日本人があまり知らない「タイEC市場トレンド」
~世代/年齢別データ、人気メディア~
タイのインターネット使用率が大幅に変化!
~拡大するタイEC市場の最新トレンドとは?
皆さん、こんにちは!紗利奈です。
日常で欠かせないインターネットは全世界で年々利用者数が増加しており、タイでも同様の現象が起こっています。タイでは10年前と比べると「インターネットの普及率」は約2倍に増加し、現在ではタイ人口の7割の人がインターネットを利用しています。
それに伴い成長しているのが、EC市場。2018年のタイのEC市場規模は751.1憶バーツとなり、10年前に比べて「4倍以上に成長」をしています。そして今後2023年には1512憶バーツにまで市場が拡大するだろうと予想されています。
今回はタイにおける「インターネットの利用状況」と「比例して拡大するタイのEC市場」について紹介します。
\ タイのインターネット利用時間 /
2019年の1日平均インターネット利用時間は「10時間20分」となっています。
性別
女性:10時間17分
男性:10時間25分
年齢別
55歳∼73歳:10時間
39歳∼54歳:9時間49分
19歳∼38歳:10時間36分
19歳以下:10時間35分
年齢別では、「19歳∼38歳」が5年連続で使用時間が一番長いという結果ですが、これは仕事でインターネットを利用しているためです。次に利用時間が長いのは19歳以下です。この世代は生まれたときからインターネットが存在しており、使用するのが当たり前の年代です。
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利用時間
近年では「1日のインターネット利用時間」は増加する傾向にあります。
インターネットの利用時間が増えた理由として、政府の推進により全国各地で「インターネットインフラが整備されたこと」が大きな要因といえます。タイ全国各地でWi-Fiサービスが利用できるようになっただけでなく、通信速度の速い高速インターネットが使えるようになったことが大きく影響しているようです。また、さまざまな技術の開発も進み、携帯、パソコン、タブレットの価格が下がったことも利用者が増えた要因と言えるでしょう。2020年6月からは5Gのサービスも開始される予定となっており、今後もインターネット環境の整備が急速に進むと予想されています。
\タイの人々はインターネットで何をしている?/
1日のインターネット使用時間のほとんどを「ソーシャルメディア(Facebook、Line、Instagram)」に使っています。次いで「動画や映画の視聴」、「音楽を聞いたり」しているようです。その他にもほしい情報の検索、メールの送信や受け取り、オンラインでの決済や支払い等々があります。
2019年に最も増加したのは、オンラインでの「料理注文」です。(15.1%増加)
他には、決済・支払(11.4%増加)、書類・荷物の届出(11%増加)、映画の視聴と音楽を聴く(10.5%増加)、オンラインでタクシーを呼ぶ(9.3%増加)などが大きく増加しています。このような日常生活で必要な行動もオンラインの傾向が強まっています。
\オンラインとオフラインの割合/
今の時代ではほとんどの商品やサービスがオンラインでも利用できますが、タイ人が一番多くオンラインで利用しているものが下記の順となっています。
- ホテル予約94.1%
- コミュニケーション 91.8%
- チケット購入90.7%
- 映画を視聴と音楽を聴く85.4%
- 決済や支払い」85.2%
ここで、注目したいのが、「商品やサービスの購入」の分野です。ここはオフラインとオンラインが半々ぐらいの割合となっており、まだまだオンラインの成長の余地があります。
\タイで拡大するEC市場!人気のプラットフォームとは?/
冒頭でも述べましたが、タイのEC市場はインターネットの普及率と比例して年々拡大しています。10年前に比べて「4倍以上に成長」をしており、今後2023年には1512憶バーツにまで市場が拡大するだろうと予想されています。では、人々はどのようなプラットフォームを利用しているのでしょうか?
購入者に人気のあるプラットフォーム
タイ人が商品やサービスをオンラインで「購入する際に使用するプラットフォーム」を、人気順に挙げると、下記の順となります。
- Shopee
- Lazada
- Facebook Fanpage
- Line
- TwitterShopee
TwitterShopeeの人気は、プロモーションが多くFlash Saleや期間限定のセールがある、レビューを見ることができる、返品可能である、他の店との比較ができるなどの理由からです。
販売者から人気のプラットフォーム
一方、商品やサービスをオンラインで「商品を提供する側から人気のプラットフォーム」は以下の図となっています。
- Facebook Fanpage、
- Shopee(ショッピー)
- Lin
- Instagram、
- Lazada(ラサンダー)
なぜSNSが商品やサービスを提供する側から人気なのでしょうか?
それはタイでは「FacebookやLINEはユーザー数が多いこと(Facebookの利用率は97%)」、そして「操作が簡単」で、「広告配信のターゲット設定が細かくできること」が理由に挙げられます。タイではソーシャルメディアの利用率がとても高く、タイへ進出する際は、SNSを活用した企業マーケティングは必須のマーケティング施策となっています。
\共に人気のプラットフォーム/
先ほどご紹介した「購入する側」「販売する側」ともに人気のプラットフォーム「Lazada」と「Shopee」をご紹介します。
LAZADA
販売先:マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン
Lazadaは東南アジア向けに販売できる越境ECサイトです。中国のアリババグループがLazadaの支配権を10億ドルで買収。世界の大手IT機器メーカーなど、大手企業も出店しています。「タイのAmazon」とも呼ばれています。
東南アジア向けの大きなモールであり、東南アジアに進出したい企業にはもってこいといえます。しかし最初からすべての国へ出品できるわけではなく、まずマレーシア版サイトに登録する必要があります。マレーシア版のLazadaでの販売状況に応じて、マレーシア以外の他国への出品が可能になります。
・月間ウェブサイト訪問者数は4130万人(2019年)
Shopee
販売先:マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン+台湾
東南アジア6か国+台湾向けに販売できる越境ECサイトです。サービス開始から短期間で成長を遂げており、最も勢いのあるマーケットプレイスと呼ばれています。
・月間ウェブサイト訪問者数:2928万人
まとめ
タイではインターネットインフラが整い、「国民にとってネットが当たり前になった」ことがEC利用の増加に繋がったようです。以前は決済サービスや物流などの問題が多く、日本の業者にとって参入のハードルが高かったタイ市場でしたが、ECを取り巻く環境は急激に改善されています。
言葉を変えれば、日本⇔タイを繋ぐ架け橋(インフラ)は整ったということです。新型コロナウィルスによる巣ごもり需要が湧き上がる世界に向けて、いざ日本企業もD2Cを進めていきましょう! 御社のグローバルD2Cを成功させる海外マーケティングはインフォキュービック・ジャパンに是非お任せください。
アブドゥンロマン 紗利奈
株株式会社インフォキュービック・ジャパン Digital Marketing Team Consultant。タイと日本のハーフ。タイで育ち現地のプリンスオフソンクラー大学(Prince of Songkla University)で経営学部会計学科を学び、卒業後はタイの日系企業に就職。来日後、インフォキュービック・ジャパンに入社。趣味は園芸。