GLOBAL MARKETING BLOG

理論的に学ぶ
2020年08月12日

「LinkedIn」B2Bマーケティング活用術
アルゴリズムを踏まえたLinkedIn成功のヒント

LinkedInについて知っておくべきこと

世界最大のビジネス向けソーシャルメディア「LinkedIn」。日本でも近年注目が高まっており、特に海外をターゲットとするB2Bビジネスを展開する企業にとって、主力のマーケティング・プラットフォームへと成長しつつあります。全世界ですでに登録ユーザー数6億7500万人以上(2020年3月時点)を誇り、多くの企業がLinkedInを自社のマーケティング施策の一つに挙げるようになりました。

LinkedIn広告はBtoBビジネスに最適なビジネス属性へのターゲティングが可能です。また、他のソーシャルメディア広告に比べコンバージョン率が遥かに高いことも人気の1つとなっています。企業ページ運用においても高いブランド認知を期待できるうえ、市場に対しての強い影響力をもつところが大きな魅力です。

今回は企業の海外マーケティング施策にLinkedInを活用する際に、LinkedInを最大限活用するための「最新LinkedInアルゴリズム」をわかりやすく解説します。

 

1.「LinkedInアルゴリズム」について知っておくべきこと

LinkedInについて知っておくべきこと

LinkedInアルゴリズムはユーザーのフィードに情報が表示される前にすべての投稿を選別し、関連性の高いコンテンツを最優先させます。ユーザーにとって必要と思われる投稿が常にトップに表示されるため、結果的にエンゲージメント率も高くなり、ユーザーも投稿者も多大なメリットを享受することができるのです。

LinkedInのアルゴリズムはフィード投稿をランク付けする際に「個人的なつながり」を優先させます。ユーザーのプロフィール・直接やり取りした相手・メッセージの送信・コメント・共有・投稿への反応など直接的なやり取りを考慮して上位表示させるかを決定します。それに加え「投稿」がユーザーに表示される前に、ユーザーが参加しているグループ・フォローしているページ・使用しているハッシュタグなどユーザーの「興味」も考慮します。

もちろんユーザー側で最新の投稿を優先するなどの設定をすることもできますが、LinkedInアルゴリズムは常にユーザーが興味をもつコンテンツとトピックを表示し対話を促進させます。
フィードで見つけたコンテンツや投稿をユーザーに共有してもらうことでさらに伝達力がアップし、必要な情報を拡散させる効果を生むことが可能です。

 

2. LinkedInにコンテンツを投稿した際の「表示プロセス」

LinkedInの一番の強みは、ビジネスに関連する人と人とが密接につながり、それを維持する大きな環境を作り出すことです。LinkedInに接続しているユーザーが多ければ多いほど有効ですが、提供するコンテンツがニーズに合っていれば、その情報はコミュニティ内だけでなくネットワークの外にまで届く可能性が高まります。

ここでLinkedInエンジニアリングチームのドキュメントの一部から、LinkedInにコンテンツを投稿した際の表示プロセスについて紹介しましょう。下記図はLinkedInエンジニアリングブログで参照されている投稿プロセスになります。

LinkedInフィードに何を表示させるかは、以下のようなフレームワークに沿って決定されます。

  1. コンテンツを「画像」「テキスト」「ビデオ」「ロングフォーム」「リンク」に分類
  2. 分類に応じ、サンプルサイズのユーザーに配信
  3. 「Content Quality Scoring」の時点でさまざまな要素が考慮され、「Demoted because it’s low quality(低品質のため降格)」or「 Shown to more people because it’s high quality(高品質のためより多くの人々に表示)」に分類。
  4. 編集者がコンテンツをレビューし、ユーザーのネットワークを超えて配布する価値があるかどうか判断

このフレームワークを理解すれば、LinkedInがなぜ常に高品質のコンテンツで溢れており、他のソーシャルメディアとは一線を画し、世界中から「信頼性」を得ているかご理解いただけるかと思います。

 

3. LinkedInアルゴリズムを攻略するためのヒント

LinkedInアルゴリズムのヒント

LinkedInはユーザーの人と人との繋がり、フォローしているハッシュタグ、お気に入りのページやお気に入りの場所など考慮して、パーソナライズされたフィードを作成します。ユーザーが一方的にフォローしている著名人でなく、相互作用し、ダイレクトなやり取りをしている最もよく知る人物が作成・共有したコンテンツを上位にランク付けします。企業側にとっては「手強い」ともいえるLinkedInプロファイルを最適化し、アルゴリズムに打ち勝つためにはどのような手法が考えられるでしょうか?

ここでは4つの成功のヒントをご紹介します。

dot 関連性をもつ

ビジネスを成功させるためには、より多くの人に働きかけ、投稿、共有し、コメントしてもらう必要があります。LinkedInアルゴリズムは継続的に投稿を行っているユーザーのコンテンツを優先し、ユーザーが興味を示しやすいコメントや投稿を上位表示します。関連した画像付き投稿はテキスト投稿の2倍、動画は5倍、コメント獲得率が高くなることも意識する必要があります。

また、一般的なトークテーマよりもニッチなトークテーマが優先されるので、業界や目的のニッチに関連する特定のハッシュタグを作成し、コンテンツを共有するか会話に参加する可能性の高い人にタグを付けるという方法も有効と言えるでしょう。

2020年のローンチされた新機能「LinkedIn LIVE」はLinkedInの中でもソーシャルメディア戦略の中核と捉えられており、LinkedInライブ動画はネイティブ動画よりも平均7倍の反応と24倍のコメントを獲得しています。

今後LinkedInを企業として活用していくうえでLinkedInライブの活用は必須と捉えてよいでしょう。イベントの宣伝・新入社員の募集・プロフィールを盛り上げるためにコンテンツを制作するなど用途は無限にあるので是非チャレンジしてみてください。

dot コミュニティを作成する

質問や投票などユーザーが行動しやすい環境をつくることでコンテンツに関する会話や話題を多く提供し、フィード全体のランクを上げることがポイントです。例えば同じ業界で働いている、又は同じコミュニティ内にいる他のユーザーたちとつながりをもつことが第一歩といえるでしょう。独自のグループを作成するなどしてコミュニティを形成し、そこに集う人々がLinkedInを利用する主な理由に向けて有意義なコンテンツを作成し提供することが効果的です。リンク等に対する意見を促す投稿が優先されることから、コミュニティ内の会話も重要なポイントといえるでしょう。

一般的なトークテーマよりもニッチなトークテーマが優先される傾向があるので、専門性のあるニッチな話題の提供・議論の活発化・ユニークな発信などを行うアカウントほど投稿が表示されやすくなります。

LinkedInは現在、「ストーリー機能」の開発に取り組んでいます。他のソーシャルメディアプラットフォームの多くのストーリー機能と同様に、メンバーと組織は短い動画と画像を24時間投稿できる機能です。現在はテスト段階ですが、ユーザーと重要な瞬間を体験・共有しコミュニティと有意義な関係を築くなど、認知度を高めるための優れたツールになる可能性の高い機能です。

dot「本物」であることにこだわる

LinkedInマーケティング攻略には、「信頼性」が重要なカギとなります。

LinkedIn製品管理担当シニアディレクターであるピート・デイビス氏は、「実体験に基づく本物の会話が、よりよくより深い会話を引き起こす」と述べているように、より良いコミュニケーションは、より強力なコミュニティを生み、企業としての信頼に繋がります。

企業が直面した苦い経験や失敗を通した目標、経過などの苦い経験なども包み隠さず共有することで、より人々の共感を得ることへと繋がるかもしれません。

dot LinkedIn Analyticsで最適化する

LinkedIn Analyticsを活用すれば、その投稿が他の投稿よりどこが優れているのか、なぜ優れているのかが分析することが可能となります。それは投稿した時間なのか、特定の行動を促すフレーズを使用したからなのか、誰かが投稿を後押ししてくれたなど、分析によって何が一番影響を与えているかの特定に役立ちます。LinkedIn Analyticsを活用し、競合のパフォーマンスをチェックすることも可能です。あらゆる要素を客観的に分析し、より効果的な成果を得るためにはLinkedIn Analyticsは必要不可欠なツールといえるでしょう。

 

まとめ

LinkedInを活用して海外にアプローチするためにはLinkedInのアルゴリズムをしっかりと理解することは、とても重要となってきます。ぜひここで紹介したヒントをもとに、海外B2Bマーケティング施策のひとつとして「LinkedIn」を有効的に活用してみませんか?

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吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。