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トレンドを知る海外向けBtoBマーケティングに「LinkedIn」を活用すべき、5つの理由
従来のBtoBマーケティングと言えば、展示会や広告、メールマーケティングなどが主流でしたが、デジタル化が進む近年では、BtoB企業であってもソーシャルメディアマーケティングを積極的に取り組む企業が増えています。
その中でもLinkedInは、BtoB企業に親和性が高く、有効なマーケティングプラットフォームとして高く評価されています。
日本では、LinkedIn =「就職・転職」のためのツールとして認識されていますが、海外ではBtoBマーケティングにおいて非常に有効な手段とて人気が高まっています。
では、なぜLinkedInは、海外向けBtoBマーケティングにおいて最適なツールとして認識されているのでしょうか?今回の記事では、BtoB企業がマーケティング施策の一環としてLinkedInを積極的に活用する「理由」を、詳しくご紹介します。
目次
拡大するBtoBの電子商取引
近年、BtoCだけでなく、BtoBのデジタル取引も急速に市場が伸びています。
Straits Researchのグローバルレポートによると、世界のBtoB電子商取引市場規模は2022年時点で 7兆4,321億米ドルに達し、2031年までに 36兆1,000億米ドルを超えると予測されています。特にアジア太平洋地域では、インフラ設備の改善やインターネットユーザーの増加により、市場拡大が著しく、中国・インド・ASEAN諸国を中心にBtoB企業のデジタル化が加速しています。
数年前まで、BtoB企業の営業担当者は、製品カタログと契約書を片手に顧客を訪問し、直接取引を行うのが一般的でした。しかし、近年のデジタル化の進展により、販売方法は大きく変化しています。
Gartnerのレポートでは2025年までにBtoB販売の顧客接点の80%がデジタルチャネルで行われるようになるという予測も出ており、BtoBであっても電子商取引の流れは今後も加速していくでしょう。
BtoBビジネスにおいて、顧客との信頼関係を構築することが依然として重要であることに変わりはありません。しかし、デジタル化の時代においては、顧客との信頼関係を構築しながら、長期戦略の一つとして最適化された顧客体験を提供できるデジタルチャネルを活用することが不可欠となります。
複雑化する「購買プロセス」
BtoB企業における「購買プロセス」は年々複雑化しており、企業の調達・購買担当者が新しい商品を見つけて、実際の購入決定に至るまでに中央値で「6~10人が関与している」と言われています。
また、日本のBtoB企業では、「昔からの営業担当者が訪問して、新しい商品を紹介する」ことが昔からの行いとして定着していましたが、コロナ騒動をきっかけにいっきにデジタル化の流れと変化しました。
特に海外の場合、多くの企業担当者は自らが「インターネットを検索して調べる」という手段が定着してきています。「Demand Gen Report」の購買行動調査レポートでは、ビジネス情報の調査手段として、インターネット検索やソーシャルメディアでの調査が積極的に行われていることがわかっています。
- General web search「検索する」– 81%
- Vendor web sites「企業のWebサイト」– 35%
- Industry guides/reports「業界レポート」– 34%
- Social Media「ソーシャルメディア」– 23%
この結果からもおわかりいただけるように、BtoBもBtoCと同様に検索エンジンやソーシャルメディアを駆使した情報収集が活発になってきているのが近年の傾向です。それに加え、Gartnerの調査レポートによるとBtoB購買担当者の多くは、営業担当者と何らかの接触を行う前にWebで見つけた情報や評判に基づいて、製品やサービスに関する”初期の印象”を形成してしまっていると言います。
つまり、BtoB企業が「成約」というゴールまでたどり着くためには、まず「インターネットでの情報検索で見つけてもらい」、「良い印象を持ってもらい」、「候補に選んでもらい」、ようやく商談のテーブルに乗り、その後「6人~10人の担当者の壁を突破する」必要があり、それぞれのフェーズごとに異なるアプローチが求められるのです。
BtoB海外マーケに「LinkedIn」を活用すべき、5つの理由
日本ではまだまだ利用率の低いLinkedInですが、海外ではBtoBマーケティング担当者にとって重要なプラットフォームであることは良く知られています。ビジネス上の意思決定者や業界のリーダー、潜在的な顧客と繋がる機会を提供しているLinkedInを効果的に活用することで、マーケティング目標を達成し、ビジネスを次のレベルに引き上げることができるでしょう。
この段落では、LinkedInがBtoBマーケティングに最適な理由について説明します。
1. 世界の専門家やリーダーが集まるプラットフォーム
LinkedInが他のソーシャルメディアと違う大きく異なる点は、LinkedInを利用している「ユーザーの属性」にあります。
日本では「転職」のイメージが強いLinkedInですが、海外では転職活動はもちろんのこと、ビジネスパーソンにとって必須ツールとして広く活用されています。そのため、LinkedInにはビジネスに興味関心の高いユーザーが圧倒的に多く集まっています。
LinkedInユーザーの5人中4人は意思決定のポジションに就いているユーザーであり、月間アクティブユーザーの40%は毎日LinkedInを利用しているという調査結果からも、その利用頻度の高さが伺えます。
つまり、LinkedInを効果的に活用することができれば、「毎日数億人を超える”役職の就いた専門家”にアプローチし、顧客とネットワークを築く機会を得られる」ということです。
事実、インフォキュービック・ジャパンでご支援させていただいたお客様は、LinkedInの立ち上げから、運用サポートを実施して1年を経たずしてフォロワー数は2万人を突破。2年ほどでフォロワー数は9万人に達しています。詳しくはこちらのお客様事例をご参照ください。
2.正確なターゲティング機能
LinkedInのターゲティングに使用するデータの多くは、特定の役職から職務経歴、スキルなどさまざまななものがあり、コンテンツや広告が最も関連性の高いユーザーに届くようになっています。また、ビジネスに関心の高いユーザーから提供された実用性・リアルタイム性に富んだデータを活用できるため、BtoBマーケティングにおいてこれ以上ないほど正確なターゲティングを実現します。
LinkedIn広告では年齢・性別・場所など基本的なターゲティングセグメントに加えて、LinkedIn特有のセグメントを活用しオーディエンスをターゲティングすることが可能です。例えば、ビジネスにおけるターゲティング項目としては、「会社名・会社業種・会社規模・会社成長率・会社のつながり」や、スキルやキャリアといった「社会人経験年数(1年~12年以上まで)・スキル・業種・ポジション・職務レベル」、「出身校や専攻、学位」といった学歴も挙げられます。そのため、「製造業界、年商100億円規模以上、シニアマネージャー、資材調達、アメリカ」といったターゲットに対して、ピンポイントで広告配信ができるのです。
他のソーシャルメディアにはここまで詳しいデータを登録する必要もないのは、言うまでもありません。転職プラットフォームとして、利用されているLinkedInだからこそ可能なターゲティングであり、LinkedInマーケティングがBtoB企業に有効であると言える大きな要素の一つです。
3.質の高いリード獲得
LinkedInは質の高いリードを獲得するのに最適なプラットフォームです。潜在的顧客を的確に特定し、成果に結び付ける点が多くのBtoB企業から支持されています。
圧倒的なリード獲得
LinkedInのレポートによると、SNSから生まれるBtoBリードの約80%は、LinkedIn経由で発生しており、X(Twitter)の13%、Facebookの7%と、LinkedInのBtoBマーケティングにおける相性の良さは実証されています。
高いコンバージョン率・低コスト
HubSpotの調査では、LinkedInの訪問者からリードへのコンバージョン率は2.74%と、こちらもX(Twitter)の0.69%、Facebookの0.77%と比較すると、その差は約3倍に達しています。さらに、リード当たりのコストは、Google広告よりも28%ほど低いというのもBtoB企業と相性の良いプラットフォームであると言われている大きな理由の一つです。
高い信頼性と専門性
LinkedInユーザーからの支持も厚く、”他のソーシャルメディアと比べて”信頼性の高いソーシャルメディア」”として、ユーザーに認識されています。ユーザー数、ユーザー属性、使用目的などを考慮しても、これほどのビジネスに親和性の高いソーシャルメディアは他にはありません。
4.優れたリード生成機能
LinkedInは、マーケティングに活用できる多彩な機能を提供しています。その中で最も優れた機能の一つが、独自データをアップロードするだけで、キャンペーンに活用できるオーディエンスセグメントを作成することができるという点です。
メールリストやCRMデータ、Outlookのコネクタを使用したり、Googleコンタクトの連絡先リストをLinkedInにアップロードするだけで、LinkedInのユーザープロファイルと照合し、300以上のプロファイルと一致した場合、LinkedIn全体の広告キャンペーンで使用できるオーディエンスを作成することが可能です。さらに、アップロードされた会社名を約3,000万ものLinkedIn企業ページの中から見つけ出すことも可能です。
<LinkedIn:CRM Integration>
近年導入されたLookalike Audiences機能は、近しい顧客リストをアップロードすることで簡単に類似オーディエンスを作成することができます。また、Sales Navigator機能は、特定の意思決定者にリーチするために細かく調整できる検索機能で、リードを調査・発見するための優れた検索機能を実装しています。加えて、CRMのデータを統合することも可能で、LinkedInを通じて相手が求めるものをリアルタイムで確認し、行動や好みに応じて追加情報を提供できるようになっています。
このような機能を効果的に活用することで、優れた効果を発揮するLinkedInは、調査対象となったBtoBマーケティング担当者の40%が、LinkedInが高品質のリードを獲得するのに最も効果的なチャネルであると回答しています。
5.ウェブトラフィックを増加させる
LinkedInの強みの一つに、リンク構築とトラフィックドライビングの強さが挙げられます。
BtoBサイトやブログへのソーシャルトラフィックのうち、50%以上はLinkedIn経由であるとの調査もあります。これは、FacebookやXと比較して圧倒的な数字です。ユーザーは、LinkedInをBtoBコンテンツ配信におけるメインのプラットフォームとして認識しており、高い意識を持って情報収集などに使用していることが読み取れます。
職種、業界、企業規模、役職など他のソーシャルメディアにはない様々な条件でターゲティングが行えるLinkedInは、確実にターゲット層にリーチできるため、効率的なマーケティング施策を行えるのです。
さいごに
LinkedInはBtoB海外向けマーケティング施策の一つとして、欠かせない選択肢の一つです。ソーシャルメディアマーケティングが難しいと言われていたBtoB企業にとっても、現時点で最も効果を上げる可能性を秘めたソーシャルメディアがLinkedInと言っても過言ではありません。
ターゲットとするオーディエンスへの無駄のないアプローチを可能とし、世界中の幹部マーケターの多くが、LinkedInは質の高いコンテンツを見つける最適なプラットフォームであると認識されています。企業やブランドがさまざまな情報を発信する優れたプラットフォームとして、この理想的な場を使わないという選択肢はありません。是非、新たな海外デジタルマーケティングの手段として「LinkedIn」をご検討してみてはいかがでしょうか?
インフォキュービック・ジャパンでは、海外に向けたLinkedIn戦略立案からのアカウント開設・育成・広告配信まで、数多くのお客様をサポートしてきました。「今すぐではないけど、興味がある」、「ちょっと話を聞いてみたい」など、LinkedInの活用に少しでも興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。