネイバートクトク) 企業と顧客をつなぐチャットサービスです。モバイル・デスクトップともに利用可能です。
NAVER WORKS(ネイバーワークス) Googleワークスペースと同様にNAVERのメール、カレンダー、連絡先、ドライブ、ビジネス用ラインが利用可能
NAVER modoo!(ネイバーモード―!) モバイルサイトを作成し、NAVER検索エンジンに送信します。
NAVER Analytics(ネイバーアナリティクス) ユーザー分析に役立つデータ分析を可能にします。
5. Naver Search Advisorにサイトを登録する
GoogleがGoogleサーチコンソールを提供しているのと同様にNAVERはNaver Search Advisorを提供しています。NAVERにサイトのインデックスやクロールをリクエストしたり、TXTファイルを送信したりすることが可能です。過去3か月のウェブサイトのパフォーマンスなどを確認することができるようになります。
さいごに
2023年、訪日韓国人の数は右肩上がりに増え続けています。また、BtoB企業にとっても日本の輸出先第4位である韓国は、BtoC、BtoB企業にとって需要の高い国の1つです。韓国の主要検索エンジンであるNAVERは、Googleとは違った検索エンジンであるため、今後、韓国マーケティングを検討している企業にとって、NAVERへの理解を深め、効果的に活用することは韓国市場攻略の重要なポイントとなるでしょう。
デジタル先進国である韓国の消費者に対するマーケティングは、常に進化しています。この市場で成功するためには、独自に発達したデジタルや言語への理解が必要不可欠です。インフォキュービック・ジャパンでは、韓国人マーケターが貴社の韓国施策をサポートいたします。
どのようなご支援ができるかは、ぜひ、お気軽にご相談ください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。